法人融資ナビ2026年最新版
業種

業種別 法人融資ガイド

業種によって審査のポイント・向いている銀行・資金使途の傾向が大きく異なります。業種別に融資のコツを整理しています。

🏗 建設業

受注から入金までのリードタイムが長く、資金繰りが厳しくなりやすい業種。建設業許可・完成工事高・未成工事残高が審査の重要ポイントです。

向いている銀行

地方銀行・信用金庫。建設業の季節変動と工期の長さを理解した担当者がいる地域密着の金融機関が審査しやすい。

資金使途

工事着手前の材料費・外注費(短期運転資金)、建設機械・車両購入(設備資金)、事業拡大のための長期借入が主な用途。

審査のポイント

完成工事高の推移、受注残高、下請け比率。公共工事であれば発注機関からの請負契約書が信用補完になる。

注意点

季節波動が大きく年度末に受注が集中する傾向。通期の決算書だけでなく月別の売上・収支データを準備すると説得力が増す。

🍜 飲食業

現金商売で売上は見えやすい一方、廃業率が高く審査が厳しい業種。店舗数・日商・客単価・原価率が重点確認項目です。

向いている銀行

日本政策金融公庫(創業融資)・信用金庫(小口対応)・商工会議所マル経融資。民間銀行は2〜3期の黒字実績がないと難しい場合が多い。

資金使途

内装・厨房機器・什器備品(設備資金)、食材仕入れ・スタッフ雇用(運転資金)、複数店舗展開(事業拡大資金)。

審査のポイント

日商・月次売上の安定性、フードロス率・FLコスト(食材費+人件費)が60%以内か。立地条件・競合環境の分析も求められる。

注意点

コロナ禍以降は特にキャッシュフロー管理を厳しく見られる。内装工事費用は長期化するため、返済期間は設備の耐用年数に合わせた設定が望ましい。

🏭 製造業

設備投資額が大きく、稼働率・受注残が重視される業種。業歴・技術力・主要取引先との関係性が審査に大きく影響します。

向いている銀行

地方銀行・都市銀行・政府系(設備資金)。地域の製造業集積エリアに支店を持つ地方銀行は産業構造を熟知している。

資金使途

生産設備・機械更新(設備資金)、原材料仕入れ・人件費(運転資金)、工場増設・子会社設立(長期借入)。

審査のポイント

主要取引先の安定性・与信、設備稼働率、在庫水準、自己資本比率。自動車・電機の下請けなら親会社との取引継続性も重要。

注意点

リーマンショックや半導体不足のような外部ショックを想定したBCP(事業継続計画)があると審査で差別化できる。

💻 IT・ウェブ

固定資産が少なく担保評価が難しいが、SaaS・サブスクのMRRや受注残が信用補完になる。スタートアップはVC調達歴も評価対象。

向いている銀行

ネット銀行(PayPay銀行・GMOあおぞらネット銀行)、日本政策金融公庫(無担保融資)、スタートアップ支援に積極的な都市銀行・信用金庫。

資金使途

開発人員採用・外注費(運転資金)、サーバー・クラウド費用(設備資金)、マーケティング投資(事業拡大資金)。

審査のポイント

ARR(年間経常収益)・MRR・解約率(チャーンレート)・顧客数の推移。プロダクトの継続性と競合優位性の説明力が重要。

注意点

赤字でも成長率が高く受注残がある場合は積極的に説明すること。担保がなければ信用保証協会付き融資を活用するとハードルが下がる。

🏥 医療・介護

社会的ニーズが高く比較的審査が通りやすい業種。ただし診療報酬・介護報酬の改定リスクや人件費の高さが審査ポイントです。

向いている銀行

医療専門部門を持つ都市銀行・地方銀行、日本政策金融公庫(医療・福祉融資)。医師・歯科医師向けの専門融資メニューを持つ金融機関が有利。

資金使途

医療機器購入(設備資金)、クリニック・施設開業(長期資金)、人員増強・採用費(運転資金)、電子カルテ・DX投資(IT資金)。

審査のポイント

患者数・レセプト件数の推移、人件費率、地域の診療圏人口。介護は稼働率・入居率・職員離職率が重点評価項目。

注意点

診療報酬・介護報酬の改定リスクがある。法人化前後の売上変化の説明準備が必要。理事長(院長)の個人信用情報も確認される。

🏢 不動産業

物件担保が取りやすい一方、物件の収益性・空室率・ローン残高の総合評価が重要。個人・法人の区別と実質債務超過の確認が審査の核心です。

向いている銀行

不動産融資に積極的な地方銀行・信用金庫・ノンバンク(オリックス銀行等)。都市銀行は収益物件の評価が厳しめ。

資金使途

投資物件購入(長期資金)、リフォーム・大規模修繕(設備資金)、仲介業・管理業の運転資金。

審査のポイント

収益物件のNOI(純営業収益)・表面利回り・空室率・築年数。法人代表者の個人保有物件も含めた総合的な債務評価。

注意点

近年は「土地・建物評価額」より「収益還元評価(インカムアプローチ)」で判断する金融機関が増加。稼働率管理とキャッシュフロー管理が鍵。

🌾 農業・食品

農林漁業者への融資は日本政策金融公庫の農林漁業向け枠(農業経営基盤強化資金など)が充実。法人化・6次産業化でさらに選択肢が広がります。

向いている銀行

日本政策金融公庫(農林漁業向け低利融資)・農協(JA)、農業に精通した地方銀行・信用金庫。

資金使途

農業機械・ハウス設備購入(設備資金)、種苗・肥料・農薬(運転資金)、6次産業化のための加工施設投資(長期資金)。

審査のポイント

農業経営改善計画、作付面積・収穫量・販売先の安定性、農地の所有・賃貸状況。認定農業者や農業法人格取得は信用補完になる。

注意点

天候リスク・市場価格変動リスクのヘッジが重要。農業共済や収入保険への加入状況も審査で確認される場合がある。

🛒 小売業

在庫リスクと売上季節変動が審査のポイント。EC(ネット通販)との競合・在庫回転率・売掛金管理が金融機関から重視されます。

向いている銀行

地方銀行・信用金庫(地元小売業支援)、ネット銀行(EC事業者向けのAI審査)。百貨店・チェーン系は都市銀行との取引実績が評価される。

資金使途

仕入れ資金・在庫購入(短期運転資金)、店舗改装・POS・EC基盤投資(設備資金)、季節商品の在庫増強(季節性運転資金)。

審査のポイント

在庫回転率・粗利率の安定性、季節変動パターン、EC化率・オムニチャネル戦略の有無。

注意点

「在庫が担保になる」と思いがちだが、非流通品・陳腐化リスクのある在庫は担保評価が低い。売掛金のほうが評価されやすい。

美容業

美容室・エステ・ネイルサロンは内装・設備の初期投資が大きく、開業資金の調達が最初の課題。月謝型の安定収入が評価されます。

向いている銀行

日本政策金融公庫(新創業融資)・信用金庫が最適。商工会議所マル経融資も美容業の実績がある。

資金使途

内装工事・シャンプー台・設備(設備資金)、薬剤仕入れ・広告・採用(運転資金)、2号店開設。

審査のポイント

代表者の美容師免許・業界経験。客単価・来客数・予約稼働率の安定性。リピート率と口コミ評価。

注意点

スタッフ独立リスクへの対応(顧客名簿・リピート率)を説明できると評価が上がる。

🚛 運輸・物流業

車両・倉庫などの設備投資が大きく、燃料費変動と許認可取得状況が審査のポイント。荷主との継続契約が融資条件に影響します。

向いている銀行

地方銀行・日本政策金融公庫が主な窓口。信用金庫は小規模・地域密着型の輸送業者に対応。

資金使途

トラック・車両購入(設備資金)、燃料費・修理費(運転資金)、倉庫建設・フォークリフト(大型設備)。

審査のポイント

一般貨物自動車運送事業許可の有無。主要荷主との継続契約。燃料費変動と運賃改定の対応状況。

注意点

2024年問題(時間外労働規制)への対応策を事業計画に含めると定性評価が上がる。

🏥 介護・福祉業

介護報酬の入金サイクル(2ヶ月遅延)が資金繰りを圧迫しやすい業種。一方で介護保険収入の安定性が高く、計画的融資では審査通過率が高い面があります。

向いている銀行

日本政策金融公庫(福祉貸付制度)が最適。地方銀行・信用金庫も介護事業への融資実績がある。

資金使途

施設建設・改修・福祉車両・ICT化(設備資金)、介護報酬入金前のつなぎ(運転資金)。

審査のポイント

介護事業所の指定・更新状況。稼働率・利用者数推移。職員定着率と夜勤体制。

注意点

介護報酬の2ヶ月遅延対策として当座貸越(コミットメントライン)の設定が有効。

📚 教育・学習塾

月謝・受講料の安定収入が評価されやすい一方、生徒募集・競合環境・季節変動による入退会が審査で注目されます。

向いている銀行

信用金庫・日本政策金融公庫が主な窓口。安定実績があれば地方銀行への移行も。

資金使途

教室内装・機器・教材(設備資金)、広告・スタッフ採用費(運転資金)、2校目開設。

審査のポイント

生徒数・継続率・月謝単価の推移。講師体制と競合との差別化ポイント。

注意点

少子化・オンライン学習への対応策を差別化戦略として説明できると定性評価が上がる。

🏨 宿泊・ホテル業

観光需要に左右される季節変動と初期投資の重さが特徴。客室稼働率・RevPARと口コミ評価が審査のカギです。

向いている銀行

日本政策金融公庫(生活衛生業種向け融資)・地方銀行。観光地では地域密着の金融機関が積極的。

資金使途

客室改修・リノベーション(大型設備資金)、IT化・予約システム投資、季節仕入れ(運転資金)。

審査のポイント

月別稼働率の安定性・RevPAR。インバウンド対応状況・OTA評価。旅館業許可の更新状況。

注意点

閑散期の収支が最悪シナリオとして審査される。閑散期でも返済可能な計画を提示することが重要。

🏪 フランチャイズ業

本部との契約内容・ロイヤリティ率・エリア独占権の有無が審査の着眼点。複数店舗展開時は一括審査も可能です。

向いている銀行

政府系(日本政策金融公庫)・信用金庫・地方銀行。FC本部に金融機関との提携融資制度がある場合はそちらを最優先に活用。

資金使途

加盟金・保証金・内装工事・設備(開業設備資金)、仕入れ・人件費・ロイヤリティ(運転資金)、多店舗化(拡張資金)。

審査のポイント

FC本部の財務健全性・ブランド力・加盟店数推移。既存店舗の損益実績。本部からの研修・サポート体制の充実度。

注意点

FC契約期間と融資返済期間のズレに注意。契約更新拒否リスクや中途解約違約金も事業計画に盛り込んでおくことが望ましい。

📦 EC・通販業

在庫・物流コストと広告費の変動が審査ポイント。モールへの依存度とD2C比率が中長期の信用評価に影響します。

向いている銀行

ネット銀行(GMOあおぞら・PayPay銀行)はEC事業者向けのAI審査が充実。売上規模が拡大すれば地方銀行・信用金庫との取引も検討。

資金使途

仕入れ・在庫確保(短期運転資金)、倉庫・物流設備投資(設備資金)、広告費・SEO・SNS運用(マーケ資金)。

審査のポイント

モール売上の継続性(Amazonや楽天の店舗評価・評点)。D2C比率と自社サイト月次売上の推移。在庫回転率・返品率。

注意点

モール依存度が高いと「プラットフォームリスク」として評価が下がる場合がある。D2C売上・自社リスト保有状況を積極的にアピールすること。

🤝 サービス業

固定資産が少なく人材が主な資産の業種。継続契約・顧客単価・人員稼働率が審査のカギです。

向いている銀行

信用金庫・地方銀行・日本政策金融公庫。設備担保が取りにくい場合は信用保証協会付き融資や無担保融資を活用。

資金使途

採用・研修費(人材投資資金)、事務所移転・設備投資(設備資金)、顧客獲得広告・システム開発(成長投資資金)。

審査のポイント

継続契約・ストック収益の割合。主要顧客への依存度(1社依存は△)。従業員稼働率と平均単価の安定性。

注意点

キーマンリスク(代表者依存)が審査で懸念される場合がある。幹部への権限委譲・組織体制の整備状況を事業計画に含めると評価が上がる。

よくある質問
Q建設業が法人融資を受けるポイントは?
A

建設業は受注から入金まで時間がかかるため、短期の運転資金融資が重要です。建設業許可・完成工事高・受注残高を準備し、地方銀行か信用金庫に相談するのが近道です。公共工事の請負契約書は信用補完になります。

Q飲食業で創業融資を受けるには?
A

飲食業の創業融資は日本政策金融公庫が最適です。担保・保証人なしで最大3,000万円まで対応します。FL比率(食材費+人件費)が60%以下に抑えた事業計画と、実際の飲食業経験を示すことが重要です。

QIT企業・スタートアップが融資を受けやすい銀行は?
A

ネット銀行(PayPay銀行・GMOあおぞらネット銀行)は固定資産が少ないIT企業でもAI審査で評価します。ARR・MRRが安定しているSaaS系なら地方銀行も対応可。日本政策金融公庫の無担保融資も活用できます。

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