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代表者の信用情報と事業融資の関係ガイド|延滞・ローンの影響

公開: 2026-06-08

法人融資でも、銀行は申込時の同意書で代表者個人の信用情報を必ず照会する。クレジットカードの長期延滞や債務整理歴は審査でマイナスに働くが、事故情報には保有期間があり、開示請求で自分の状態を把握したうえで正攻法で備えることが最短ルートだ。

ポイント

この記事のポイント

異動情報の保有期間(CIC)

クレジット情報は契約終了後5年以内。異動(延滞・保証履行・破産等)はクレジット情報に含まれ同じく契約終了後5年以内

出典: 指定信用情報機関 CIC「CICが保有する信用情報」

官報情報(破産等)の登録期間(KSC)

取引情報(延滞含む)は契約終了後5年以内、官報情報(破産・民事再生手続開始決定等)は当該決定日から7年以内

出典: 一般社団法人 全国銀行協会 全国銀行個人信用情報センター(KSC)「登録情報・登録期間」

異動情報に該当する延滞の基準(CIC)

約定返済日より61日以上または3ヶ月以上の支払遅延が「異動」として登録される

出典: 指定信用情報機関 CIC「信用情報開示報告書の見方」

開示請求の手数料の目安

CICはネット開示500円・郵送1,500円、JICC・KSCはオンライン1,000円程度

出典: CIC・JICC・全国銀行協会(KSC)各公式サイトの開示手続案内

事業融資で代表者個人の信用情報はどこまで見られるか

事業資金の融資であっても、銀行や日本政策金融公庫は申込書類に含まれる同意書(個人信用情報の照会に関する同意書)に基づいて代表者個人の信用情報を照会する。法人名義の融資でも、実質的に経営を担う代表者の信用状態が返済の確実性に直結するためだ。とくに創業期は法人としての取引実績がないため、代表者個人の信用情報が判断材料として大きな比重を占める。クレジットカードやカードローンの長期延滞、過去の債務整理・自己破産といった記録があると、審査でマイナスに働く。一方で、信用保証協会自体が代表者個人の信用情報を常に調査するわけではなく、初めて同協会を利用する際などに確認されるのが一般的とされる。いずれにせよ「法人だから個人の信用は関係ない」という理解は誤りで、代表者の信用は事業融資の前提条件として扱われる。

銀行・公庫・信用保証協会で見られ方が違う

同じ事業融資でも、誰が代表者の信用情報を見るかは経路によって異なる。民間銀行は同意書をとって代表者個人の信用情報を照会するのが通例で、保証協会付き融資でも銀行側の照会は行われる。日本政策金融公庫の創業融資では、個人信用情報の照会に関する同意書を提出させたうえでCIC等に照会するため、公共料金・税金・ローン・クレジットカードの延滞や返済不能は審査通過の可能性を下げる。信用保証協会については、初回利用時などに代表者個人の信用情報が確認されることがあるとされる。自社がどの経路で資金調達するかにより、どの信用情報が見られるかが変わる点をおさえておきたい。

信用情報機関(CIC・JICC・KSC)の役割と開示請求

日本には業態ごとに3つの指定信用情報機関がある。CICは主にクレジット会社・信販会社が、JICCは主に貸金業者(消費者金融等)が、KSC(全国銀行個人信用情報センター/全国銀行協会)は主に銀行・信用金庫等が加盟する。事業融資の審査では、銀行系のKSCに加え、代表者個人のクレジット利用を記録するCICが参照されることが多い。自分の信用情報は本人が開示請求で確認でき、CICはネット開示が手数料500円(郵送は1,500円)、JICC・KSCはオンラインで1,000円程度が目安だ。融資を申し込む前に3機関すべてに開示請求しておけば、自分の信用情報に延滞や異動が残っていないかを事前に把握でき、審査で不意に否決されるリスクを減らせる。記載に身に覚えのない誤りがあれば、登録元会社や信用情報機関へ訂正を申し立てる手続きもある。

3つの信用情報機関の概要(公式サイトの開示案内より)

機関主な加盟業態記録される主な情報開示手数料の目安
CICクレジット会社・信販会社クレジットカード・割賦の契約・支払状況・異動ネット500円/郵送1,500円
JICC消費者金融・貸金業者貸付の契約・返済状況・延滞等オンライン1,000円程度
KSC(全国銀行協会)銀行・信用金庫等銀行融資・カードローンの取引情報・官報情報オンライン1,000円程度

延滞・債務整理歴がある場合の正攻法での対応

信用情報に異動(延滞・保証履行・破産等)が登録されている場合、登録された事実そのものを消す方法は存在しない。事実である記録は訂正・削除できず、定められた保有期間の経過によって自動的に抹消される仕組みだからだ。CICではクレジット情報(異動を含む)が契約終了後5年以内、KSCでは取引情報(延滞含む)が契約終了後5年以内・官報情報(破産等)が決定日から7年以内、JICCでも延滞等の取引事実情報は契約継続中および契約終了後5年以内(契約日2019年10月1日以降の場合)が登録期間とされる。延滞が登録されている場合は、まず延滞分を完済して延滞状態を解消することが前提になる。保有期間中に何度も申し込みを繰り返すと申込情報が積み上がり、かえって審査に不利になりうる。正攻法は、記録が抹消される時期を開示請求で確認しつつ、その間に自己資金を積み上げ、事業計画と返済原資(当期純利益+減価償却費など)で返済の確実性を具体的に示せる状態を作ることだ。

「消す方法」「裏技」に頼らない

「信用情報を消す」「ブラックでも必ず借りられる」といった手法をうたう情報には注意が必要だ。事実として登録された異動情報は保有期間が経過するまで残り、正規の手続きで消すことはできない。短期間に複数の金融機関へ申し込みを重ねる、実態と異なる情報で申し込むといった行為は、申込情報の蓄積や信頼の毀損につながり逆効果になりやすい。代表者個人の信用に不安がある場合でも、自己資金の蓄積・事業分野での経験・説得力のある事業計画によって信頼を積み上げる余地はある。時間はかかるが、保有期間の経過を待ちながら財務と計画を整えることが、結果的に最も確実な道になる。

FAQ

よくある質問

Q法人の融資審査でも代表者個人の信用情報は見られますか?
A

はい。銀行や日本政策金融公庫は申込時の同意書に基づいて代表者個人の信用情報を照会します。法人名義でも実質的に経営を担う代表者の信用が返済の確実性に直結するため、「法人だから個人の信用は無関係」という理解は誤りです。

Q信用情報の「異動」とは何を指しますか?
A

異動はいわゆる事故情報で、CICでは約定返済日より61日以上または3ヶ月以上の支払遅延、保証会社による代位弁済、破産手続開始の決定などが該当します。登録されると審査で大きなマイナス材料になります。

Q延滞や破産の記録はいつ消えますか?
A

CICではクレジット情報(異動含む)が契約終了後5年以内、KSCでは取引情報が契約終了後5年以内・官報情報(破産等)が決定日から7年以内、JICCでも取引事実情報は契約継続中および契約終了後5年以内(契約日2019年10月1日以降)とされ、保有期間の経過で自動抹消されます。

Q自分の信用情報はどうやって確認できますか?
A

CIC・JICC・KSCの3機関それぞれに本人が開示請求できます。手数料はCICのネット開示が500円(郵送1,500円)、JICC・KSCはオンラインで1,000円程度が目安です。融資申込前に3機関すべて確認しておくと、不意の否決を避けやすくなります。

Q信用情報を消す方法や裏技はありますか?
A

ありません。事実として登録された異動情報は訂正・削除できず、定められた保有期間の経過によってのみ抹消されます。「必ず消せる」「ブラックでも確実に借りられる」とうたう手法は実態と異なり、申込情報の蓄積などでかえって不利になる場合があります。

Q代表者に延滞歴があると事業融資は一切受けられませんか?
A

審査は不利になりますが、まず延滞を完済して状態を解消することが前提です。保有期間の経過を待ちつつ、自己資金の蓄積・事業分野での経験・説得力のある事業計画で返済の確実性を示すことで、信頼を積み上げる余地は残ります。

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