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省力化投資補助金2026年改定:補助上限・要件の変更点

公開: 2026-05-22

中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型)は2026年3月19日に制度改定され、小規模事業者の補助上限額が大幅に引き上げられた。賃上げ要件は「45円以上」から「3.0%以上」へ変更、収益納付は撤廃、公募期間も2027年3月末まで延長されており、活用余地が拡大している。

ポイント

この記事のポイント

改定日

2026年3月19日(木)から改定後制度の申請受付開始

出典: 中小企業基盤整備機構 中小企業省力化投資補助金 公式サイト

カタログ注文型 補助上限額(5人以下)

200万円 → 500万円(賃上げ特例適用時750万円)

出典: 中小企業基盤整備機構 2026年3月19日制度改定ページ

カタログ注文型 補助上限額(6〜20人)

500万円 → 750万円(賃上げ特例適用時1,000万円)

出典: 中小企業基盤整備機構 2026年3月19日制度改定ページ

大幅賃上げ特例の算定基準

事業場内最低賃金「45円以上」→「3.0%以上」へ変更

出典: 中小企業基盤整備機構 2026年3月19日制度改定ページ

公募期間

改定前2026年9月末頃 → 改定後2027年3月末頃まで延長

出典: 中小企業基盤整備機構 中小企業省力化投資補助金 公式サイト

収益納付の扱い

改定により完全撤廃(利益が出ても返納義務なし)

出典: 中小企業基盤整備機構 2026年3月19日制度改定ページ

2026年3月19日改定の3つの柱:上限引き上げ・収益納付撤廃・公募延長

今回の改定で最大のインパクトは従業員規模が小さい事業者向けの補助上限引き上げだ。従業員5人以下の事業者は補助上限額が200万円から500万円へ2.5倍に拡大、6〜20人の事業者は500万円から750万円へ増額された。21人以上の区分は据え置きだが、従来設定されていた「補助金額1,500万円超の部分は補助率1/3」という逓減区分が撤廃され、1,500万円までは一律補助率1/2が適用される構造に整理されている。さらに従来採択事業者が補助事業で顕著な利益を出した際に求められていた収益納付(返納義務)が完全撤廃され、補助金の活用後に成長しても返納リスクを気にする必要がなくなった。公募期間は当初予定の2026年9月末から2027年3月末頃まで延長され、申請検討の時間的余裕も生まれている。

2026年3月19日改定前後の補助上限額(カタログ注文型)

従業員数改定前改定後賃上げ特例適用時
5人以下200万円500万円750万円
6〜20人500万円750万円1,000万円
21人以上1,000万円1,000万円(据え置き)1,500万円

賃上げ要件の変更と複数回申請ルールの新設

大幅賃上げ特例の算定基準も見直された。従来は事業場内最低賃金を「45円以上」引き上げる定額基準だったが、改定後は「3.0%以上」(日銀物価安定目標2.0%+1.0%)の率基準に変更されている。あわせて給与支給総額の増加要件も従前どおり満たす必要がある。また2回目以降の申請(リピート申請)が制度化され、1事業者あたり「各申請時の補助上限額の2倍」までの累計補助上限額が設定された。前回交付額を差し引いた範囲で複数回活用できるが、過去の導入製品で省力化効果が出ていることの実績報告に加え、前回申請時から事業場内最低賃金を3.5%以上上昇させていることが追加要件となる(経過年数により上昇率は変動)。継続的に省力化投資を行う事業者にとっては段階的な設備拡充が現実的になった。

一般型との使い分け:カタログにない設備は一般型へ

カタログ注文型は事務局が登録した汎用製品を購入する仕組みで申請手続きがシンプル、随時公募で審査もスピーディーな点が特徴だ。一方カタログにない設備や自社業務に最適化したオーダーメイド設備を入れる場合は一般型を選ぶ。一般型の補助上限は21〜50人で最大3,000万円、51〜100人で最大5,000万円、大幅賃上げ特例適用時は最大1億円までと大規模投資に対応している。事業計画期間終了時点で1人当たり給与支給総額の年平均成長率3.5%以上が必須要件で、未達の場合は達成率に応じた返還が求められる点に注意が必要だ。

融資との組み合わせ:自己負担分と立替資金の確保

カタログ注文型・一般型ともに補助率は中小企業1/2(小規模・再生事業者2/3)で、補助対象経費の残りは自己負担となる。さらに補助金は事業実施後に補助金額が確定する精算払いが原則のため、設備購入代金は一度全額を企業側で立替える必要がある。立替期間の資金繰り対策としては日本政策金融公庫の設備資金融資や民間銀行の補助金つなぎ融資の活用が現実的だ。採択通知書は銀行に対し事業計画の外部認定として作用するため、採択後早期に取引銀行へ相談することが望ましい。実績報告での減額・不採択リスクに備え、つなぎ融資は補助金見込額の100%ではなく80%程度に抑えて組成するのが堅実な設計となる。

FAQ

よくある質問

Q2026年3月19日より前に申請済みの案件は新ルールが適用されますか?
A

改定後の補助上限額・収益納付撤廃などの新ルールは2026年3月19日以降の申請に適用されるのが原則だ。改定前の申請締切は2026年3月16日17:00で、それ以前に交付決定を受けた案件の取扱いは事務局公表の経過措置を確認する必要がある。判断に迷う場合は中小機構の事務局や認定支援機関に直接照会することを推奨する。

Qカタログ注文型と一般型はどちらを選ぶべきですか?
A

導入したい省力化設備が事務局の製品カタログに登録されていればカタログ注文型が手続きも審査もシンプルで早い。カタログにない設備、複数機器を組み合わせるオーダーメイド構成、5,000万円超の大規模投資の場合は一般型を選ぶ。一般型は補助上限が高い反面、事業計画書の作成負担と給与支給総額の年平均成長率3.5%以上という重い要件がある。

Q2回目以降の申請(リピート)で気をつけるべき点は何ですか?
A

累計補助上限額は各申請時の補助上限額の2倍までで、前回交付額を差し引いた残額が新規申請の上限になる。さらに前回申請時から事業場内最低賃金を3.5%以上引き上げていることが追加要件として求められる(経過年数で変動)。過去に導入した製品で実際に省力化効果が出ていることを示す実績報告も必須なので、初回採択時から効果測定の記録を残しておく必要がある。

Q賃上げ要件3.0%は申請時と完了時のどちらで満たせばよいですか?
A

大幅賃上げ特例における3.0%以上は、事業場内最低賃金について「申請時」と「補助事業終了時」の比較で達成を確認する基準だ。あわせて給与支給総額の増加要件も従前どおり満たす必要があり、特例適用には両要件のクリアが前提となる。未達時は補助上限が通常枠の水準まで減額される扱いになるため、無理な賃上げ計画は避け実現可能性を厳しく検討するのが望ましい。

Q補助金採択後に銀行融資を併用したい場合はどう進めればよいですか?
A

採択通知書を取得したら早期に取引銀行や日本政策金融公庫に相談する。補助金は精算払いのため設備購入代金を一度全額立替える必要があり、立替期間の運転資金確保が課題になる。日本政策金融公庫は補助金採択企業向けの設備資金融資メニューを持つことが多く、民間銀行でも補助金つなぎ融資の取扱がある。実績報告での減額リスクに備え、つなぎ融資は補助金見込額の8割程度に抑えるのが堅実だ。

Q収益納付の撤廃は過去の採択分にも適用されますか?
A

改定により今後の補助事業では収益納付が完全撤廃されたが、既に交付決定済みの過去案件への遡及適用については事務局の公表内容を確認する必要がある。経過措置の有無や対象範囲は制度改定の都度示されるため、過去採択分について納付義務の有無を判断する際は中小機構の公式アナウンスや問合せ窓口で個別に確認することを強く推奨する。

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