静岡県の制度融資完全ガイド:経済変動対策貸付と米国関税対応枠の使い分け
公開: 2026-06-06
静岡県の制度融資の主力は「経済変動対策貸付」です。標準枠は1企業1組合5,000万円・利率年1.5〜1.6%、米国関税の影響を受けた事業者向けの「米国関税対応枠」は限度額8,000万円・利率年1.60%と条件が異なります。本記事では両枠の限度額・利率・対象要件を静岡県公式の数値で整理し、自社がどちらを使うべきかを明確にします。
この記事のポイント
経済変動対策貸付(標準枠)の限度額・利率・期間
融資限度額は1企業1組合5,000万円(設備・運転の合計)。利率は固定金利で年1.5%(経営安定関連保証2号・4号等)または年1.6%(普通保証・5号・7号等)。融資期間10年以内(据置 設備3年以内・運転2年以内)
出典: 静岡県「中小企業向け制度融資(経済変動対策貸付)」(pref.shizuoka.jp/sangyoshigoto/kigyoshien/seidoyushi/1003428/1028456.html)
米国関税対応枠の限度額・利率・期間
正式名称「経済変動対策貸付(米国関税対応枠)」。融資限度額8,000万円、融資利率年1.60%(固定)、融資期間10年以内(据置 設備3年以内・運転2年以内)。保証料率は普通保証0.28〜1.20%・セーフティネット保証5号0.58%、利子補給率0.47%
出典: 静岡県「中小企業向け制度融資(経済変動対策貸付)(米国関税措置の影響による場合)」(pref.shizuoka.jp/sangyoshigoto/kigyoshien/seidoyushi/1003428/1073102.html)
米国関税対応枠の対象要件(売上高減少率)
直近1か月の売上高が前年同月比5%以上減少し、かつ今後2か月間を含めた3か月間の売上高も前年同月比5%以上減少することが見込まれる中小企業者が対象
出典: 静岡県「中小企業向け制度融資(経済変動対策貸付)(米国関税措置の影響による場合)」(pref.shizuoka.jp/sangyoshigoto/kigyoshien/seidoyushi/1003428/1073102.html)
制度の運営主体と保証
静岡県・静岡県信用保証協会・取扱金融機関の連携で運営。経済変動対策貸付は静岡県信用保証協会の保証付きで、利子の一部を県が補助する
出典: 静岡県「中小企業向け制度融資(経済変動対策貸付)」(pref.shizuoka.jp/sangyoshigoto/kigyoshien/seidoyushi/1003428/1028456.html)
取扱金融機関の例
静岡銀行・スルガ銀行・清水銀行・静岡中央銀行などの地方銀行、浜松いわた信用金庫・静清信用金庫などの信用金庫、商工組合中央金庫、みずほ銀行・三菱UFJ銀行・三井住友銀行などの都市銀行が取扱金融機関一覧表に掲載されている
出典: 静岡県「取扱金融機関一覧表」(pref.shizuoka.jp/sangyoshigoto/kigyoshien/seidoyushi/1003424/1028434.html)
静岡県制度融資の仕組みと経済変動対策貸付の位置づけ
静岡県の中小企業向け制度融資は、県が制度を設計し、静岡県信用保証協会が信用保証を付け、取扱金融機関が融資を実行する形で運営される公的融資です。県内中小企業が低利・固定・長期で資金調達できるよう設計されており、利子の一部を県が補助します。その中核メニューが「経済変動対策貸付」で、景気変動や原材料・エネルギー価格の高騰、取引先の倒産、災害などで経営の安定に支障が生じた事業者の資金繰りを支えます。経済変動対策貸付には、標準的な枠のほか、中東情勢の変化や米国関税措置の影響など、その時々の経済情勢に応じた複数の対応枠が設けられているのが特徴です。申込みは取扱金融機関の融資担当窓口で相談し、所定の様式で申し込んだうえで、金融機関と静岡県信用保証協会の審査を経て融資が実行されます。取扱金融機関には静岡銀行・スルガ銀行・清水銀行・静岡中央銀行などの地方銀行、浜松いわた信用金庫・静清信用金庫などの信用金庫、商工組合中央金庫が含まれ、取引のある金融機関が取扱機関であればその口座を活かせます。
経済変動対策貸付(標準枠)の限度額・利率・融資期間
経済変動対策貸付の標準枠は、1企業1組合あたり5,000万円が融資限度額で、これは設備資金と運転資金の合計です。融資利率は固定金利で、適用される保証の種類によって年1.5%または年1.6%に分かれます。経営安定関連保証2号・4号、東日本大震災復興緊急保証、危機関連保証の場合は年1.5%、普通保証や経営安定関連保証5号・7号の場合は年1.6%が基準です。融資期間は10年以内で、据置期間は設備資金で3年以内、運転資金で2年以内が設定できます。償還方法は元金均等月賦償還または元利均等月賦償還です。静岡県信用保証協会の保証付きとなるため、別途、保証の種類に応じた信用保証料が必要になります。どの保証区分に該当するか(普通保証か、セーフティネット保証のいずれの号数か)で利率と保証料率が変わるため、自社が市区町村のセーフティネット保証認定の対象になるかを、認定窓口で先に確認しておくことが利率を抑える鍵になります。
静岡県・経済変動対策貸付の標準枠と米国関税対応枠の主な条件(静岡県公式より)
| 項目 | 経済変動対策貸付(標準枠) | 経済変動対策貸付(米国関税対応枠) |
|---|---|---|
| 融資限度額 | 1企業1組合5,000万円(設備・運転の合計) | 8,000万円 |
| 融資利率(固定) | 年1.5%(経営安定関連保証2号・4号等)/年1.6%(普通保証・5号・7号等) | 年1.60% |
| 融資期間 | 10年以内 | 10年以内 |
| 据置期間 | 設備3年以内/運転2年以内 | 設備3年以内/運転2年以内 |
| 保証 | 静岡県信用保証協会の保証付き(保証料は保証種類による) | 普通保証0.28〜1.20%・セーフティネット保証5号0.58% |
米国関税対応枠の対象要件と条件:影響を受けた事業者向け
米国の関税措置の影響で売上が落ち込んだ事業者向けに、静岡県は「経済変動対策貸付(米国関税対応枠)」を設けています。正式名称は「中小企業向け制度融資(経済変動対策貸付)(米国関税対応枠)」で、標準枠とは限度額・利率・要件が異なる独立した枠です。対象となるのは、直近1か月の売上高が前年同月比で5%以上減少し、かつ今後2か月間を含めた3か月間の売上高も前年同月比で5%以上減少することが見込まれる中小企業者です。融資限度額は8,000万円で標準枠より大きく、融資利率は年1.60%の固定金利、融資期間は10年以内(据置は設備3年以内・運転2年以内)です。保証料率は普通保証で年0.28〜1.20%、セーフティネット保証5号の場合は年0.58%が適用され、県による利子補給率は0.47%とされています。米国の関税の影響で売上が前年割れしている事業者は、まず売上高の減少が要件(直近1か月かつ3か月見込みでそれぞれ5%以上減少)に該当するかを確認したうえで、この枠を検討するのが基本です。
標準枠と米国関税対応枠のどちらを選ぶか
同じ経済変動対策貸付でも、標準枠と米国関税対応枠は性質が異なります。標準枠は景気変動・価格高騰・取引先倒産・災害など幅広い経営安定要因に対応し、限度額は5,000万円、利率は保証区分により年1.5%または年1.6%です。一方、米国関税対応枠は米国の関税措置による売上減少という特定の事由が対象で、限度額が8,000万円と大きく、利率は年1.60%に統一されています。米国の関税で売上が前年同月比5%以上減少している事業者は、限度額の大きい米国関税対応枠が選択肢になりますが、要件に該当しない場合や、より幅広い経営安定要因で借りたい場合は標準枠を使うことになります。どちらの枠が自社の状況と資金需要に合うかは、売上減少の事由と必要額、適用される保証区分を踏まえて取扱金融機関と相談して判断します。
申込時に揃える書類と手続き
米国関税対応枠を申し込む際は、取扱金融機関の融資担当窓口に相談したうえで、申込書(様式第1号)、売上減少状況等を示す報告書(売上減少状況等報告書、様式第3号-3)、資金使途明細表(様式第5号)などを申込窓口に提出します。売上高の減少率が要件を満たすことを裏付ける必要があるため、直近および前年同月の売上が分かる月次の試算表・売上台帳を準備しておくとスムーズです。標準枠も含め、申込みは金融機関の窓口を起点とし、金融機関と静岡県信用保証協会の審査を経て融資が実行されるため、認定や審査に要する日数を見込んでスケジュールを組むことが重要です。
取扱金融機関を起点にした申込の流れと最新値の確認
静岡県の制度融資は、取扱金融機関を起点に手続きを進めるのが基本です。まず取引のある銀行・信用金庫の融資担当に「静岡県の経済変動対策貸付を使いたい」と伝え、自社の売上状況や資金使途を伝えます。金融機関が融資を、静岡県信用保証協会が保証を審査し、両者の審査を通過すると融資が実行される三者連携の仕組みです。取扱金融機関には静岡銀行・スルガ銀行・清水銀行・静岡中央銀行などの地方銀行のほか、浜松いわた信用金庫・静清信用金庫・しずおか焼津信用金庫などの信用金庫、商工組合中央金庫、みずほ銀行・三菱UFJ銀行・三井住友銀行などの都市銀行も含まれます。県内に本店を置く静岡銀行は静岡県信用保証協会と連携した制度融資の取扱実績が豊富で、地域の産業事情に通じた担当が対応します。なお、本記事の限度額・利率・要件は静岡県および静岡県信用保証協会が公表している現行の内容に基づいていますが、制度融資の利率・保証料率・対応枠の取扱いは経済情勢に応じて見直されることがあります。申込前には必ず静岡県の最新の融資のしおり・要綱、または取扱金融機関・静岡県信用保証協会で最新の条件を確認してください。制度融資の基本構造や他地域との比較は<a href="/guide/local-loan-program-guide">自治体制度融資の完全ガイド</a>を参照してください。
よくある質問
Q静岡県の経済変動対策貸付(標準枠)の限度額と利率はいくらですか?▼
融資限度額は1企業1組合5,000万円(設備資金と運転資金の合計)です。利率は固定金利で、経営安定関連保証2号・4号や危機関連保証などの場合は年1.5%、普通保証や経営安定関連保証5号・7号の場合は年1.6%が基準です。融資期間は10年以内で、据置期間は設備3年以内・運転2年以内です。
Q米国関税対応枠とは何ですか?標準枠と何が違いますか?▼
「経済変動対策貸付(米国関税対応枠)」は、米国の関税措置の影響で売上が減少した事業者向けの枠です。融資限度額は8,000万円と標準枠(5,000万円)より大きく、利率は年1.60%の固定金利に統一されています。対象事由が米国関税による売上減少に限られる点が標準枠と異なります。
Q米国関税対応枠を使える対象要件を教えてください。▼
直近1か月の売上高が前年同月比で5%以上減少し、かつ今後2か月間を含めた3か月間の売上高も前年同月比で5%以上減少することが見込まれる中小企業者が対象です。売上減少を裏付ける月次試算表や売上台帳を準備し、要件に該当するかを取扱金融機関で確認したうえで申し込みます。
Q経済変動対策貸付はどこに申し込めばよいですか?▼
まず取扱金融機関の融資担当窓口に相談し、所定の様式で申し込みます。米国関税対応枠の場合は申込書(様式第1号)・売上減少状況等報告書(様式第3号-3)・資金使途明細表(様式第5号)などを提出します。金融機関と静岡県信用保証協会の審査を経て融資が実行される三者連携の仕組みです。
Q静岡県の制度融資の取扱金融機関にはどこがありますか?▼
静岡銀行・スルガ銀行・清水銀行・静岡中央銀行などの地方銀行、浜松いわた信用金庫・静清信用金庫・しずおか焼津信用金庫などの信用金庫、商工組合中央金庫、みずほ銀行・三菱UFJ銀行・三井住友銀行などの都市銀行が取扱金融機関一覧表に掲載されています。取引のある金融機関が取扱機関なら、その口座を活かして申し込めます。
Q利率や限度額は今後変わる可能性がありますか?▼
制度融資の利率・保証料率・対応枠の取扱いは経済情勢に応じて見直されることがあります。本記事の数値は静岡県および静岡県信用保証協会が公表している現行の内容に基づきますが、申込前には必ず静岡県の最新の融資のしおり・要綱、または取扱金融機関・静岡県信用保証協会で最新の条件を確認してください。
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