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プロパー融資と信用保証付き融資の違いガイド|使い分けと審査

公開: 2026-06-08

プロパー融資は銀行が保証協会の保証を付けず自前リスクで貸す融資で、保証料が不要な代わりに審査が厳しく実績が要る。信用保証付き融資は保証料がかかるが借りやすい。創業期は保証付きから始め、実績を積んでプロパーへ移行するのが基本だ。

ポイント

この記事のポイント

責任共有制度の負担割合

原則、信用保証協会80%・金融機関20%(部分保証方式/負担金方式のいずれかを金融機関が選択)

出典: 名古屋市信用保証協会 責任共有制度

責任共有制度の導入時期

平成19年(2007年)10月から導入

出典: 中小企業庁 信用補完制度/各信用保証協会

保証付き融資の限度額

無担保8,000万円・担保を含めて2億8,000万円(一般保証枠)。プロパー融資には制度上の限度額がない

出典: J-Net21(中小企業基盤整備機構)プロパー融資と保証協会付き融資の違い

プロパー融資と信用保証付き融資は「誰がリスクを負うか」が違う

プロパー融資は、銀行が信用保証協会の保証を付けず、自前の責任で企業に直接貸し出す融資だ。貸し倒れが起きれば損失は全額銀行が被るため、審査は銀行が単独で厳格に行う。一方の信用保証付き融資は、信用保証協会が「企業が返済できなくなったら代わりに弁済する」保証を付ける。銀行のリスクが下がるぶん、担保や業歴が不足する企業でも借りやすくなる。プロパー融資は保証料が不要で限度額の制約もないが、その分だけ審査のハードルが高い。両者は対立する選択肢ではなく、企業の成長段階に応じて使い分け・併用するものだと理解しておきたい。

プロパー融資と信用保証付き融資の比較

項目プロパー融資信用保証付き融資
リスクを負う主体銀行が単独で負う保証協会と銀行で分担(責任共有制度)
審査の主体銀行のみ銀行+信用保証協会の二重審査
審査の厳しさ厳しい(実績・財務が問われる)プロパーより通りやすい
コスト利息のみ(保証料は不要)利息+保証料
限度額制度上の上限なし無担保8,000万円/担保含め2億8,000万円
向いている企業業歴があり財務が安定した企業創業期・担保不足・業歴が浅い企業

責任共有制度:保証付き融資でも銀行は20%のリスクを負っている

「保証付き融資なら銀行はノーリスク」と誤解されがちだが、現在はそうではない。平成19年(2007年)10月から導入された責任共有制度により、原則として信用保証協会が80%、金融機関が20%の割合で責任を共有する。方式は「部分保証方式(貸付額の80%を協会が保証)」と「負担金方式(保証は100%だが代位弁済の実績に応じて金融機関が負担金を支払う)」の二つがあり、どちらを採るかは金融機関が選ぶ。結果としてどちらでも金融機関が実質20%の責任を負う。ただしセーフティネット保証(経営安定関連)・創業関連・小口零細企業・危機関連などの保証は責任共有制度の対象外で、引き続き100%保証が残る。銀行が2割のリスクを負う以上、保証付きでも財務内容は見られる点は押さえておきたい。

成長段階に応じた使い分け:保証付きから始めてプロパーへ移行する

創業から間もない時期は実績が乏しく、銀行が単独でリスクを取るプロパー融資は通りにくい。この段階では保証付き融資で資金を確保しつつ、銀行との取引実績を積むのが定石だ。決算書・試算表を定期的に提出し、約定どおり返済を続けることで、銀行は「保証協会を通さなくても返済が見込める先」と評価するようになる。一般に取引開始から数年・複数回の返済実績が一つの目安とされ、決算が良かった直後や成長投資前の資金調達がプロパー打診の好機になる。保証付き融資には限度額があるため、資金需要が枠に近づく企業ほどプロパーへの移行メリットが大きい。

保証付きとプロパーは併用するのが実務的

プロパー融資が出るようになっても、保証付き融資をやめる必要はない。保証付きの限度額(無担保8,000万円・担保含め2億8,000万円)はプロパー枠とは別に使えるため、両方を組み合わせれば調達余力を広げられる。設備投資など大口はプロパー、運転資金の一部は保証付き、というように資金使途で配分する企業も多い。プロパーに一本化するより、両者を併用して銀行との取引の幅を持たせるほうが資金繰りは安定しやすい。

FAQ

よくある質問

Qプロパー融資のほうが金利は低いのですか?
A

一般にはプロパー融資のほうが低めとされるが、金利は企業の財務内容・取引状況・市場環境で個別に決まるため一概には言えない。プロパーは保証料が不要なぶん、保証料込みの総コストでは保証付きより有利になりやすい。具体的な利率は取引銀行の担当者に確認が必要だ。

Q創業したばかりでもプロパー融資は受けられますか?
A

難しいのが実情だ。プロパー融資は銀行が単独でリスクを負うため、実績や財務が乏しい創業期の企業は審査が通りにくい。創業期は日本政策金融公庫の創業融資や信用保証付き融資で資金を確保し、取引実績を積んでからプロパーを目指すのが現実的だ。

Qプロパー融資に限度額はありますか?
A

信用保証付き融資のような制度上の一律の限度額はない。事業規模や必要資金に応じて柔軟に対応できるのがプロパーの利点だ。ただし上限がないだけで、企業の返済能力・財務内容に見合った範囲でしか実行されない点は変わらない。

Q保証付き融資でも銀行の審査は厳しいのですか?
A

責任共有制度により銀行も原則20%のリスクを負うため、財務内容は審査される。プロパーよりは通りやすいが、税金・社会保険料の滞納や著しい経営悪化があると保証協会・銀行いずれの段階でも否決されることがある。「保証付きだから誰でも通る」わけではない。

Qプロパーと保証付きはどちらか一方を選ぶ必要がありますか?
A

選ぶ必要はなく、併用が一般的だ。保証付きの限度額はプロパー枠とは別に使えるため、大口の設備投資はプロパー、運転資金は保証付きというように使途で配分できる。両方を持つことで調達余力が広がり、資金繰りが安定しやすくなる。

Qプロパー融資へ移行するタイミングの目安は?
A

取引開始から数年が経過し、決算書・試算表を継続して提出し、約定どおりの返済実績を積み上げていることが一つの目安だ。決算が良かった直後や、保証付きの限度額に資金需要が近づいたタイミングが、銀行にプロパーを打診する好機になる。

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