第1回公募要領では、「革新的新製品・サービス枠」「新事業進出枠」「グローバル枠」の3枠が正式に定められました。枠選びの基準は投資額の大きさだけではありません。
自社にとって新しい製品・サービスか、新しい顧客市場へ進出するか、新しい海外市場向けの国内輸出体制を強化するかで対象が分かれます。対象事業、補助率、上限額、対象経費の違いを比較します。
この記事で先に確認すること
- 第1回の申請枠
- 革新的新製品・サービス枠、新事業進出枠、グローバル枠の3枠
- 出典: 中小企業基盤整備機構「第1回 公募要領」 https://shinjigyou-monodukuri.smrj.go.jp/assets/documents/shinmono_application_guidelines_01.pdf
- 革新的新製品・サービス枠
- 上限750万〜2,500万円(賃上げ特例850万〜3,500万円)、補助率は中小企業1/2、小規模・再生事業者2/3
- 出典: 中小企業基盤整備機構「第1回 公募要領」 https://shinjigyou-monodukuri.smrj.go.jp/assets/documents/shinmono_application_guidelines_01.pdf
- 新事業進出枠
- 上限2,500万〜7,000万円(賃上げ特例3,000万〜9,000万円)、補助率1/2。地域別最低賃金引上げ特例で2/3
- 出典: 中小企業基盤整備機構「第1回 公募要領」 https://shinjigyou-monodukuri.smrj.go.jp/assets/documents/shinmono_application_guidelines_01.pdf
- グローバル枠
- 上限2,500万〜7,000万円(賃上げ特例3,000万〜9,000万円)、補助率2/3。新たな海外市場向けの国内輸出体制強化が対象
- 出典: 中小企業基盤整備機構「第1回 公募要領」 https://shinjigyou-monodukuri.smrj.go.jp/assets/documents/shinmono_application_guidelines_01.pdf
- 第1回申請締切
- 申請受付2026年8月31日、締切9月30日18:00、採択発表12月頃予定
- 出典: 中小企業基盤整備機構「第1回 公募スケジュール」 https://shinjigyou-monodukuri.smrj.go.jp/schedule
SECTION 01
3枠の全体像:新製品開発・新市場進出・輸出体制で分かれる
「革新的新製品・サービス枠」は、自社の技術力等を生かして顧客へ新しい価値を提供する製品・サービスの開発が対象です。単なる機械やシステムの導入、既存製品の生産プロセス改善だけでは対象になりません。
「新事業進出枠」は、自社にとって新しい製品・サービスを、新しいニーズや属性を持つ顧客市場へ提供する事業が対象です。単なる生産量の増加、過去製品の再開、商圏だけの変更、既存顧客へのメニュー追加は要件に合わない例として示されています。
「グローバル枠」は、自社製品を使って新しい海外販路を自発的に開拓するための、国内製造等拠点の強化が対象です。海外直接投資全般やインバウンド対応を広く支援する枠ではなく、輸出に向けた国内体制強化という定義に沿う必要があります。
第1回公募要領による3枠比較
| 項目 | 革新的新製品・サービス枠 | 新事業進出枠 | グローバル枠 |
|---|---|---|---|
| 対象事業 | 革新的な新製品・新サービス開発 | 自社に新しい製品等で新しい顧客市場へ進出 | 新しい海外市場向けの国内輸出体制強化 |
| 補助上限 | 750万〜2,500万円(特例850万〜3,500万円) | 2,500万〜7,000万円(特例3,000万〜9,000万円) | 2,500万〜7,000万円(特例3,000万〜9,000万円) |
| 補助下限 | 100万円 | 750万円 | 750万円 |
| 補助率 | 中小1/2、小規模・再生2/3 | 中小1/2 | 中小2/3 |
| 建物費 | 対象外 | 対象 | 対象 |
| 実施期間 | 交付決定から10か月以内 | 交付決定から14か月以内 | 交付決定から14か月以内 |
SECTION 02
自社に合う枠の選び方:事業の新しさを順番に判定する
最初に、販売先が国内か海外かを確認します。新しい海外市場へ自社主導で輸出するために国内製造等拠点を強化するなら、グローバル枠を検討します。既存の海外取引先から受注した設備を入れるだけの取組は、自発的な販路開拓と認められない可能性があります。
国内向けなら、製品・サービスと顧客市場の両方が自社にとって新しいかを確認します。両方が新しければ新事業進出枠の候補です。
顧客市場は既存事業と同じでも、新たな価値を持つ革新的な製品・サービスを開発するなら革新的新製品・サービス枠を検討します。単なる省力化や既存工程の更新だけなら、この3枠のどれにも合わない場合があります。
枠の趣旨を満たした後で、従業員数別の上限、補助下限、対象経費を確認します。補助率や上限が高いことを理由に、実態と異なる枠へ寄せるのは避けます。
建物費が必要なら新事業進出枠かグローバル枠を確認
第1回公募要領では、建物費は新事業進出枠とグローバル枠の対象経費に含まれ、革新的新製品・サービス枠には含まれません。ただし、建物費を使いたいから枠を選ぶのではなく、まず対象事業の定義を満たす必要があります。新事業進出枠とグローバル枠では、機械装置・システム構築費または建物費のいずれかを補助対象経費に含める必要があります。
SECTION 03
共通要件と特例:上限額だけでなく返還条件まで比較する
どの枠でも、補助事業終了後3〜5年の事業計画において、付加価値額の年平均成長率+4.0%以上、1人当たり給与支給総額の年平均成長率+3.5%以上、事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上とする基本要件があります。給与支給総額や最低賃金の目標未達では、条件に応じて補助金返還が必要になる場合があります。
賃上げ特例は補助上限を引き上げますが、1人当たり給与支給総額を年平均+6.0%以上、事業場内最低賃金を地域別最低賃金+50円以上とする追加要件があります。特例による上限引上げ分は、要件未達時に返還対象となります。上限額の増加だけを見ず、売上・利益・人員計画で賃上げを継続できるかを先に試算します。
第1回の申請日程、必要書類、金融機関確認書、交付決定前発注の注意は第1回公募の申請日程と資金計画で確認できます。
補助率と立替額は別に計算する
補助率1/2なら半額、2/3なら3分の2が最初から値引きされるわけではありません。公式の手続きは、交付決定後に事業を実施し、実績報告と額の確定を経て精算払を請求する順です。事業期間中に必要な支払総額、自己負担分、補助金入金までの立替額を月別に分け、必要に応じて金融機関へ確認書の作成と資金提供を相談します。
SOURCES
この記事で参照した根拠
- 01
第1回の申請枠
出典: 中小企業基盤整備機構「第1回 公募要領」 https://shinjigyou-monodukuri.smrj.go.jp/assets/documents/shinmono_application_guidelines_01.pdf
- 02
革新的新製品・サービス枠
出典: 中小企業基盤整備機構「第1回 公募要領」 https://shinjigyou-monodukuri.smrj.go.jp/assets/documents/shinmono_application_guidelines_01.pdf
- 03
新事業進出枠
出典: 中小企業基盤整備機構「第1回 公募要領」 https://shinjigyou-monodukuri.smrj.go.jp/assets/documents/shinmono_application_guidelines_01.pdf
- 04
グローバル枠
出典: 中小企業基盤整備機構「第1回 公募要領」 https://shinjigyou-monodukuri.smrj.go.jp/assets/documents/shinmono_application_guidelines_01.pdf
- 05
第1回申請締切
出典: 中小企業基盤整備機構「第1回 公募スケジュール」 https://shinjigyou-monodukuri.smrj.go.jp/schedule
数値・制度は変更される場合があります。確認方法と訂正方針は 運営・編集方針をご覧ください。
FAQ
よくある質問
Q統合後の新事業進出・ものづくり補助金は何枠ありますか?▼
正式名称は「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」で、第1回公募要領では「革新的新製品・サービス枠」「新事業進出枠」「グローバル枠」の3枠です。枠の定義、補助率、上限額はすでに公式公募要領で確定しています。
Q革新的新製品・サービス枠と新事業進出枠はどう違いますか?▼
革新的新製品・サービス枠は、顧客へ新しい価値を提供する革新的な製品・サービス開発が対象です。新事業進出枠は、自社にとって新しい製品・サービスと、自社にとって新しい顧客市場の両方が必要です。新事業進出枠は建物費を含められますが、革新的新製品・サービス枠では建物費は対象外です。
Qグローバル枠を選ぶべきなのはどんな場合ですか?▼
自社製品を使って新しい海外販路を自発的に開拓し、そのために国内の製造等拠点を強化する場合です。単に海外要素がある、インバウンド需要を取り込む、海外へ設備投資するというだけでは公式定義と一致しません。取引先主導の事業も自発的な取組とは認められないとされています。
Q複数の枠の対象に当てはまりそうな場合はどう選びますか?▼
まず海外輸出のための国内体制強化かを確認し、次に製品・サービスと顧客市場の両方が自社にとって新しいかを確認します。該当しなければ、革新的な新製品・新サービス開発かを確認します。対象事業の定義を満たした後で、補助下限・上限・対象経費を比較してください。
Q補助上限額が「特例時」に増えるのはどういう条件ですか?▼
賃上げ特例では、基本要件に加えて1人当たり給与支給総額を年平均+6.0%以上、事業場内最低賃金を地域別最低賃金+50円以上とする計画が必要です。未達の場合は、特例による補助上限引上げ分の返還を求められます。
Q枠を決めたら補助金だけで投資をまかなえますか?▼
まかなえません。補助対象外経費と補助率に応じた自己負担があり、補助金は実績報告と額の確定後に精算払請求を行います。
事業期間中の支払資金を先に確保する必要があります。金融機関から資金提供を受ける場合は、申請時に金融機関による確認書も必要です。
Q統合後の補助金はいつから申請できますか?▼
第1回は2026年8月31日に申請受付が始まり、9月30日18時が締切です。採択発表は12月頃の予定です。GビズIDプライムと一般事業主行動計画の公表には時間がかかるため、受付開始前から準備してください。
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