信用保証協会は、担保や実績が不足する中小企業の「保証人」として銀行融資を可能にする公的機関だ。保証料が必要だが、これによって一般の銀行融資が利用できるようになる企業は多い。
この記事で先に確認すること
SECTION 01
信用保証協会の仕組み:銀行・保証協会・企業の三者関係
通常の銀行融資は、銀行が直接企業の信用力を審査して貸し出す。これに対し保証付き融資では、信用保証協会が「万が一返済できなくなった場合は協会が銀行に代わって弁済する」という保証を提供する。
銀行にとっては貸倒リスクが低下するため、担保・実績が不足する企業にも融資しやすくなる。企業は銀行に利息を、協会に保証料を支払う仕組みだ。
通常融資と保証付き融資の比較
| 項目 | 通常融資 | 保証付き融資 |
|---|---|---|
| 審査の厳しさ | 銀行が直接審査(厳格) | 保証協会の審査あり(やや通りやすい) |
| 担保の要否 | 担保が求められることが多い | 無担保での対応ケースが多い |
| コスト | 利息のみ | 利息+保証料(年0.45〜2.20%) |
| 向いている企業 | 財務健全・業歴ある中小企業 | 創業期・担保不足・業歴が浅い企業 |
SECTION 02
保証料の計算方法と節約のポイント
保証料は「融資金額 × 保証料率 × 保証期間(年)」で計算する。保証料率は企業の財務状況に応じて1〜9の区分に分類され、財務が健全なほど低い料率が適用される。
保証料率を下げるには①決算書の改善②前回の返済実績の積み上げが有効だ。また都道府県・市区町村によっては保証料の一部を補助する制度があるため、事前に自治体窓口に確認することを推奨する。
SECTION 03
セーフティネット保証とコロナ・災害時の特別対応
セーフティネット保証制度は、取引先の倒産・災害・感染症拡大などで経営が悪化した中小企業に対し、通常の保証枠とは別に追加融資保証を認める制度だ。中小企業庁が指定した認定条件を満たす企業は市区町村の認定を受けてから申込む。通常の保証枠(最大2億8,000万円)とは別枠で保証を受けられるため、既存の借入がある企業でも追加資金調達の選択肢になる。
SECTION 04
責任共有制度:保証付きでも銀行は2割のリスクを負う
2007年10月に導入された「責任共有制度」により、保証付き融資の貸倒れリスクは原則として信用保証協会が80%、金融機関が20%を負担する分担になっている(導入前は協会の100%保証)。負担のやり方には、貸付額の80%だけを保証する「部分保証方式」と、100%保証としつつ金融機関が事後に負担金を支払う「負担金方式」があり、金融機関がどちらかを選択する。
制度の目的は、金融機関と保証協会が責任を分担し、両者が連携して融資の実行だけでなく、その後の経営支援・再生支援まで関与することにある。この制度があるため、保証協会の保証が付いても銀行自身が貸倒れの2割を被る立場にあり、「保証協会の審査に通れば銀行の審査は形式的」とはならない。
銀行と保証協会の両方に対して、事業内容と返済計画を説明できる準備が必要になる。なお小口零細企業保証など、例外的に責任共有制度の対象外(協会100%保証)となる制度も残されている。
SECTION 05
保証申込と銀行融資の二つの確認を並行して進める
信用保証付き融資では、金融機関が融資を、信用保証協会が保証をそれぞれ確認します。保証承諾だけで融資実行が決まるわけではないため、相談先銀行から申込経路、必要資料、自治体制度融資を使う場合の追加手続きを確認してください。
資金使途、希望額、返済期間に加え、既存の保証付き融資残高と申込中案件も一覧にします。保証料率、金利、据置、代表者保証、繰上返済時の保証料返戻の扱いは制度と個社条件で異なります。
制度名だけで判断せず、融資期間全体の支払額と手続き日程を条件表で比較します。相談後は、金融機関と保証協会のどちらから追加資料を求められたかを分けて記録し、提出済み資料の版がずれないよう管理します。
SOURCES
この記事で参照した根拠
- 01
全国の信用保証協会数
出典: 全国信用保証協会連合会
- 02
保証料率の目安
- 03
セーフティネット保証
- 04
責任共有制度の負担割合
数値・制度は変更される場合があります。確認方法と訂正方針は 運営・編集方針をご覧ください。
FAQ
よくある質問
Q保証付き融資の申込先はどこですか?▼
取引銀行(地方銀行・信用金庫など)を通じて申込む。銀行が信用保証協会に保証を申請し、協会が審査・承諾した上で融資が実行される。直接協会に申込む「直接保証」も一部の協会で対応している。
Q保証料はいつ支払いますか?▼
融資実行時に一括で支払うケースが多い(前払い方式)。融資金から差し引かれる形で精算されることが一般的。分割払い方式を採用している協会もある。
Q保証協会の審査に落ちることはありますか?▼
ある。税金・社会保険料の滞納、債務超過、経営状況が著しく悪化している場合は保証を断られることがある。銀行審査より若干通りやすいが、信用情報・財務内容のチェックは行われる。
Q代位弁済が起きるとどうなりますか?▼
返済不能になった際に協会が銀行に代わって弁済することを「代位弁済」という。代位弁済が起きると、企業は今度は保証協会への返済義務を負う。信用情報にも記録されるため、その後の融資に大きく影響する。
Q既に保証付き融資がある状態で追加融資は申込めますか?▼
申込める。保証協会には保証限度額(一般枠2億8,000万円程度)があり、この範囲内であれば追加保証の申込が可能。セーフティネット保証は別枠なので、経営難の際は両方の活用を検討する。
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