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セーフティネット保証とは何か|4号・5号の要件と申請手順を完全解説

執筆: 法人融資ナビ編集部 / 公開: 2026-04-28 / 更新: 2026-07-20

セーフティネット保証は景気悪化・自然災害・取引先倒産など経営環境の急変で資金繰りが悪化した中小企業向けの緊急保証制度だ。

通常の信用保証協会保証枠とは別枠で使えるため、既存枠を使い切った企業でも新規融資の道が開ける

要点

この記事で先に確認すること

01
セーフティネット保証4号の売上減少要件
前年同月比20%以上減少
出典: 中小企業庁「セーフティネット保証制度(4号)」 https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/sefu_net_4gou.html
02
保証割合
4号は借入債務の100%・5号は80%(4号と5号の別枠は共通で最大2億8,000万円)
出典: 中小企業庁「セーフティネット保証4号・5号の概要」 https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/2024/240308_4gou.pdfhttps://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/2022/220819_5gou_01.pdf
03
セーフティネット保証の別枠限度額
無担保8,000万円・有担保2億8,000万円
出典: 中小企業庁「セーフティネット保証制度」 https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/sefu_net_gaiyou.html
04
認定書の有効期間
30日間
出典: 中小企業庁「セーフティネット保証4号の指定期間延長」 https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/2024/240308_4gou.html
05
認定から融資申込みまでの2段階
市区町村で認定書を取得後、金融機関または信用保証協会へ保証付き融資を申込み。認定と保証・融資審査は別
出典: 中小企業庁「セーフティネット保証制度」 https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/sefu_net_gaiyou.html
06
認定申請の必要書類
自治体・認定号・申請類型で異なる。認定申請書、売上高計算書、試算表・売上台帳等の根拠資料、事業実態を示す書類などを申請先で確認
出典: 中小企業庁「SNポータル事業者向けリーフレット」 https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/download/sn-portal_leaflet_jigyousha.pdf / 横浜市「4号認定」 https://www.city.yokohama.lg.jp/business/kigyoshien/yushiseido/nintei/safety-4gou.html / 大阪市「セーフティネット保証5号の認定申請」 https://www.city.osaka.lg.jp/keizaisenryaku/page/0000503431.html
07
危機関連保証
全国的な危機時に発動。一般保証・セーフティネット保証とは別枠2億8,000万円・100%保証(2018年4月創設)
出典: 中小企業庁「信用補完制度の見直し」 https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/shikinguri/hokan/index.html
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SECTION 01

セーフティネット保証の全体像:1号〜8号と別枠の仕組み

セーフティネット保証は1号〜8号の8種類があり、それぞれ適用条件が異なる。実務で最もよく使われるのは4号(突発的な売上減少)と5号(業況悪化業種)だ。

通常の信用保証協会保証は一般保証枠(無担保8,000万円・有担保2億8,000万円)だが、セーフティネット保証は同額の別枠として利用できる。つまり一般保証枠を使い切った企業でも、セーフティネット保証を使うことで実質的な保証限度額が2倍になる点が大きな特徴だ

認定取得の申請先は市区町村役場(経済産業省指定の認定機関)で、認定書を信用保証協会・金融機関に提出することで審査が始まる。自社がどの制度に当てはまるかは、以下の比較で見極められる。

実務で使う3制度の比較:4号・5号・危機関連保証

項目4号(突発的売上減少)5号(業況悪化業種)危機関連保証(リーマン級の危機)
対象要件直近1ヶ月の売上高が前年同月比20%以上減少、今後2ヶ月も同水準の減少見込み中小企業庁指定の業況悪化業種に属し、直近3ヶ月の売上高が前年同期比5%以上減少直近1ヶ月の売上高が前年同月比15%以上減少、その後2ヶ月を含む3ヶ月間も15%以上の減少見込み
保証割合100%80%(責任共有)100%
保証枠一般保証とは別枠(無担保8,000万円・有担保2億8,000万円、5号と共通)4号と共通の別枠(無担保8,000万円・有担保2億8,000万円)一般保証・セーフティネット保証とも別の第3の枠(2億8,000万円)
発動条件要件を満たせば常時申請可能中小企業庁が四半期ごとに指定する業種に限る国がリーマン・ショック級の全国的な信用収縮を認定した場合のみ(新型コロナ禍で発動実績あり)
認定窓口市区町村役場市区町村役場国が発動を認定した場合に利用可能(窓口は発動時の公式案内で確認)

SECTION 02

セーフティネット保証4号の要件と申請の進め方

セーフティネット保証4号は、自然災害や突発的な景気悪化により最近1ヶ月の売上高が前年同月比で20%以上減少し、かつ今後2ヶ月も同水準の減少が見込まれる中小企業を対象とする。保証割合は借入債務の100%で、万一返済できなくなった場合は信用保証協会が全額を保証する(5号の80%保証より手厚い)。新型コロナウイルスのような事態では政府が全国を4号の認定対象地域に指定することがある。

申請手順は①市区町村役場での「認定書」取得(売上比較の資料提出が必要)②認定書を持って金融機関・信用保証協会に融資申込③保証審査・融資実行という流れだ。認定書の有効期間は30日間のため、取得後すぐに金融機関に持参することが重要だ

SECTION 03

認定申請から保証付き融資までを2段階で進める

手続きは「市区町村の認定」と「保証付き融資の申込み」の2段階に分かれる。第1段階では、法人は登記上の住所地または事業実態のある事業所所在地、個人事業主は事業実態のある事業所所在地を管轄する市区町村の商工担当課等へ認定申請書と根拠資料を提出する。窓口、予約・郵送の可否、SNポータルの対応は自治体ごとに異なるため、申請先の公式ページで最新の受付方法を確認したい。

必要書類も自治体・認定号・申請類型で異なる。例えば横浜市の4号は認定申請書、売上高計算書、月別試算表・法人事業概況説明書・売上台帳など売上数値の根拠資料、事業実態を確認できる資料を案内している。大阪市の5号では、これらに加えて許認可が必要な業種の許認可証と、指定業種を営んでいることを確認できる資料も求めている。

第2段階では、認定書を希望する金融機関または所在地の信用保証協会に持参し、保証付き融資を申し込む。市区町村の認定は保証や融資を確約するものではなく、その後に信用保証協会と金融機関の審査がある。認定申請と並行して取引金融機関に希望額、資金使途、必要な融資資料を相談しておくと手戻りを減らせる。

認定書の有効期間は認定日から30日間で、その期間内に金融機関または信用保証協会へ保証を申し込む必要がある。

SECTION 04

セーフティネット保証5号の確認方法と活用タイミング

セーフティネット保証5号は、中小企業庁が四半期ごとに指定する「業況悪化業種」に属する企業を対象とする。指定業種に含まれるかどうかは日本標準産業分類コードで判断するため、自社の業種コードを確認することが最初のステップだ。指定業種に含まれれば、売上減少の幅が4号(20%以上)より緩やか(最近3ヶ月で5%以上の売上減少)でも申請できる利点がある

保証割合は借入債務の80%で、残る20%は金融機関側がリスクを負う(責任共有)。なお4号と5号の別枠は共通(最大2億8,000万円)で、両方に認定されても枠が二重に増えるわけではない。

申請先・手順は4号と同様で市区町村役場から始める。業種指定の更新は四半期ごとに行われるため、指定を外れる前に申請を完了させることが重要だ。

SECTION 05

危機関連保証:リーマン級の危機で発動する第3の別枠

セーフティネット保証とは別に、2018年4月に創設された「危機関連保証」という制度もある。リーマン・ショックや東日本大震災と同程度に全国的・急速な信用収縮が生じた場合に国が発動を認定するもので、全国・全業種を対象に、一般保証(2億8,000万円)ともセーフティネット保証(2億8,000万円)とも別の第3の枠(2億8,000万円)で、借入債務の100%を保証する。

対象要件は、最近1ヶ月の売上高が前年同月比15%以上減少し、その後2ヶ月を含む3ヶ月間も15%以上の減少が見込まれることだ。新型コロナ禍で初めて発動された実績がある。

平時に使える制度ではないが、「危機時には保証枠が最大でどこまで広がり得るか」を知っておくと、非常時の資金調達余力を見積もる材料になる。

SOURCES

この記事で参照した根拠

  1. 01

    セーフティネット保証4号の売上減少要件

    出典: 中小企業庁「セーフティネット保証制度(4号)」 https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/sefu_net_4gou.html

  2. 02

    保証割合

    出典: 中小企業庁「セーフティネット保証4号・5号の概要」 https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/2024/240308_4gou.pdfhttps://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/2022/220819_5gou_01.pdf

  3. 03

    セーフティネット保証の別枠限度額

    出典: 中小企業庁「セーフティネット保証制度」 https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/sefu_net_gaiyou.html

  4. 04

    認定書の有効期間

    出典: 中小企業庁「セーフティネット保証4号の指定期間延長」 https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/2024/240308_4gou.html

  5. 05

    認定から融資申込みまでの2段階

    出典: 中小企業庁「セーフティネット保証制度」 https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/sefu_net_gaiyou.html

  6. 06

    認定申請の必要書類

    出典: 中小企業庁「SNポータル事業者向けリーフレット」 https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/download/sn-portal_leaflet_jigyousha.pdf / 横浜市「4号認定」 https://www.city.yokohama.lg.jp/business/kigyoshien/yushiseido/nintei/safety-4gou.html / 大阪市「セーフティネット保証5号の認定申請」 https://www.city.osaka.lg.jp/keizaisenryaku/page/0000503431.html

  7. 07

    危機関連保証

    出典: 中小企業庁「信用補完制度の見直し」 https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/shikinguri/hokan/index.html

数値・制度は変更される場合があります。確認方法と訂正方針は 運営・編集方針をご覧ください。

FAQ

よくある質問

Qセーフティネット保証と一般保証は同時に使えますか?
A

使える。一般保証(無担保8,000万円)と別枠のセーフティネット保証(同8,000万円)は別々にカウントされるため、合計で最大1億6,000万円の無担保保証枠を活用できる点が最大の利点だ。

Q認定を受けるために必要な書類は何ですか?
A

必要書類は自治体、認定号、申請類型で異なる。自治体の案内例では、認定申請書と売上高計算書に加え、月別試算表・法人事業概況説明書・売上台帳など数値の根拠資料、登記事項証明書や確定申告書など事業実態を示す書類が挙げられている。必ず申請先自治体の最新の書類一覧で確認してください。

Qセーフティネット保証を使うと信用情報に悪影響がありますか?
A

信用保証協会付き融資として記録されるが、セーフティネット保証そのものが信用情報にマイナス評価されるわけではない。適切に返済を継続している限り信用履歴はむしろ良好な方向に働く。

Qコロナ融資の返済が残っている状態でも申請できますか?
A

既存のコロナ融資残高がある場合でも新規申請は可能だ。ただし既存借入の返済状況が良好であることが前提となり、総借入残高と返済能力のバランスが審査で考慮される。

Q申請から融資実行まで何日かかりますか?
A

全国一律の日数は示されていない。市区町村の受付方法・交付日程、書類の不備の有無、信用保証協会と金融機関の審査によって変わる。認定申請前に市区町村と金融機関の両方へ確認し、認定後は30日間の有効期間内に保証を申し込んでください。

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