事業承継・M&A補助金 第15次公募:小規模売り手支援類型を解説
公開: 2026-06-06
事業承継・M&A補助金15次公募は2026年5月22日に公募要領が公表され、専門家活用枠に「小規模売り手支援類型」が新設された。補助率2/3・補助上限450万円で、従業員数の少ない小規模事業者の譲渡側を対象とする。申請受付は2026年6月19日〜7月24日。15次の枠構成と14次公募との違い、M&A費用の先払いを支える融資の組み立てを整理する。
この記事のポイント
15次公募の公募要領公表日と申請受付期間
公募要領公表:2026年5月22日/申請受付:2026年6月19日(金)〜2026年7月24日(金)17:00
出典: 中小企業庁「事業承継・M&A補助金」(十五次公募)公募要領の公表(chusho.meti.go.jp/koukai/hojyokin/kobo/2026/260522001.html、2026年5月22日公表)/事業承継・M&A補助金 公式サイト 15次公募(shoukei-mahojokin.go.jp/r7h/)
専門家活用枠の3類型(15次公募)
買い手支援類型(Ⅰ型)/売り手支援類型(Ⅱ型)/小規模売り手支援類型(15次公募で新設)
出典: 事業承継・M&A補助金 公式サイト 15次公募 専門家活用 よくある質問(shoukei-mahojokin.go.jp/r7h/15-experts_faq/)
小規模売り手支援類型の補助率・補助上限
補助率2/3、補助上限450万円。補助事業期間内にクロージング(経営資源の引継ぎ)が実現しなかった場合は補助上限50万円以内に変更。廃業・再チャレンジ枠と併用申請する場合の上限は150万円
出典: 事業承継・M&A補助金 公式サイト 15次公募 専門家活用 よくある質問(shoukei-mahojokin.go.jp/r7h/15-experts_faq/)
小規模売り手支援類型の対象となる小規模事業者の定義
製造業その他:従業員20人以下の会社及び個人事業主/商業・サービス業:従業員5人以下の会社及び個人事業主
出典: 事業承継・M&A補助金 公式サイト 15次公募 専門家活用 よくある質問(shoukei-mahojokin.go.jp/r7h/15-experts_faq/)
小規模売り手支援類型の主な補助対象経費
FA・M&A仲介業者等の専門家への手数料を中心に、デュー・ディリジェンス費用、システム利用料(M&Aマッチングプラットフォーム利用料等)などの専門家関連費用。詳細な対象経費区分は公募要領本体で定められる
出典: 事業承継・M&A補助金 公式サイト 15次公募 専門家活用 よくある質問(shoukei-mahojokin.go.jp/r7h/15-experts_faq/)/詳細区分は中小企業庁(十五次公募)公募要領(chusho.meti.go.jp/koukai/hojyokin/kobo/2026/260522001.html)
15次公募の位置づけ:14次公募との違いと新設類型
事業承継・M&A補助金は中小企業庁が所管する中小企業生産性革命推進事業の一環で、令和7年度補正予算を財源とする補助金だ。14次公募(申請受付2026年2月27日〜4月3日)に続く15次公募は、公募要領が2026年5月22日に公表され、申請受付は2026年6月19日(金)〜7月24日(金)17:00と確定している。最大の変更点は、専門家活用枠に「小規模売り手支援類型」が新設されたことだ。これは14次公募までの売り手支援類型(Ⅱ型)とは別の新しい類型で、従業員数の少ない小規模事業者の譲渡側に絞って手厚く支援する立て付けになっている。後継者不在で第三者承継を検討する小規模事業者が、仲介手数料を理由にM&A交渉から離脱しないよう、専門家費用の補助率と使い勝手を改善するのが狙いだ。本記事は前回回の制度を扱う/guide/ma-subsidy-14th-2026とは別公募回として、15次公募で新設された小規模売り手支援類型に的を絞って整理する。
14次公募と15次公募の主な違い(売り手側の視点)
| 項目 | 14次公募 | 15次公募 |
|---|---|---|
| 申請受付期間 | 2026年2月27日〜4月3日(締切済) | 2026年6月19日〜7月24日 |
| 公募要領公表 | 2026年1月30日 | 2026年5月22日 |
| 売り手向けの新類型 | 売り手支援類型(Ⅱ型)まで | 小規模売り手支援類型を新設 |
| 小規模事業者の譲渡 | 売り手支援類型で対応 | 小規模売り手支援類型を選択可 |
小規模売り手支援類型:補助率・補助上限・対象事業者
15次公募で新設された小規模売り手支援類型は、補助率2/3・補助上限450万円で、専門家活用枠の中でも小規模事業者の譲渡側に特化した類型だ。対象となる小規模事業者は、製造業その他は従業員20人以下の会社及び個人事業主、商業・サービス業は従業員5人以下の会社及び個人事業主と定義されている。補助上限450万円はM&Aが成立した場合の標準的な上限で、補助事業期間内にクロージング(経営資源の引継ぎ)が実現しなかった場合は補助上限が50万円以内に変更される点に注意が必要だ。また、M&Aに伴い既存事業の一部廃業等を検討する場合は廃業・再チャレンジ枠との併用申請が可能で、その場合の小規模売り手支援類型の上限は150万円となる。補助対象経費はFA・M&A仲介業者等の専門家への手数料を中心に、デュー・ディリジェンス費用やシステム利用料(M&Aマッチングプラットフォーム利用料等)などの専門家関連費用で、詳細な経費区分は公募要領本体で定められる。委託先は原則として中小企業庁のM&A支援機関登録制度に登録された専門家が前提となるため、依頼先の登録状況を申請前に確認しておきたい。
小規模売り手支援類型の補助上限(状況別)
| 状況 | 補助率 | 補助上限 |
|---|---|---|
| M&A成立(標準) | 2/3 | 450万円 |
| クロージング未実現(M&A不成立) | 2/3 | 50万円以内 |
| 廃業・再チャレンジ枠と併用申請 | 2/3 | 150万円 |
どの類型を選ぶか:専門家活用枠3類型の整理
15次公募の専門家活用枠は買い手支援類型(Ⅰ型)・売り手支援類型(Ⅱ型)・小規模売り手支援類型の3類型で構成される。買い手支援類型は経営資源を譲り受ける(引き継ぐ)予定の中小企業が対象、売り手支援類型は経営資源を譲り渡す(手放す)予定の中小企業が対象だ。小規模売り手支援類型は売り手のうち従業員数の少ない小規模事業者(製造業その他20人以下・商業・サービス業5人以下)に該当する譲渡側が選べる類型で、補助率2/3が適用される。したがって譲渡を検討する事業者は、自社が小規模事業者の定義に当てはまるかをまず確認し、当てはまる場合は小規模売り手支援類型を、規模が大きい場合は売り手支援類型を検討する流れになる。14次公募で売り手側が使えたのは売り手支援類型のみで、小規模売り手支援類型は15次公募以降の申請が前提となる点を取り違えないようにしたい。なお同じ専門家活用枠でも、各類型の補助率・補助上限・対象経費の細目は公募要領で定められているため、申請前に最新の公募要領本体を必ず確認する必要がある。
申請実務:精算払いと融資の組み合わせ
事業承継・M&A補助金は、採択・交付決定後に補助事業を開始し、補助事業終了後の実績報告で補助金額が確定する「精算払い」方式である点が他の中小企業庁系補助金と共通だ。つまり仲介手数料・FA報酬・デュー・ディリジェンス費用などは、まず事業者側が自己資金または融資で先に支払い、補助金は後から入金される。委託契約は原則として交付決定後の締結が求められるため、申請から交付決定までのスケジュールと、専門家への支払いタイミングのずれを資金繰り計画に織り込む必要がある。提出物は事業計画書・見積書・決算書などが基本セットで、GビズIDプライムの事前取得を前提とした電子申請で進む。GビズIDプライムの取得には数週間かかることがあるため、2026年6月19日の受付開始前に準備を済ませておきたい。資金面では、日本政策金融公庫(/bank/jfc)の事業承継関連資金や、商工組合中央金庫(/bank/shoko-chukin)・メインバンクのM&A関連融資と組み合わせ、補助金が入金されるまでの先払い分を手当てするのが実務上の標準形だ。M&Aの買い手側で資金調達を検討する場合は/loan-purpose/m-and-aも参照するとよい。
補助金を前提にしない資金計画を併記する
小規模売り手支援類型はクロージングが実現しなかった場合に補助上限が50万円以内へ下がる設計のため、補助金の満額交付を前提に専門家費用を組むのはリスクが残る。M&Aが不成立に終わった場合や採択されなかった場合に備え、自己資金や融資で専門家費用を負担できるフォールバック計画を申請段階で用意しておくと、資金繰りが破綻しにくい。銀行に資金繰り計画書を提示する際も、補助金は「成立すれば負担を軽くするもの」、融資は「補助金の有無に関わらず実行可能な部分」として役割を分けて説明すると、審査の心証が安定しやすい。
よくある質問
Q小規模売り手支援類型はいつから申請できますか?▼
事業承継・M&A補助金15次公募の申請受付期間は2026年6月19日(金)〜2026年7月24日(金)17:00で、小規模売り手支援類型もこの期間内に申請する。公募要領は2026年5月22日に中小企業庁から公表されており、最新の日程・要件は中小企業庁および事業承継・M&A補助金公式サイト(shoukei-mahojokin.go.jp/r7h/)で確認できる。
Q小規模売り手支援類型の補助率と補助上限はいくらですか?▼
補助率は2/3、補助上限は450万円だ。ただし補助事業期間内にクロージング(経営資源の引継ぎ)が実現しなかった場合は補助上限が50万円以内に変更され、廃業・再チャレンジ枠と併用申請する場合の上限は150万円となる。いずれの場合も補助率は2/3が適用される。
Q小規模売り手支援類型の対象となる小規模事業者の定義は何ですか?▼
製造業その他は従業員20人以下の会社および個人事業主、商業・サービス業は従業員5人以下の会社および個人事業主が対象とされている。自社がこの定義に当てはまるかをまず確認し、当てはまる場合は小規模売り手支援類型を、規模が大きい場合は売り手支援類型(Ⅱ型)を検討する流れになる。
Q14次公募の売り手支援類型と15次公募の小規模売り手支援類型は何が違いますか?▼
小規模売り手支援類型は14次公募までの売り手支援類型(Ⅱ型)とは別の、15次公募で新設された類型だ。従業員数の少ない小規模事業者の譲渡側に絞って補助率2/3・補助上限450万円で支援する。14次公募で売り手側が使えたのは売り手支援類型のみで、小規模売り手支援類型は15次公募以降の申請が前提となる。14次公募の枠構成は/guide/ma-subsidy-14th-2026で整理している。
Q小規模売り手支援類型ではどんな費用が補助対象になりますか?▼
FA・M&A仲介業者等の専門家への手数料を中心に、デュー・ディリジェンス費用やシステム利用料(M&Aマッチングプラットフォーム利用料等)などの専門家関連費用が補助対象となる。詳細な経費区分は公募要領本体で定められ、委託先は原則としてM&A支援機関登録制度に登録された専門家が前提となる。
Q補助金が入金されるまでの専門家費用はどう手当てしますか?▼
事業承継・M&A補助金は精算払いのため、仲介手数料やデュー・ディリジェンス費用は事業者側が先に支払い、補助金は後から交付される。日本政策金融公庫(/bank/jfc)の事業承継関連資金や、商工組合中央金庫(/bank/shoko-chukin)・メインバンクのM&A関連融資と組み合わせ、先払い分を手当てするのが実務上の標準形だ。クロージング未実現時は補助上限が下がるため、補助金に依存しない資金計画の併記も重要になる。
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