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新規開業・スタートアップ支援資金

日本政策金融公庫の融資限度額・返済期間と旧「新創業融資制度」との違い

執筆: 法人融資ナビ編集部 / 公開: 2026-06-05 / 更新: 2026-10-01

創業期に最初に検討すべき制度は、日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」だ。融資限度額は7,200万円、対象は事業開始後おおむね7年以内で、創業期は原則として無担保・無保証人で利用できる。「新創業融資制度」は、この無担保・無保証人で利用する場合の融資制度の旧名称で、2024年4月1日に拡充された。

この記事では限度額・返済期間・利率・自己資金の扱い・申請の流れを公式情報で整理する。

要点

この記事で先に確認すること

01
融資限度額
7,200万円
出典: 日本政策金融公庫 公式(jfc.go.jp/n/finance/search/01_sinkikaigyou_m.html)
02
対象となる方
新たに事業を始める方、または事業開始後おおむね7年以内の方
出典: 日本政策金融公庫 公式(jfc.go.jp/n/finance/search/01_sinkikaigyou_m.html)
03
返済期間
設備資金20年以内・運転資金10年以内(いずれも据置期間5年以内)
出典: 日本政策金融公庫 公式(jfc.go.jp/n/finance/search/01_sinkikaigyou_m.html)
04
担保・保証人
希望を伺いながら相談。新たに事業を始める方または事業開始後に税務申告を2期終えていない方は、原則として無担保・無保証人で利用可能
出典: 日本政策金融公庫 公式(jfc.go.jp/n/finance/search/01_sinkikaigyou_m.html・創業融資のご案内)
05
旧「新創業融資制度」の拡充(2024年4月1日)
創業期の方が無担保・無保証人で利用する場合の融資限度額を3,000万円から7,200万円へ引き上げ。自己資金の要件(創業資金総額の10分の1以上)は「なし」に
出典: 日本政策金融公庫 ニュースリリース「『スタートアップサポートプラザ』の新設について」(2024年4月1日)参考3(jfc.go.jp/n/release/pdf/topics_240401b.pdf)
06
創業者向け利率引下げ
原則0.65%(雇用の拡大を図る場合は0.9%)引下げ
出典: 日本政策金融公庫 公式(jfc.go.jp/n/finance/search/sogyoyushi.html 創業融資のご案内)
関連銀行日本政策金融公庫政府系
→

SECTION 01

旧「新創業融資制度」の2024年4月の拡充と現在の名称を確認する

創業融資を調べると今も「新創業融資制度」という名称の解説記事が大量に出てくる。この名称は、創業期(新たに事業を始める方または事業開始後に税務申告を2期終えていない方)が無担保・無保証人で利用する場合の融資制度の旧名称で、公庫はこの融資制度を2024年4月1日に拡充した。旧「新創業融資制度」は単体で使う制度ではなく、無担保・無保証人という性質を「新規開業資金」などの融資制度に上乗せする付帯制度だった。

2024年4月1日の拡充で、創業期に無担保・無保証人で利用する場合の融資限度額は3,000万円から7,200万円になり、自己資金の要件はなくなった。運転資金の返済期間も従来の7年以内から10年以内へ、据置期間は2年以内から5年以内へ延びた。当時の「新規開業資金」は、2025年3月に「新規開業・スタートアップ支援資金」へ名称が変わっている。

古いパンフレットや解説記事は要件・数値が現行と異なるため、必ず公式サイトで最新内容を確認する必要がある。創業融資全般の進め方は創業融資の完全ガイドでも整理している。

旧「新創業融資制度」と現行「新規開業・スタートアップ支援資金」の主な違い

項目旧 新創業融資制度(〜2024年3月)新規開業・スタートアップ支援資金(現行)
位置づけ無担保・無保証人を付帯する制度創業期は原則として無担保・無保証人で利用可能(2024年4月1日に拡充)
制度上の自己資金要件創業資金総額の10分の1以上撤廃(ただし審査では自己資金を確認)
運転資金の返済期間7年以内(据置2年以内)10年以内(据置5年以内)
融資限度額3,000万円(うち運転1,500万円)7,200万円

SECTION 02

融資限度額7,200万円・返済期間・利率の仕組みを確認する

新規開業・スタートアップ支援資金の融資限度額は7,200万円で、設備資金にも運転資金にも使える。

返済期間は設備資金が20年以内、運転資金が10年以内で、いずれも据置期間(元金の返済を待ってもらえる期間)を5年以内まで設定できる。据置期間は売上が立ち上がるまでの資金繰りを支えるが、設定できるかは案件ごとに担当者が判断するため、必ず最大まで取れるとは限らない。

利率は「基準利率」が原則で、一定の要件を満たす資金は特別利率(A・B・C)が適用される。さらに創業者には基準利率からの引下げが用意されており、日本政策金融公庫の創業融資案内では「原則0.65%(雇用の拡大を図る場合は0.9%)引下げ」と明記されている。

基準利率の具体的な数値は経済情勢に応じて毎月見直されるため、申込時点の公式金利表で確認すること(過去の解説記事の利率をそのまま信じない)。

限度額の満額が出るわけではない点に注意

「限度額7,200万円」はあくまで制度上の上限であり、誰でも7,200万円を借りられるという意味ではない。実際の融資額は事業計画の妥当性・自己資金の額・返済能力・資金使途の必要性から個別に判断される。

創業期は売上実績がないため、希望額をそのまま満たすケースは多くない。資金使途を設備資金と運転資金に分けて見積書・収支計画で具体的に裏付けるほど、希望額に近い融資が引き出しやすくなる。

SECTION 03

自己資金要件は撤廃されたが「自己資金ゼロ」では通りにくい

旧「新創業融資制度」では「創業資金総額の10分の1以上の自己資金」が制度上の要件だったが、2024年4月1日の拡充でこの要件はなくなった。制度上は自己資金ゼロでも申込みが可能になっている。

ただし要件の撤廃は「自己資金が審査で見られなくなった」という意味ではない。審査では依然として自己資金の額・積み立ての履歴が重要な判断材料になり、自己資金が極端に少ない場合は不利になりやすい。

特に申込直前に口座へまとめて入金した資金は「見せ金」とみなされ、通帳の入出金履歴から見抜かれる。創業を決めた時点から計画的に積み立て、その推移を通帳で示せる状態にしておくことが、要件撤廃後もなお審査通過の実務的なカギになる。

SECTION 04

申請の流れと準備すべき書類

新規開業・スタートアップ支援資金の申込は、①相談(窓口・電話・オンライン)→②借入申込書・創業計画書などの提出→③面談(審査)→④融資実行、という流れで進む。公庫の創業支援のよくある質問では、申込から融資が決まるまでは平均3週間程度で、融資の条件などによっては時間がかかる場合もあるとしている。決定後に契約手続きを経て融資金が送金されるため、資金が必要な時期から逆算して早めに動くことが重要だ。

必要書類の基本は「借入申込書」「創業計画書」「設備資金がある場合は見積書」「許認可が必要な業種は許可証の写し」で、創業後で確定申告を終えている場合は申告書・決算書も加わる。

面談では「なぜこの金額が必要か」「返済財源はどこから出るか」「競合に対する自社の強みは何か」を口頭で説明できることが求められる。創業計画書の数字を頭に入れ、自己資金の出所を通帳で示せるよう準備しておくと審査がスムーズに進む。

日本政策金融公庫そのものの全体像は日本政策金融公庫(公庫)完全ガイドで確認できる。

SOURCES

この記事で参照した根拠

  1. 01

    融資限度額

    出典: 日本政策金融公庫 公式(jfc.go.jp/n/finance/search/01_sinkikaigyou_m.html)

  2. 02

    対象となる方

    出典: 日本政策金融公庫 公式(jfc.go.jp/n/finance/search/01_sinkikaigyou_m.html)

  3. 03

    返済期間

    出典: 日本政策金融公庫 公式(jfc.go.jp/n/finance/search/01_sinkikaigyou_m.html)

  4. 04

    担保・保証人

    出典: 日本政策金融公庫 公式(jfc.go.jp/n/finance/search/01_sinkikaigyou_m.html・創業融資のご案内)

  5. 05

    旧「新創業融資制度」の拡充(2024年4月1日)

    出典: 日本政策金融公庫 ニュースリリース「『スタートアップサポートプラザ』の新設について」(2024年4月1日)参考3(jfc.go.jp/n/release/pdf/topics_240401b.pdf)

  6. 06

    創業者向け利率引下げ

    出典: 日本政策金融公庫 公式(jfc.go.jp/n/finance/search/sogyoyushi.html 創業融資のご案内)

数値・制度は変更される場合があります。確認方法と訂正方針は 運営・編集方針をご覧ください。

FAQ

よくある質問

Q「新創業融資制度」はまだ使えますか?▼
A

「新創業融資制度」は旧名称だが、創業期に原則として無担保・無保証人で利用できる仕組みは拡充されて今も使える。この名称は、創業期(新たに事業を始める方または事業開始後に税務申告を2期終えていない方)が無担保・無保証人で利用する場合の融資制度を指す。この融資制度は2024年4月1日に拡充され、無担保・無保証人での融資限度額は7,200万円、運転資金の返済期間は10年以内になった。

古い名称の解説記事は要件が現行と異なるため、公式サイトで最新情報を確認すること。

Q融資限度額の7,200万円は満額借りられますか?▼
A

7,200万円は制度上の上限であり、満額が融資されるわけではない。実際の融資額は事業計画の妥当性・自己資金・返済能力・資金使途から個別に判断される。創業期は実績がないため、見積書や収支計画で資金使途を具体的に裏付けるほど希望額に近づきやすい。

Q自己資金がほとんどなくても申込めますか?▼
A

制度上の自己資金要件(旧制度の10分の1ルール)は2024年4月1日の拡充でなくなったため、制度上は申込み自体は可能。ただし審査では自己資金の額と積み立て履歴が依然として重視され、自己資金が極端に少ないと不利になりやすい。申込直前にまとめて入金した「見せ金」は通帳から見抜かれる。

Q担保や保証人は必要ですか?▼
A

日本政策金融公庫は「希望を伺いながら相談」する方式をとっている。創業期(新たに事業を始める方または事業開始後に税務申告を2期終えていない方)は、原則として無担保・無保証人で利用できるとしている。担保を提供できない創業期の事業者でも利用しやすい設計になっているが、融資額や条件によって取り扱いが変わるため、申込時に担当者へ確認することが必要。

Q利率はどのくらいですか?▼
A

原則は「基準利率」で、一定の要件を満たす資金には特別利率が適用される。さらに創業者には基準利率から原則0.65%(雇用の拡大を図る場合は0.9%)の引下げがある。

基準利率の具体的な数値は経済情勢に応じて毎月見直されるため、申込時点で公式の金利表を確認すること。古い記事の数値をそのまま使わないよう注意が必要だ。

Q申込から融資実行までどのくらいかかりますか?▼
A

公庫の創業支援のよくある質問では、申込から融資が決まるまでの期間は平均3週間程度とされている。融資の条件や、書類不備・追加資料の提出によってはさらに延びることがあり、決定後は契約手続きを経て融資金が送金される。

資金が必要な時期から逆算し、余裕をもって相談を始めることが重要。創業融資全般の進め方は当サイトの創業融資ガイドでも確認できる。

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