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社用車・商用車の購入資金ガイド|融資とカーリースの比較

公開: 2026-06-08

社用車・商用車を導入する資金は、融資で購入するか、カーリースで月額定額にするかで性質が大きく変わる。融資なら車両は自社資産になって減価償却し、リースなら所有権はリース会社で支払リース料を費用計上する。長く乗る基幹車両は融資、入れ替え前提や管理を任せたい車両はリースが向きやすい。車両は設備資金として公庫・銀行でも組める。

ポイント

この記事のポイント

車両は設備資金の対象

機械や車両の購入は設備資金として融資の対象になり、申込時に車の見積書等の資料を添付する

出典: 日本政策金融公庫(公式)/創業融資ガイド「設備資金とは」

新規開業・スタートアップ支援資金の設備資金返済期間

融資限度額7,200万円、設備資金は20年以内(うち据置期間5年以内)、運転資金は10年以内

出典: 日本政策金融公庫 新規開業・スタートアップ支援資金(公式)

普通自動車(社用車)の法定耐用年数

一般事業用の普通自動車は6年。運送業など事業区分によって扱いが異なる場合がある

出典: 国税庁 確定申告書等作成コーナー「耐用年数(車両・運搬具)」

社用車の調達手段:融資(購入)・カーリース・残価設定

社用車・商用車を導入する手段は大きく分けて、融資を受けて購入する、カーリースで月額定額にする、残価設定型のクレジット・リースを使う、の3つだ。融資で購入した車両は自社の固定資産になり、法定耐用年数に応じて減価償却し、借入金は負債として返済していく。一方カーリースは、リース会社が車両を購入して自社に貸し出す形をとるため所有権はリース会社にあり、利用者は毎月のリース料を支払う。中小企業がリースを賃貸借処理する場合、このリース料を費用として計上でき、減価償却の計算が不要になる分、経理処理がシンプルになる。残価設定型は、契約満了時の車両の想定下取り価格(残価)をあらかじめ差し引いて月々の負担を抑える方式で、満了時に車両を返却・買い取り・再リースのいずれかを選ぶ。どれを選ぶかは、車両を何年使うか・走行距離・管理の手間をどこまで自社で負うかで変わる。

社用車の調達手段の比較

項目融資(購入)カーリース
所有権自社(自社資産になる)リース会社
初期負担頭金・登録費用・諸費用が発生しやすい原則として多額の初期費用が不要
会計・税務減価償却+支払利息を費用化支払リース料を費用化(中小企業の賃貸借処理)
税金・保険の手続き自動車税・保険を自社で個別に支払う税金・保険料がリース料に含まれる契約が多い
中途解約可能(売却・処分も自由)原則不可(違約金・未経過リース料が発生)
走行距離自由契約で上限が設定されることがある

融資で購入するメリット:自社資産・減価償却・走行距離の自由

融資で社用車を購入する最大の利点は、車両が自社資産になり使い方の自由度が高いことだ。走行距離の制限がなく、長距離を走る営業車や配送トラックでも追加精算を気にせず使える。契約満了で返却する必要がないため、使い続けても、不要になれば売却・処分しても自由だ。税務上は、車両を固定資産として計上し、普通自動車なら法定耐用年数6年に応じて減価償却費を計上する。借入の支払利息も損金になるため、「減価償却費+支払利息」が費用となる。資金調達手段としては、車両購入は設備資金にあたるため、カーローンより金利が低めの事業者向け融資(公庫・銀行)を使える点も実務上のメリットだ。ただし購入には頭金・登録費用・諸費用がまとまって必要になりやすく、自動車税・自賠責・任意保険の手続きや支払いを自社で個別に行う事務負担が発生する。償却資産としての管理や買い替え時の処分も自社の手間になる点は、リースとの差として押さえておきたい。

車両は設備資金として融資で組める

日本政策金融公庫では、機械や車両の購入は設備資金として融資の対象になる。社用車の購入資金として申し込む場合は、車の見積書等の資料を添付して資金使途を明確にする必要がある。たとえば新規開業・スタートアップ支援資金では、融資限度額7,200万円のうち設備資金の返済期間は20年以内(据置期間5年以内)が条件とされ、車両のような設備の取得に充てられる。民間銀行でも車両購入は設備資金として扱われ、見積書をもとに審査される。具体的な適用可否・上限・期間は制度や時期で変わるため、最新の条件は公庫の支店や取引銀行に確認するのが確実だ。

カーリースのメリットと残価設定の注意点

カーリースは、多額の初期費用なしに社用車を導入でき、毎月のリース料に支払いを平準化できる点が実務的な利点だ。自動車税・重量税・自賠責保険などがリース料に含まれる契約が多く、税金の納付や保険の手続きをリース会社に任せられるため、車両管理の事務負担を大きく減らせる。メンテナンスリースなら車検・整備の手配まで含められる。一方デメリットとして、契約には審査があり、走行距離に上限が設けられることがあり、契約満了時には返却するため使い方に制約が出る。ファイナンス・リースは原則として中途解約ができず、やむを得ず解約する場合は違約金や未経過リース料の支払いを求められる。また、リース料総額が購入金額を上回る料金になることもある。残価設定型リースは、契約満了時の想定下取り価格(残価)を差し引いて月額を抑える仕組みだが、残価を契約者に開示して満了時に精算するオープンエンド方式では、実際の査定額が想定残価を下回ると差額の精算を求められることがある。残価を開示せず精算を行わないクローズドエンド方式もあり、どちらの方式かで満了時のリスクが変わる。残価設定型は一般に賃貸借処理(オペレーティング・リース取引)となり、リース料を費用として計上でき資産計上や減価償却は不要とされるが、契約内容によって税務上の扱いが変わるため、自社の契約がどの処理になるかは顧問税理士に確認するのが確実だ。

使い分けの結論:使用年数・走行距離・管理の手間で選ぶ

社用車・商用車の調達は、車両をどう使うかで融資(購入)とリースを使い分けるのが基本だ。長く乗り続ける基幹車両や、長距離を走って走行距離の上限が問題になる営業車・配送トラックは、走行距離の制限がなく長く使うほどリース料総額より割安になりやすい融資(購入)が向く。とくに運送業のように車両が事業の中核で、台数が多く稼働率も高い場合は、自社資産として減価償却しながら使い倒せる購入の利点が出やすい。逆に、数年単位で入れ替えたい車両、台数が変動して管理の手間を抑えたい場合、車検・税金・保険の事務をまとめて外部に任せたい場合はリースが向く。手元資金を温存して運転資金など他の用途に回したいときも、初期負担の小さいリースが選択肢になる。残価設定は月額を抑えたい一方で満了時の残価精算リスクを負う方式なので、走行距離や使い方が読みにくい車両では慎重に検討したい。最終的には、車両の使用年数・走行距離・税負担・事務の手間と、自社の資金繰りを合わせて、金融機関・リース会社・顧問税理士に相談して判断するのが確実だ。

FAQ

よくある質問

Q社用車の購入は融資とカーリースのどちらが得ですか?
A

長く乗る基幹車両や走行距離が多い営業車・トラックは融資(購入)が向きやすく、数年で入れ替えたい・車両管理の手間を抑えたい場合はカーリースが向きやすい。融資は自社資産として減価償却でき走行距離も自由ですが、リースは初期負担が小さく税金・保険の手続きを任せられます。リース料総額が購入額を上回ることもあるため、使用年数で判断するのが基本です。

Q社用車の購入資金は設備資金として融資を受けられますか?
A

受けられます。機械や車両の購入は設備資金にあたり、日本政策金融公庫でも民間銀行でも融資の対象になります。申込時には車の見積書等の資料を添付し、資金使途を明確にする必要があります。カーローンより金利が低めの事業者向け融資を使える点が実務上のメリットです。

Qカーリースの月々の支払いは経費にできますか?
A

中小企業がリースを賃貸借処理する場合、支払リース料を費用として計上できます。減価償却の計算が不要で経理処理がシンプルになる点がメリットです。ただし契約内容や適用する会計基準によって税務上の扱いが変わる場合があるため、自社の契約がどの処理になるかは顧問税理士に確認するのが確実です。

Q残価設定型のリースで注意すべき点は何ですか?
A

残価設定は契約満了時の想定下取り価格(残価)を差し引いて月額を抑える仕組みですが、残価を開示して満了時に精算するオープンエンド方式では、実際の査定額が想定残価を下回ると差額の精算を求められることがあります。残価を開示せず精算しないクローズドエンド方式もあるため、どちらの方式かと満了時の扱いを契約前に確認してください。

Q営業車やトラックの減価償却は何年で行いますか?
A

一般事業用の普通自動車の法定耐用年数は6年です。取得価額に償却率を掛けて減価償却費を計上します。運送業など事業区分によって扱いが異なる場合があり、中古車は耐用年数の計算方法が変わります。リースで導入した場合は原則として減価償却の概念がなく、リース料を費用計上します。正確な処理は顧問税理士に確認してください。

Qカーリースは途中で解約できますか?
A

ファイナンス・リースは原則として中途解約ができません。やむを得ず解約する場合は違約金や未経過リース料の支払いを求められるのが一般的です。事業の縮小や車両の使い方が変わる可能性が高い場合は、解約条件を契約前に確認し、必要なら短期のレンタル等も含めて比較検討するのが現実的です。

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