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新事業進出・ものづくり補助金(統合制度)の活用ガイド

公開: 2026-05-22

2026年度以降、新事業進出補助金とものづくり補助金が「新事業進出・ものづくり補助金(仮称)」として一本化される。新事業進出補助金は2026年6月19日締切の第4回が現行制度の最終公募で、統合後はグローバル枠上限7,000万円(大幅賃上げで9,000万円)など補助上限引き上げや申請枠再編が予定されている。引き継ぎ事項と新機能、銀行融資の組み立てを整理する。

ポイント

この記事のポイント

統合後の制度名と公募開始時期

「新事業進出・ものづくり補助金」(仮称)として2026年度に統合。新事業進出補助金第4回公募(2026年6月19日締切)終了後、統合後の新制度公募は2026年夏〜秋以降開始見込み

出典: 補助金ポータル「2026年度は新事業進出補助金とものづくり補助金が統合!」(hojyokin-portal.jp/columns/shinjigyo_monodukuri)、中小企業庁 補助金公募情報

新事業進出補助金 第4回(最終)公募スケジュール

公募期間:令和8年3月27日(金)〜令和8年6月19日(金)18:00/申請受付開始:令和8年5月19日(火)/採択結果発表:令和8年9月末頃/補助事業実施期間:交付決定日から14か月以内(採択発表日から16か月以内)

出典: 中小企業基盤整備機構「中小企業新事業進出補助金 第4回公募スケジュール」(shinjigyou-shinshutsu.smrj.go.jp/schedule)

統合後の主な申請枠と補助上限(公表ベース)

革新的新製品・サービス開発枠:従業員規模に応じ750万円〜最大7,000万円(大幅賃上げ時 最大9,000万円)/グローバル枠:750万円〜最大7,000万円(大幅賃上げ時 最大9,000万円。旧制度比で最大3,000万円→7,000万円へ大幅引き上げ)/新事業進出枠(建物費含む可能性)

出典: 補助金ポータル統合制度詳細解説、KOKコンサルティング「2026年度の補助金はどうなる?新事業進出補助金とものづくり補助金が統合」(kok-consulting.com/6891)

統合後の予算規模と採択予定件数

令和8年度末までに公募3回程度、各回採択予定合計約6,000件規模/予算規模は約2,960億円

出典: プロコン補助金.com「【2026年】ものづくり補助金と新規事業進出補助金が統合|申請枠毎の採択に向けたポイント」(procon-hojyokin.com/mono_sinjigyo_togo/)

2026年現行ものづくり補助金(第23次公募)

申請受付期間:2026年2月6日〜5月8日/補助上限額 最大4,000万円(賃上げ特例考慮)/収益納付要件なし

出典: ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 総合サイト(portal.monodukuri-hojo.jp)、iCOM技研「2026年ものづくり補助金実施決定|22次公募の変更点」

統合の全体像:2制度を「新事業進出・ものづくり補助金」へ一本化

2026年度以降、これまで別々に運営されてきた「新事業進出補助金(中小企業新事業進出促進補助金)」と「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(通称:ものづくり補助金)」が、「新事業進出・ものづくり補助金(仮称)」として統合される。背景には、中堅・中小企業政策の重心を「コロナ禍からの救済型」から「成長・賃上げ・グローバル展開支援型」へ移すという政府方針があり、要件が緩い救済型枠(旧事業再構築補助金のコロナ回復加速化枠・最低賃金枠相当)は2026年に廃止されたうえで再編される。統合後の制度は申請枠を「革新的新製品・サービス開発枠(旧ものづくり補助金の高付加価値類型相当)」「新事業進出枠(旧新事業進出補助金の新市場・高付加価値事業進出相当)」「グローバル枠」などに分けて整理する設計が公表ベースで示されている。令和8年度末までの公募3回程度・採択合計約6,000件・予算規模約2,960億円の大型枠組みとなり、両制度を別々に運営してきた申請者・支援機関にとっても、ワンストップで申請枠を選ぶ形に変わる点が最大の変更点だ。

統合前後の制度概要比較(公表ベース)

項目旧 新事業進出補助金旧 ものづくり補助金統合後(新事業進出・ものづくり補助金)
位置づけ新市場・高付加価値事業進出革新的サービス開発・試作品開発進出・開発・グローバルを統合した申請枠
補助上限の代表値従業員規模に応じて数百万〜数千万円一般型 750万〜1,250万円(特例で最大4,000万円)750万〜7,000万円(大幅賃上げ時 最大9,000万円)
グローバル枠上限最大3,000万円(2025年特例で4,000万円)最大7,000万円(大幅賃上げで9,000万円)
公募体制中小企業基盤整備機構が運営全国中央会・ものづくり補助金事務局統合事務局・jGrants申請を想定
対応する事業フェーズ既存事業と異なる新分野進出既存事業の生産性向上・革新的開発進出・開発・海外展開を一体で支援

引き継ぎ事項:旧2制度の何が新制度に残り、何が変わるか

統合後も旧2制度の中核機能は概ね引き継がれる見込みで、①革新的な製品・サービス開発支援(旧ものづくり補助金の中心機能)②既存事業と異なる新市場・高付加価値事業への進出支援(旧新事業進出補助金の中心機能)③グローバル展開支援(旧ものづくり補助金のグローバル枠を大幅拡張)の3軸が申請枠として整理される。一方で、変更点として明確なのは「グローバル枠の補助上限の大幅引き上げ(最大3,000万円→7,000万円、大幅賃上げで9,000万円)」「新事業進出枠で建物費が補助対象に含まれる可能性」「賃上げ要件・収益納付・付加価値額要件など審査基準の再整理」だ。旧ものづくり補助金で導入されていた最低賃金引き上げ特例や賃上げ加点の仕組みは引き継がれる見込みだが、要件レベルや加点幅は新公募要領で再設定される。重要なのは、旧新事業進出補助金で採択された事業者が継続中の補助事業については旧制度のスキームで完遂する点で、統合は新規申請から適用される。第4回(2026年6月19日締切)に応募する事業者は旧制度の最後の利用者となり、不採択時は統合後の新制度(2026年夏〜秋公募見込み)に申請枠を選び直して再挑戦する流れになる。

審査の重点が「賃上げ・革新性・グローバル」に集約される

統合後の審査基準は、旧2制度で別々に評価されていた「事業の革新性・実現可能性」「新市場進出性」「賃上げ計画」「グローバル展開可能性」を一本の枠で評価する設計に変わる見込みだ。とくにグローバル枠の上限が7,000万円(大幅賃上げで9,000万円)まで引き上げられた背景には、海外売上比率を高める中堅・中小企業を国策として後押しする意図がある。賃上げ要件は補助金額の規模に応じて段階的に設定され、達成できない場合は補助金返還リスクが発生する設計が想定される。

第4回最終公募と統合後新制度の選択判断:どちらに申請するか

2026年5月〜7月に申請計画を検討する事業者は「第4回(旧新事業進出補助金)に間に合わせるか、統合後の新制度を待つか」の判断に直面する。判断軸は3点ある。第1に「公募開始時期の確実性」だ。第4回は公募要領が既に公開済み(令和8年3月27日公開)で、申請受付は令和8年5月19日〜6月19日と確定している。一方、統合後新制度は2026年夏〜秋公募見込みで、公募要領公開時期と詳細要件は2026年5月時点では未確定だ。確実に2026年内に交付決定を取りたいなら第4回が安全側だ。第2に「申請枠・補助上限」の観点だ。グローバル展開や大規模投資を伴うなら、統合後のグローバル枠(最大7,000万円、大幅賃上げで9,000万円)の方が大幅に有利になる。旧新事業進出補助金の補助上限を超える事業計画の場合、統合後の新制度を待つ判断が合理的だ。第3に「申請準備期間の長さ」だ。第4回は締切まで1か月程度しかなく、事業計画書の精度を上げる時間が限られる。統合後新制度は要件公開から公募開始まで2〜3か月の準備期間を取れる見通しで、計画完成度を高めたい事業者には統合後の方が向く。新事業進出補助金は採択率がここ数公募で20〜40%程度と推移しており、不採択時の再挑戦コストも考慮した選択が必要だ。

第4回最終公募 vs 統合後新制度 比較

判断軸第4回(旧新事業進出補助金)統合後新制度
公募確実性公募要領公開済・締切確定2026年夏〜秋公募見込・要件未確定
補助上限従業員規模に応じ数百万〜数千万円最大7,000万円(大幅賃上げで9,000万円)
申請準備期間1〜2か月程度(短期集中)2〜3か月程度(要件公開後)
交付決定時期令和8年9月末頃発表2026年末〜2027年初頭見込
不採択時再挑戦統合後新制度に申請可能次回公募までの待機時間

銀行融資との組み合わせ:補助金は精算払い、つなぎ融資の設計が肝

新事業進出・ものづくり補助金は、旧2制度と同様に「補助事業完了後の精算払い」が原則だ。設備購入・工事支払い・人件費は事業者が一度全額立て替え、実績報告・補助金確定通知を経てから補助金が入金される。投資額の3分の2は自己負担、補助率1/2の枠でも事業実行時点では総額全額のキャッシュアウトが発生するため、銀行融資との組み合わせ設計が事業推進の生命線になる。実務上の標準的な組み立ては①メインバンク(地銀・信金)の設備資金長期借入で自己負担分を調達②補助金交付までのつなぎ融資を短期借入で別途組成③日本政策金融公庫の「企業活力強化貸付」「新規開業・スタートアップ支援資金」などの政策金融を併用、の3層構造だ。とくに統合後の新制度ではグローバル枠の補助上限が最大9,000万円まで拡大するため、補助対象経費が大きい案件では「補助金交付前のつなぎ融資9,000万円規模」を組成できる金融機関を事前にリストアップしておく必要がある。商工中金・日本政策金融公庫(中小企業事業)は、補助金交付決定通知を裏付けとしたつなぎ融資メニューを持ち、メインバンクから断られた場合の次の相談先として機能する。補助金申請段階で「採択された場合の資金繰り計画書」を金融機関に提示し、つなぎ融資・自己負担分長期借入の事前内諾を取っておくことが、補助金活用の成否を分ける。

補助金活用と融資審査の関係

銀行は補助金活用案件を「自己資金の代わりに補助金が入る前提の事業計画」として審査する。補助金未採択時のフォールバック計画(自己資金や別枠融資での補完計画)を事業計画書に併記しておくと、銀行側の審査心証が上がる。逆に「補助金が取れなかったら事業を縮小・延期する」という前提で計画を組むと、補助金交付前に投資の意思決定ができない状態となり、銀行融資も組成しにくくなる。補助金は「あれば加速」、融資は「補助金の有無に関わらず実行可能な部分」の役割分担で計画を組むのが定石だ。

FAQ

よくある質問

Q新事業進出・ものづくり補助金はいつから公募が始まりますか?
A

統合後の新制度の公募開始時期は2026年夏〜秋以降の見込みで、現時点(2026年5月)では正式な公募要領は未公開だ。新事業進出補助金第4回(2026年6月19日締切)が現行制度の最終公募で、その終了後に統合後の新制度の公募要領が公開されるスケジュールが想定されている。最新情報は中小企業庁・中小企業基盤整備機構の公式サイトで確認する必要がある。

Q旧新事業進出補助金と旧ものづくり補助金、どちらの機能が引き継がれますか?
A

両制度の中核機能は引き継がれる見込みで、申請枠として①革新的新製品・サービス開発枠(旧ものづくり補助金相当)②新事業進出枠(旧新事業進出補助金相当)③グローバル枠(旧ものづくり補助金のグローバル枠を大幅拡張)の3軸が整理される。グローバル枠の補助上限は旧制度比で最大3,000万円→7,000万円(大幅賃上げで9,000万円)に大幅引き上げが公表ベースで示されている。

Q統合後の補助上限額はいくらですか?
A

公表ベースでは、革新的新製品・サービス開発枠とグローバル枠で従業員規模に応じて750万円〜最大7,000万円、大幅賃上げ達成時には最大9,000万円とされている。旧ものづくり補助金一般型(750万〜1,250万円)と比較すると大幅に拡大しており、とくにグローバル展開を計画する中堅・中小企業の活用余地が広がる。詳細な補助率・対象経費区分は新公募要領で確定する。

Q第4回新事業進出補助金が不採択だった場合、統合後新制度に再挑戦できますか?
A

可能だ。第4回(2026年6月19日締切)で不採択となった事業者は、統合後の新事業進出・ものづくり補助金(2026年夏〜秋公募見込み)に申請枠を選び直して再挑戦できる。ただし統合後は審査基準・要件が再整理されるため、旧制度の事業計画書をそのまま流用するのではなく、新公募要領の評価軸(賃上げ・革新性・グローバル展開可能性)に沿った再構成が必要になる。

Q補助金と銀行融資はどのように組み合わせればよいですか?
A

補助事業完了後の精算払いが原則のため、投資実行時点では総額全額のキャッシュアウトが発生する。標準的な組み立ては①メインバンクの設備資金長期借入で自己負担分を調達②補助金交付までのつなぎ融資を短期借入で別途組成③日本政策金融公庫・商工中金の政策金融を併用、の3層構造だ。補助金申請段階で金融機関に資金繰り計画書を提示し、つなぎ融資・長期借入の事前内諾を取っておくことが重要になる。

Q統合後はjGrants(Jグランツ)から申請するのですか?
A

統合後の申請手続きは、中小企業向け補助金電子申請システム「jGrants(Jグランツ)」を用いる設計が想定されている。jGrants申請にはGビズIDプライムアカウントが必須で、取得に数週間かかるため、申請を検討する事業者は公募開始前にGビズIDの取得を完了させておく必要がある。GビズIDは法人代表者の印鑑証明書等の書類提出が必要なため、早めの準備が望ましい。

Q旧ものづくり補助金の第23次公募はどうなりますか?
A

2026年5月時点で、ものづくり補助金第23次公募(申請受付期間:2026年2月6日〜5月8日)が進行中で、現行制度の枠組みで採択・補助事業実施まで完遂する。旧制度の継続中の補助事業については旧スキームで運営され、統合は新規公募分(2026年夏〜秋以降)から適用される。第23次採択事業者は補助事業終了まで旧制度の事務手続きに従う。

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