本文へスキップ
法人融資ナビ2026年最新版
融資

EC・通販業の法人融資ガイド

ECは店舗コストが低い一方、在庫投資・広告費・物流コストが重く、資金繰りの問題が起きやすい業種です。売上データがデジタルで証明しやすいため、入出金明細や口座データを使うオンライン融資商品も比較対象になります。

執筆: 法人融資ナビ編集部 / 公開: 2026-04-20 / 更新: 2026-07-23

要点

EC・通販業が融資を探す前に見るポイント

向いている銀行
ネット銀行(GMOあおぞらネット銀行・PayPay銀行・楽天銀行)はEC事業者が使いやすいオンライン融資商品を持つが、審査方法と所要期間は商品ごとに異なる。銀行融資に加え、Amazon Lending(マーケットプレイス出店者向け)も選択肢。中規模以上なら地方銀行・政府系も活用できる。
主な資金使途
在庫仕入れ・先行購入(運転資金)、広告費・マーケティング費(短期運転資金)、物流倉庫・設備(長期設備資金)、自社ECサイト・アプリ開発(IT投資)、越境EC・海外展開資金。
審査のポイント
プラットフォーム別売上(Amazon・楽天・Yahoo等)のデータ、在庫回転率・廃棄ロス率、広告費対売上比(ROAS)の安定性。季節変動・セール依存度も確認される。返品率の高さは審査に悪影響。
タイプ

推奨する金融機関タイプ

ポイント

EC・通販業の融資ポイント

向いている銀行

ネット銀行(GMOあおぞらネット銀行・PayPay銀行・楽天銀行)はEC事業者が使いやすいオンライン融資商品を持つが、審査方法と所要期間は商品ごとに異なる。銀行融資に加え、Amazon Lending(マーケットプレイス出店者向け)も選択肢。中規模以上なら地方銀行・政府系も活用できる。

主な資金使途

在庫仕入れ・先行購入(運転資金)、広告費・マーケティング費(短期運転資金)、物流倉庫・設備(長期設備資金)、自社ECサイト・アプリ開発(IT投資)、越境EC・海外展開資金。

審査のポイント

プラットフォーム別売上(Amazon・楽天・Yahoo等)のデータ、在庫回転率・廃棄ロス率、広告費対売上比(ROAS)の安定性。季節変動・セール依存度も確認される。返品率の高さは審査に悪影響。

必要書類

決算書(直近2〜3期)、モールの管理画面データ(月次売上・購入件数・在庫数)、広告費用の内訳、物流コスト明細。ネット銀行の場合は口座・売上データ連携がほぼ全ての書類を代替する。

注意点

Amazonブランド規制・楽天規約変更・検索アルゴリズム変更で売上が急変するリスクをどう説明するかが重要。プラットフォーム1社依存は審査でリスク要因として見られる。複数モール展開・自社EC比率の向上がリスク分散の証明になる。

金利確認の観点

EC融資の条件は口座・売上データ連携、在庫・売掛金の管理、プラットフォーム依存度、保証の有無で変わる。ネット銀行・地方銀行・プラットフォーム融資は、金利だけでなく利用枠、返済方法、手数料、データ連携条件を比較する。

おすすめ

EC・通販業に向いている銀行

ネット銀行・地方銀行・政府系
政府系日本政策金融公庫

「新規開業・スタートアップ支援資金」(2024年4月に旧新創業融資制度を統合)は新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の事業者を対象とし、融資限度額7,200万円。担保・保証人は希望を伺いながら相談する方式で、無担保・無保証人での対応も可能。事業計画書の内容・経営者の資質を評価する審査方式で、政府系創業融資の代表例。

政府系商工中金

商工中金の融資対象は、株主である中小企業団体とその構成員が中心で、共同出資会社、海外現地法人、事業承継予定者などの相談にも応じる。相談時点で組合員でなくても相談できるが、融資時点では構成員等となる必要がある。新規融資の相談は最寄りの本・支店へ電話し、営業日の9時から17時に受け付けるため、自社の組合との関係と資金使途を先に確認したい。法人口座開設は登記事項証明書(作成後6カ月以内の原本提示)と取引担当者の本人確認書類が必要で、所定の資料の提出を求められる場合がある。

ネット銀行GMOあおぞらネット銀行

融資枠型ビジネスローンのあんしんワイドはオンライン完結型で、決算書、事業計画書、担保、保証人が不要と案内されている。審査はGMOあおぞらネット銀行または他行の入出金明細で行われ、法人代表者への電話ヒアリング、審査結果のメール通知、契約後のインターネットバンキング借入という流れ。申込には同銀行の法人口座が必要なため、口座開設と日々の入出金を同じ銀行に集約している法人ほど使いやすい。

地方銀行東北銀行

「創業支援ローン〜起業のとびら〜」は独立・新規開業者向けの専用商品。農業・畜産・建設など岩手の主力産業に精通した担当者が在籍し、業種固有の季節的資金繰りや収穫期の運転資金需要を考慮した審査スタンスを持つ。地方銀行として都市銀行より中小企業向けの対応が積極的。

地方銀行七十七銀行

「77ニュービジネス支援資金」は新規創業から創業後5年以内を対象に運転資金10年・設備資金15年の長期融資を提供。宮城県信用保証協会との連携があり、創業専用相談窓口を設けており、業歴が浅い段階でも融資相談への入口が広い。

地方銀行常陽銀行

常陽ビジネスローン「クイックJ」は決算書1期・自己資本または税引後当期利益のいずれかプラスで申込可能で、担保・第三者保証は不要。法人設立1年以上から対象で、ネット/FAXで申込みすると3営業日以内に仮審査結果が回答される。通常の地方銀行より間口が広い設計。法人口座開設はWEB申込みに対応し、当行と取引がない茨城県内本店法人が対象(通帳発行のない事業用普通預金口座に限る)。必要書類は履歴事項全部証明書・印鑑登録証明書(ともに発行後3カ月以内)、実質的支配者の確認資料(株式会社のみ)等で、申込から口座番号連絡まで2〜3週間程度を要する(年末年始や追加確認がある場合はさらに時間を要する)。

FAQ

よくある質問

Q創業直後のECサイトでも融資を受けられますか?
A

困難ですが選択肢はあります。①日本政策金融公庫の新規開業・スタートアップ支援資金(事業計画書・自己資金が重要)②デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)でシステム構築費用を補助③地域の信用金庫に創業融資を相談。ECは「実店舗なし」なので店舗担保がなく、審査は事業計画と代表者の経験が中心になります。EC業界の職歴・過去の実績(他社での管理経験等)を積極的に説明してください。

QAmazon・楽天などのプラットフォームが提供する融資は銀行融資の代わりになりますか?
A

「Amazon Lending」「楽天スーパービジネスローン」等のプラットフォーム融資は、売上データを審査に使える点が特徴です。商品ごとに対象者・必要書類・利用枠・金利・返済方法が異なるため、銀行融資と総支払額や返済期間を比較します。小口・急ぎの仕入れ資金では候補になりますが、大口・長期の調達では複数金融機関へ相談します。

QEC事業の在庫をABL(動産担保融資)で借りることはできますか?
A

原則として可能ですが、EC在庫の担保評価は厳しく見られる場合があります。理由は「陳腐化リスク」「流通価格の変動が大きい」「写真で在庫確認が難しい」ことです。不動産担保なしで在庫ABLを積極的に行う金融機関は限られるため、売掛金担保融資(注文後・配送後の未収入金)なども比較します。

※ 制度名・金額は目安です。最新情報は公式情報でご確認ください。

銀行

この業種に向いている銀行

PayPay銀行

PayPay銀行は旧ジャパンネット銀行を前身とするネット銀行で、法人向けにはビジネスローンや当座貸越タイプの事業資金融資を提供している。審査はオンライン完結型で、来店不要・最短翌営業日回答という手続きの迅速さが最大の特徴。法人口座の売上入金実績や資金繰りデータをもとに審査するため、業歴が短いIT系スタートアップや個人事業主の法人成り直後でも検討しやすい。一方で大型の設備資金融資や有担保融資には対応しておらず、運転資金の短期調達に向いたサービスと理解しておく必要がある。PayPayとの連携サービスを活用したEC・小売事業者との親和性が高い。なお、融資利用の前提となる法人口座(ビジネスアカウント)の開設手続きは、申込フォームの入力→必要書類のWebアップロード→口座開設という3ステップで、公式サイトでは最短当日開設と案内されている。必要書類は取引担当者の本人確認資料(運転免許証またはマイナンバーカードのいずれか1点に加え、顔の撮影または転送不要郵便物の受け取り)、発行日より6ヶ月以内の法人印鑑証明書、法人名・現住所・領収日付が確認できる補助資料(納税証明書や公共料金領収書等)。必要書類をWebアップロードすれば最短当日で開設できるが、郵送提出や書類不備、休日を挟む場合は日数がかかるとされている。

ソニー銀行

ソニー銀行は、公式サイト上では外貨預金、住宅ローン、Sony Bank WALLET、優遇プログラム、積立商品、NISA、カードローン、資産運用相談など個人向けサービスを中心に案内している。法人向けビジネスローンや事業性融資の申込導線、金利、担保、返済期間は確認できないため、法人融資を探す目的では候補から外すのが現実的。指名検索でソニー銀行の法人融資可否を確認している場合は、同銀行ではなく、法人口座と事業性融資を扱うネット銀行、地域金融機関、日本政策金融公庫を次の比較先にする。

住信SBIネット銀行

住信SBIネット銀行は三井住友信託銀行とNTTドコモ共同経営のネット銀行(2025年10月にドコモの連結子会社化、2026年8月3日に「ドコモSMTBネット銀行」へ商号変更予定)で、法人向けにはビジネスローンやAIスコアリングを活用した融資審査サービスを提供している。財務データだけでなく、口座の入出金データ・クラウド会計ソフトとの連携情報をスコアリングに活用するAI審査が特徴で、創業間もないスタートアップや財務資料が薄い企業でも審査機会を得やすい。申込みから融資実行までオンライン完結が可能で、手続きの簡便さを重視する経営者には使いやすい環境が整っている。IT・EC・サービス業などのデジタル事業者との親和性が高く、会計ソフト連携による経営状況の可視化を積極的に進めている企業は審査で有利に働く場合がある。

auじぶん銀行

auじぶん銀行は2008年に三菱UFJ銀行とKDDIが共同出資で設立したネット銀行で、2025年1月末にauフィナンシャルホールディングスが三菱UFJ保有株を取得し、KDDIグループの完全子会社となった(MUFGとの業務協業は継続)。法人口座の開設対象は同行の関係先企業および同行からの紹介企業に限定され、公式法人サービスページ・FAQで法人向けビジネスローン商品の記載は確認できない。当座貸越も公式FAQで「お取扱いしておりません」と明記されている。法人向けに提供される機能は振込・振替、CSV形式での入出金明細ダウンロード、ポータルサイトを通じた資金管理など決済・キャッシュマネジメント領域が中心。資金調達ニーズには対応していないため、メインバンクとの併用前提の決済補助行として位置付けるのが現実的。

GMOあおぞらネット銀行

GMOあおぞらネット銀行の法人融資は、融資枠型ビジネスローンのあんしんワイドを中心に見ると実務上の位置付けが分かりやすい。公式ページでは、オンライン完結、お借入まで最短2営業日、決算書・事業計画書・担保・保証人不要、入出金明細での審査を案内している。流れは申込、代表者への電話ヒアリング、審査結果のメール通知、契約後のインターネットバンキング借入。申込には同行の法人口座が必要で、枠内で繰り返し借入・返済できるため、短期運転資金や入金待ちのつなぎ資金に向く。一方、長期設備投資や担保付きの大型融資は、地域金融機関や日本政策金融公庫との併用で考えるのが現実的。

地域で銀行を絞り込む

EC・通販業に向いている銀行を都道府県・市区町村から絞り込んで4軸で比較できます。

他の切り口で絞り込む

企業の規模・資金使途からEC・通販業に向いている銀行を探すこともできます。