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不動産仲介業の開業資金ガイド|営業保証金と使える融資

公開: 2026-06-08

不動産仲介業(宅地建物取引業)の開業では、宅建業免許とあわせて「営業保証金1,000万円の供託」か「保証協会に加入して分担金60万円を納める」かの二択が資金計画の分かれ目になる。これに事務所・人件費・広告費の運転資金が重なるため、どこを自己資金で・どこを融資で賄うかを先に整理することが重要だ。

ポイント

この記事のポイント

営業保証金(法務局へ供託)

主たる事務所1,000万円・従たる事務所ごと500万円

出典: 千葉県「宅地建物取引業に係る営業保証金等について」(都道府県知事免許所管庁の公式案内)

弁済業務保証金分担金(保証協会加入時)

主たる事務所60万円・従たる事務所ごと30万円

出典: 千葉県「宅地建物取引業に係る営業保証金等について」/全国宅地建物取引業保証協会の制度概要

宅建業免許の申請手数料

知事免許33,000円・大臣免許90,000円(保証金・分担金とは別途)

出典: 行政書士MSオフィス「宅建業を開業するのにいくらかかる」(国土交通省・都道府県の手数料に基づく解説)

公庫・新規開業資金の融資限度額

7,200万円(設備資金20年以内・運転資金10年以内、据置はいずれも5年以内)。事業開始後おおむね7年以内が対象

出典: 日本政策金融公庫「新規開業・スタートアップ支援資金」制度概要(公式)

宅建業免許には「営業保証金の供託」か「保証協会加入」の二択がある

不動産仲介業を始めるには宅地建物取引業(宅建業)の免許が必要で、免許を受けたあと事業を開始する前に、消費者保護のための金銭的な裏付けを用意しなければならない。方法は二択だ。一つは「営業保証金」を主たる事務所の最寄りの法務局(供託所)に供託する方法で、金額は主たる事務所1,000万円・従たる事務所ごと500万円と高額になる。もう一つは宅地建物取引業保証協会に加入し、「弁済業務保証金分担金」として主たる事務所60万円・従たる事務所ごと30万円を納める方法で、この場合は高額な営業保証金の供託が免除される。開業時の負担を抑える観点から、新規開業者の多くは保証協会加入を選ぶことになる。ただし保証協会には分担金とは別に入会金・年会費などが必要なため、加入にかかる総額は事前に各協会へ確認する。

営業保証金の供託と保証協会加入の比較(主たる事務所のみの場合)

方法必要な金銭納付先従たる事務所ごとの加算
営業保証金を供託1,000万円最寄りの法務局(供託所)500万円
保証協会に加入分担金60万円(+入会金等)宅地建物取引業保証協会分担金30万円

免許関連費用に重なる「事務所・人件費・広告費」の運転資金を見積もる

不動産仲介業の開業資金は、保証協会への分担金・入会金だけで完結しない。事務所の賃借(敷金・礼金・前家賃・内装・什器)、宅建業免許の申請手数料、法人設立費用、そして開業後しばらく売上が立つまでの運転資金が重なる。仲介業は成約してから仲介手数料が入るまでに時間差があり、開業初期は広告費や人件費が先に出ていくため、当面の固定費を賄う運転資金の確保が資金繰りの肝になる。具体的な金額は事務所の立地・規模・人員によって大きく変わるため、ここでは一律の相場を断定しない。自宅兼事務所で一人開業するのか、駅前にオフィスを構えて数名を雇うのかで必要額は大きく変わるので、自社の開業形態に即して費目ごとに見積もることが先決だ。

広告費・人件費は「先に出る固定費」として運転資金に組み込む

仲介業の集客はポータルサイトへの物件掲載料やチラシ・ウェブ広告に依存し、これらは成約の有無にかかわらず先に発生する。従業員を雇う場合の給与も毎月の固定費だ。成約までの時間差を考えると、開業時点で数ヶ月分の固定費を運転資金として手元に確保しておくことが、立ち上がり期の資金ショートを防ぐ。金額は人員規模・広告手法によって変わるため、対象とする広告媒体の料金と想定人件費を実額で積み上げて計画する。

公庫・銀行・制度融資をどう使い分けるか

創業期で決算実績がない不動産仲介業の資金調達は、日本政策金融公庫の新規開業・スタートアップ支援資金が中心的な選択肢になる。融資限度額は7,200万円で、設備資金は返済20年以内、運転資金は10年以内(据置はいずれも5年以内)、対象は事業開始後おおむね7年以内の事業者だ。保証協会への分担金や事務所の内装・什器は設備資金、当面の広告費・人件費・家賃は運転資金として申込に組み込む。あわせて、各都道府県・市区町村の制度融資(信用保証協会の保証付き融資)も創業枠を持つことが多く、地元の金融機関経由で低めの金利・保証料補助を受けられる場合がある。民間銀行のプロパー融資は実績の乏しい創業期には通りにくいため、まず公庫と制度融資を軸に組み、事業が回り始めてから取引銀行を広げる順序が現実的だ。

FAQ

よくある質問

Q営業保証金1,000万円を必ず用意しないと宅建業の免許で開業できませんか?
A

必須ではありません。宅地建物取引業保証協会に加入すれば、主たる事務所60万円・従たる事務所ごと30万円の弁済業務保証金分担金を納めることで、高額な営業保証金1,000万円の供託が免除されます。開業負担を抑えるため、新規開業者の多くは保証協会への加入を選びます。

Q保証協会に加入すれば分担金60万円だけで開業できますか?
A

分担金以外に入会金・年会費などの費用が別途かかるため、60万円だけでは足りません。加入にかかる総額は各保証協会によって異なるので、申込前に必ず公式情報で確認してください。あわせて事務所費・免許申請手数料・運転資金も必要です。

Q宅建業免許の申請手数料はいくらですか?
A

一つの都道府県内に事務所を置く知事免許で33,000円、複数の都道府県に事務所を置く大臣免許で90,000円です。これは営業保証金や保証協会の分担金とは別に必要な費用です。最新の金額は所管の都道府県または国土交通省の案内で確認してください。

Q創業直後で決算実績がなくても融資は受けられますか?
A

受けられる可能性があります。決算書がない創業期は、事業計画書の精度・代表者の業界経験・自己資金比率が審査の中心になります。日本政策金融公庫の新規開業・スタートアップ支援資金や、都道府県・市区町村の制度融資(信用保証協会の保証付き創業融資)が現実的な選択肢です。

Q開業資金のうち、どこまでを融資で賄えますか?
A

保証協会への分担金・入会金、事務所の内装・什器は設備資金、開業後しばらくの広告費・人件費・家賃は運転資金として融資に組み込めます。日本政策金融公庫の新規開業・スタートアップ支援資金は設備資金・運転資金の両方が対象です。自己資金と融資の配分は事業計画に基づいて設計します。

Q営業保証金や分担金の金額は変わることがありますか?
A

本ガイドの金額は所管庁・保証協会の公式情報に基づきますが、制度は改正される可能性があります。開業手続きを進める際は、必ず免許を所管する都道府県(または国土交通省)と、加入予定の保証協会の最新の公式情報で金額を確認してください。

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