日本向けの旧Amazonレンディングは、現在利用できる融資として扱えません。米国・英国向けは2024年3月に公式終了、日本向けもセラーフォーラムで新規招待停止の報告が続きます。Amazon出品者は招待を待たず、仕入れから売上入金までの期間を計算し、公庫・銀行・在庫を活用した調達へ切り替える必要があります。
この記事で先に確認すること
- 米国・英国向けAmazonレンディングの終了
- 2024年3月6日付でAmazonの自社直接引受による新規融資を終了し、第三者提携紹介モデルへ移行
- 出典: Fortune「Amazon Lending will no longer underwrite seller loans」(2024年3月7日)
- 日本向けの状況(出品者報告ベース)
- 公式終了発表は確認できないが、Amazonセラーフォーラムで新規招待の停止・Amazonサポートによる「新規案内なし」の回答が複数報告されている
- 出典: Amazon出品者向けセラーセントラルフォーラム「Amazonレンディングの動向について」
- 過去の金利・限度額の扱い
- 2014年当時の報道値は現在の日本向け融資条件として利用しない
- 出典: 経済産業省 デジタルプラットフォームの透明性・公正性に関するモニタリング会合(総合物販オンラインモール分野)
- Amazonアカウント上の最新確認
- 資金調達案内の有無は、利用中の日本向けセラーセントラルとAmazon公式サポートで個別に確認
- 出典: Amazon Seller Central Japan https://sellercentral.amazon.co.jp/
- 創業期の代替候補
- 新規開業・スタートアップ支援資金は、新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方が対象
- 出典: 日本政策金融公庫 新規開業・スタートアップ支援資金 https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/01_sinkikaigyou_m.html
SECTION 01
日本のAmazonレンディングは新規招待なしとして資金計画から外す
日本では2014年にAmazon出品者向けの融資サービスが報じられましたが、米国・英国向けのAmazonレンディングは2024年3月に自社直接引受を終了し第三者提携紹介モデルへ移行したとAmazonが公式発表しています。日本向けについては同様の公式終了発表は確認できないものの、Amazonセラーフォーラムでは複数の出品者が新規の融資招待が届かなくなったと報告し、Amazonサポートも個別の問い合わせに対して「新規の案内は行っていない」と回答したケースが共有されています。したがって、過去の解説記事にある招待制、融資額、金利、入金日数を2026年の利用条件として資金繰り表へ入れることはできません。
調達可能額を未確認のAmazonレンディングで埋めず、申込可能な融資だけで計画を作ることが重要です。セラーセントラルに新しい資金調達案内が表示された場合も、提供地域、貸し手、金利、手数料、返済方法を画面と契約書で確認し、日本法人・日本の出品アカウントで利用できる条件かを切り分けます。海外AmazonのLendingページや英語圏の体験談は、日本向けサービスの根拠にはなりません。
EC事業全体の資金調達はEC事業の融資ガイドも参照してください。
SECTION 02
仕入れから売上入金までの日数を計算して必要額を決める
Amazon出品者の運転資金は、発注時の前払い、製造・輸送、FBA納品、販売、売上金の入金まで資金が固定されることで発生します。まずSKU別に「発注日」「仕入代金支払日」「納品日」「販売完了見込み」「入金見込み」を並べ、月末時点の在庫金額と未入金売上を集計します。融資希望額は、繁忙期に最も大きくなる在庫と未入金売上から、仕入先への支払猶予や手元資金を差し引いて求めます。
銀行へは、Amazonの売上レポートだけでなく、仕入先の請求書、発注書、在庫一覧、入金口座の明細、SKU別の粗利表を提出します。売上が増えていても広告費、FBA手数料、返品、長期保管在庫を控除すると返済原資が残らない場合があるため、売上高ではなく粗利益と営業キャッシュフローで返済可能額を確認します。セール前の仕入れなら、対象SKU、仕入数、販売単価、売り切り予定月を一枚にまとめると資金使途を説明しやすくなります。
在庫回転の遅れを借入増額で隠さない
在庫が計画より売れない場合は、追加借入の前に値下げ、広告停止、発注数量の削減、仕入先との支払条件交渉を検討します。滞留在庫を抱えたまま次の仕入資金を借りると、返済財源が同じ売上に二重に依存します。正常在庫と滞留在庫を分け、滞留分を除いた回転日数で次回発注量を決めることが、借入を増やし続けないための基準になります。
SECTION 03
公庫・銀行・ABLを回収期間に合わせて使い分ける
創業前または事業開始後おおむね7年以内なら、日本政策金融公庫の新規開業・スタートアップ支援資金が候補です。申込時は創業計画書にAmazon以外の販売経路、仕入先、在庫回転、広告費を含め、プラットフォーム停止時にも返済できるかを説明します。既に決算実績がある事業者は、入金口座を置く銀行へ月次売上と在庫資料を継続提出し、繁忙期だけ増える仕入れは短期資金、恒常的な在庫は長期運転資金として相談します。
在庫や売掛金を裏付けにするABLは、在庫明細を継続管理できる事業者の選択肢です。ファクタリングは売掛債権が対象であり、まだ販売していない在庫そのものを現金化する手段ではありません。資金需要の期間と調達手段の返済期間を一致させ、Amazonだけに依存しない口座・販路・融資先を持つことが、サービス変更時の資金繰りを安定させます。
Amazon出品者の資金需要と代替調達
| 資金需要 | 確認資料 | 主な相談先 |
|---|---|---|
| セール前の一時的な仕入れ | 発注書・販売計画・過去のセール実績 | 取引銀行の短期運転資金 |
| 恒常的に必要な在庫 | SKU別在庫・回転日数・月次試算表 | 公庫・銀行の長期運転資金 |
| 創業時の商品仕入れと広告費 | 創業計画書・見積書・自己資金履歴 | 日本政策金融公庫・自治体制度融資 |
| 売掛金と在庫を活用した調達 | 売掛先一覧・在庫管理表・評価方法 | ABLを扱う銀行・信用保証協会 |
SOURCES
この記事で参照した根拠
- 01
米国・英国向けAmazonレンディングの終了
出典: Fortune「Amazon Lending will no longer underwrite seller loans」(2024年3月7日)
- 02
日本向けの状況(出品者報告ベース)
出典: Amazon出品者向けセラーセントラルフォーラム「Amazonレンディングの動向について」
- 03
過去の金利・限度額の扱い
- 04
Amazonアカウント上の最新確認
出典: Amazon Seller Central Japan https://sellercentral.amazon.co.jp/
- 05
創業期の代替候補
出典: 日本政策金融公庫 新規開業・スタートアップ支援資金 https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/01_sinkikaigyou_m.html
数値・制度は変更される場合があります。確認方法と訂正方針は 運営・編集方針をご覧ください。
FAQ
よくある質問
Q日本でAmazonレンディングへ新規申込できますか?▼
旧日本向けサービスは終了済みとして扱う必要があります。過去の招待条件や融資額を現在の申込条件として使わず、セラーセントラルに新しい案内がある場合だけ、提供地域と貸し手をAmazon公式サポートへ確認してください。案内がない状態を前提に、公庫や銀行へ相談する資金計画を作ります。
Q古い記事にある最大5,000万円などの条件は使えますか?▼
使えません。2014年当時の報道値は終了したサービスに関する情報であり、2026年の日本向け条件ではありません。資金繰り表には、金融機関から正式に提示された利用可能額だけを記載し、未確認の招待枠を調達予定額へ含めないでください。
QAmazonの売上実績を銀行へどう見せればよいですか?▼
月別売上、入金、返品、広告費、FBA手数料、SKU別在庫と回転日数を同じ期間で揃えます。さらに入金口座の明細、仕入先請求書、発注書、月次試算表を付け、売上高ではなく粗利益と営業キャッシュフローから返済できることを説明します。
Q創業直後のAmazon出品者はどこへ相談しますか?▼
日本政策金融公庫の新規開業・スタートアップ支援資金や、所在地の自治体制度融資が候補です。創業計画書には仕入れから入金までの期間、Amazon手数料を控除した粗利益、返品やアカウント停止時の対応、Amazon以外の販路を記載します。
Q在庫仕入れは短期融資と長期融資のどちらですか?▼
セール前だけ増える在庫は売り切り予定に合わせた短期資金、年間を通じて維持する正常在庫は長期運転資金として相談する考え方があります。実際の借入期間は在庫回転日数、財務内容、金融機関の商品条件により決まるため、用途を分けた資金繰り表を提出します。
QファクタリングでAmazon在庫を資金化できますか?▼
ファクタリングは原則として売掛債権を対象とするため、販売前の在庫そのものを買い取る仕組みではありません。在庫を活用する場合はABLの対象・評価方法を金融機関へ確認します。売掛金と在庫を混同せず、手数料を含む総調達コストを比較してください。
関連銀行
記事に関連する銀行
関連する用語
この記事に出てくる用語を確認する
関連記事
次に確認したい記事
EC事業者の融資完全ガイド:在庫資金・売掛金担保の活用
EC事業者向けの融資制度を網羅。在庫仕入れ資金、楽天市場・Amazonの売上に紐づく専用ローン、ネット銀行の融資枠型ビジネスローンの特徴と使い分け基準を解説します。
小売業の在庫資金調達:仕入サイクルに合わせた借入設計
小売業の在庫仕入資金を解説。季節商品・福袋・冬商戦の特殊資金需要に対応するため、短期融資・当座貸越・ABLの使い分けと仕入サイクルに合わせた借入設計のポイントをまとめました。
運転資金の融資申込完全ガイド:必要書類と審査のポイント
運転資金融資の申込から実行までの流れを解説。必要書類の準備方法、審査で重視されるポイント、よくある否決理由と対策をわかりやすくまとめました。
ABL(動産・債権担保融資)リボルバー型の仕組みと中小企業の活用法
在庫・売掛金を担保に極度貸付方式で繰り返し借入できるABLリボルバー型の仕組みを解説。商工中金・地方銀行の取扱条件、流動資産担保融資保証制度の限度額、活用シーンを整理した。