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埼玉県の制度融資2026年度版:経営あんしん資金・経営安定資金・借換資金の使い方

公開: 2026-06-06

埼玉県の制度融資は、県・埼玉県信用保証協会・取扱金融機関・商工会議所の連携で県内中小企業の資金調達を支える仕組みです。令和8年度(2026年度)は長期プライムレートの上昇で融資利率が改定され、経営あんしん資金に経済変動特例を新設、起業家育成資金を開業後10年未満まで拡充、借換資金の回数制限を撤廃しました。本記事では主要メニューの限度額と金利を公式値で整理します。

ポイント

この記事のポイント

事業資金(一般貸付)の限度額・利率(令和8年度)

設備6,000万円・運転5,000万円(併用は合計6,000万円)。融資期間は設備10年以内・運転7年以内。固定金利で年1.8〜2.2%(融資期間により異なる)

出典: 埼玉県「令和8年度埼玉県中小企業制度融資の手引」事業資金(一般貸付)(pref.saitama.lg.jp/a0805/seidoyushi/)

小規模事業資金の限度額・利率(令和8年度)

限度額2,000万円(運転は最新決算期の平均月商3か月分が限度)。原則無担保・第三者保証人なし。固定金利で年1.7〜2.1%。対象は従業員20名以内(商業・サービス業等は5名以内)の小規模企業者

出典: 埼玉県「令和8年度埼玉県中小企業制度融資の手引」小規模事業資金(pref.saitama.lg.jp/a0805/seidoyushi/)

起業家育成資金の限度額・利率(令和8年度に拡充)

限度額3,500万円。令和8年度から対象を開業後10年未満まで拡充。利率は開業後5年未満が年1.3〜1.7%、開業後5年以上10年未満が年1.4〜1.8%。借換制度を創設

出典: 埼玉県「埼玉県中小企業制度融資の令和8年度改正点について」起業家育成資金の見直し(pref.saitama.lg.jp/a0805/seidoyushi/)

経営安定資金・経営あんしん資金の限度額・利率(令和8年度)

ともに限度額8,000万円。経営安定資金はセーフティネット保証の号認定が必要で利率年1.4〜1.9%。経営あんしん資金は年1.7〜2.1%、経済変動特例(売上総利益率等が5%以上減少)は年1.3〜1.7%

出典: 埼玉県「埼玉県中小企業制度融資の令和8年度改正点について」「物価高騰・人件費の上昇の影響を受けている中小企業への資金繰り支援について」(pref.saitama.lg.jp/a0805/seidoyushi/07j-genyudaka.html)

令和8年度の利率改定と主な見直し

令和8年4月1日融資実行分から、長期プライムレートの上昇を受けて融資利率を改定。経営あんしん資金【物価高騰特例】を終了し【経済変動特例】を新設、起業家育成資金を開業後10年未満まで拡充、借換資金の借換回数制限を撤廃

出典: 埼玉県「埼玉県中小企業制度融資(令和8年度上半期)の金利改定について」(pref.saitama.lg.jp/a0805/news/page/news2025021301.html)

埼玉県制度融資の仕組みと令和8年度の主な改正点

埼玉県の制度融資は、県が金融機関に利子補給を行い、埼玉県信用保証協会が信用保証を、商工会議所・商工会が受付窓口を担う公的融資です。県の利子補給により低利な固定金利での借入れが可能で、ほとんどの資金が無担保・第三者保証人不要で利用できます。申込みは事業所が所在する地区の商工会議所・商工会(中小企業組合は埼玉県中小企業団体中央会)を受付機関として、金融機関に融資を・埼玉県信用保証協会に保証を申し込み、両者の審査を通過すると融資が実行されます。令和8年度(2026年度)は、令和8年2月1日時点の長期プライムレートの上昇を受けて令和8年4月1日融資実行分から融資利率が改定されました。あわせて、経営あんしん資金【物価高騰特例】を終了して【経済変動特例】を新設し、起業家育成資金の対象者を開業後10年未満まで拡充、借換資金の借換回数制限を撤廃するなどの見直しが行われています。利率はメニュー・融資期間ごとに固定で設定されるため、申込前に最新の要綱・利率を確認することが前提になります。

一般的な資金繰りに使う「事業資金」「小規模事業資金」の限度額と金利

日常の運転資金や設備資金には、中小企業者向けの「事業資金(一般貸付)」と、小規模企業者向けの「小規模事業資金」が基本になります。事業資金(一般貸付)は設備資金6,000万円・運転資金5,000万円が限度(設備・運転併用の場合は合計6,000万円)で、融資期間は設備10年以内・運転7年以内(いずれも1年以内据置)です。令和8年度の利率は固定金利で年1.8〜2.2%(融資期間により異なる)に改定されました。一方、従業員20名以内(商業・サービス業など一部業種は5名以内)の小規模企業者が使う「小規模事業資金」は、限度額2,000万円(設備・運転併用も合計2,000万円、運転は最新決算期の平均月商3か月分が限度)で、原則無担保・第三者保証人なしで利用でき、令和8年度の利率は年1.7〜2.1%です。融資期間は設備10年以内・運転7年以内。事業規模と必要額に応じて、まずこの2つの基本メニューから選ぶのが第一歩です。

埼玉県制度融資の主な一般メニューの限度額・期間・固定金利(令和8年度)

メニュー融資限度額融資期間(設備/運転)令和8年度の融資利率(固定)
事業資金(一般貸付)設備6,000万円/運転5,000万円10年以内/7年以内年1.8〜2.2%
小規模事業資金2,000万円10年以内/7年以内年1.7〜2.1%
設備投資促進資金設備1億5,000万円(一部2億円)長期年1.4〜2.0%
起業家育成資金(開業後5年未満)3,500万円10年以内/7年以内年1.3〜1.7%

創業・設備投資で使うメニュー:起業家育成資金と設備投資促進資金

創業期の資金には「起業家育成資金」が用意されています。令和8年度から対象者が開業後10年未満まで拡充され、限度額は設備資金・運転資金それぞれ3,500万円(併用の場合は合計3,500万円)です。利率は開業後5年未満が年1.3〜1.7%(責任共有制度なし・担保不要)、開業後5年以上10年未満が年1.4〜1.8%(責任共有制度あり)に分かれ、保証料率は創業前・創業後5年未満で年0.80%以内です。令和8年度には起業家育成資金にも借換制度が創設され、融資実行日から1年以上経過した起業家育成資金の借換えが可能になりました(再借換は1度のみ)。設備投資には「設備投資促進資金」があり、設備資金1億5,000万円(一部2億円)を限度に、令和8年度の利率は年1.4〜2.0%です。人手不足への対応で設備投資を行う場合は【人手不足対応特例】が令和8年度も継続され、利率は年1.3〜1.9%に優遇されます。創業なら起業家育成資金、機械・店舗などの設備更新なら設備投資促進資金と、局面ごとに使い分ける設計です。

令和8年度に拡充された起業家育成資金の注意点

起業家育成資金は令和8年度に対象が開業後10年未満まで広がりましたが、開業からの年数で融資要件が変わる点に注意が必要です。開業後5年未満は責任共有制度の対象外で担保不要、利率も低めに設定されますが、開業後5年以上10年未満になると責任共有制度の対象となり、利率がやや上がり、担保は取扱金融機関および保証協会との協議により定められます。限度額3,500万円は既存の起業家育成資金の融資残高と合算して判定されるため、すでに利用している場合は残高を差し引いた範囲が新規に借りられる上限になります。

経営の安定・資金繰り支援で使うメニュー:経営安定資金と経営あんしん資金

取引先の倒産や災害、売上減少などで経営の安定に支障が生じている場合は「経営安定資金」が該当します。市区町村長によるセーフティネット保証の認定(中小企業信用保険法に基づく号認定。連鎖倒産防止の1号、全国的に業況が悪化している業種の5号など)を受けて利用するもので、限度額は8,000万円です。令和8年度の利率は大臣指定等貸付が年1.4〜1.8%、大臣指定【特定業種関連】と知事指定等貸付が年1.5〜1.9%(いずれも融資期間により異なる)です。一方、物価高騰や人件費の上昇など、国際情勢・経済情勢の急激な変動の影響を受けた事業者には「経営あんしん資金」があります。限度額8,000万円・令和8年度の利率は年1.7〜2.1%で、さらに知事が定める事由(物価高騰、人件費の上昇など)の影響で売上高総利益率または売上高営業利益率が前年同月比などで5%以上減少している事業者は【経済変動特例】の対象となり、利率が年1.3〜1.7%に優遇されます。経済変動特例は令和8年4月1日から取扱いが始まり、従来の【物価高騰特例】は終了しています。

複数の借入れを一本化したいときの「借換資金」

既存の県制度融資の返済負担を軽くしたい場合は「借換資金」が使えます。融資実行日から1年以上経過した県制度融資(借換対象資金)の借換えに必要な資金と、必要に応じた新規運転資金、借換時に支払う保証料相当額の合計が対象で、限度額は1億円、利率は取扱金融機関の所定利率、融資期間は1年超10年以内(1年以内据置)です。令和8年度の改正で借換資金による借換えの回数制限が撤廃され、複数回の借換えが可能になりました(ただし事故扱いや延滞中の資金、最長融資期間を超えた資金は対象外)。月々の返済額を抑えたいときの選択肢として、まず取扱金融機関に相談するのが基本です。

信用保証と申込の流れ:取扱金融機関・商工会議所を起点にする

埼玉県の制度融資は信用保証協会の保証付きが基本で、信用保証料は資金メニューや財務内容に応じて設定されます。たとえば事業資金(一般貸付)は年0.45〜1.64%以内、経営安定資金(大臣指定等貸付)は年0.45〜1.59%以内(金融円滑化関連は0.68%以内)といった範囲が定められています。事業者選択型経営者保証非提供制度を適用する場合は、保証料率が0.25%または0.45%上乗せされます。申込の流れは、まず事業所が所在する地区の商工会議所・商工会(中小企業組合は埼玉県中小企業団体中央会)を受付機関として相談し、金融機関に融資を・埼玉県信用保証協会に保証を申し込み、両者の審査を経て融資が実行されます。確定申告を行っていることや、既存の保証付き融資の返済が延滞していないことが利用の前提です。制度の運営は産業労働部 経営・金融支援課(令和8年4月に金融課から名称変更)が担い、最新の手引・利率は埼玉県の制度融資ページで公開されています。制度融資の基本構造や他地域との比較は<a href="/guide/local-loan-program-guide">自治体制度融資の完全ガイド</a>を参照してください。

申込前に揃えておきたい書類と確認事項

申込時は直近の決算書(税務申告書一式)、試算表、資金使途を裏付ける書類(設備資金なら見積書、運転資金なら資金繰り表)、事業計画書、納税証明書、許認可が必要な事業は許認可証の写しが中心になります。経営安定資金はセーフティネット保証の市区町村認定が前提で、認定書の有効期間は発行日を含めて30日(その期間内に受付機関での受付が必要)です。経営あんしん資金【経済変動特例】は売上高総利益率・営業利益率の5%以上減少を決算書や試算表で示す必要があるため、認定や数値要件の確認に要する日数を見込んでスケジュールを組むことが重要です。

FAQ

よくある質問

Q埼玉県の制度融資は令和8年度に金利が変わりましたか?
A

令和8年2月1日時点の長期プライムレートの上昇を受け、令和8年4月1日融資実行分から融資利率が改定されました。たとえば事業資金(一般貸付)は年1.8〜2.2%、小規模事業資金は年1.7〜2.1%に見直されています。利率は固定で安心感がある一方、申込前に取扱金融機関や埼玉県信用保証協会で最新の利率を必ず確認してください。

Q日常の運転資金や設備資金にはどのメニューが使えますか?
A

中小企業者は「事業資金(一般貸付)」が基本で、限度額は設備6,000万円・運転5,000万円です。従業員20名以内(商業・サービス業など一部は5名以内)の小規模企業者は、原則無担保・第三者保証人なしで使える「小規模事業資金」(限度額2,000万円)が利用できます。事業規模と必要額に応じて選びます。

Q埼玉県で創業時に使える制度融資はありますか?
A

創業前または創業後の方を対象とする「起業家育成資金」があり、令和8年度から対象が開業後10年未満まで拡充されました。限度額は3,500万円で、利率は開業後5年未満が年1.3〜1.7%、開業後5年以上10年未満が年1.4〜1.8%です。開業後5年未満は責任共有制度の対象外で担保も不要なため、創業期の負担を抑えられます。

Q物価高騰や売上減少で資金繰りが厳しいときはどの制度が向きますか?
A

物価高騰や人件費の上昇の影響を受けた事業者は「経営あんしん資金」(限度額8,000万円・年1.7〜2.1%)が該当します。売上高総利益率または営業利益率が前年同月比などで5%以上減少している場合は【経済変動特例】の対象となり、利率が年1.3〜1.7%に優遇されます。取引先倒産や災害などで経営安定関連保証の号認定を受けられる場合は「経営安定資金」(限度額8,000万円)も使えます。

Q複数の県制度融資を一本化して返済を楽にできますか?
A

「借換資金」を使えば、融資実行日から1年以上経過した県制度融資の借換えに必要な資金と、必要に応じた新規運転資金などを合わせて借り換えられます。限度額は1億円、融資期間は1年超10年以内で、利率は取扱金融機関の所定利率です。令和8年度の改正で借換回数の制限が撤廃されたため、複数回の借換えも可能になりました(事故扱い・延滞中の資金などは対象外)。

Q埼玉県の制度融資はどこに申し込めばよいですか?
A

まず事業所が所在する地区の商工会議所・商工会(中小企業組合は埼玉県中小企業団体中央会)を受付機関として相談し、金融機関に融資を、埼玉県信用保証協会に保証を申し込みます。両者の審査を通過すると融資が実行されます。制度の運営は埼玉県産業労働部 経営・金融支援課が担い、武蔵野銀行や埼玉りそな銀行など県内の取扱金融機関で取り扱われています。

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