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クリーニング店の開業・設備資金ガイド|公庫の生活衛生貸付を活用

公開: 2026-06-07

クリーニング業は生活衛生関係営業の18業種の一つで、日本政策金融公庫の「生活衛生貸付」が使える点が一般の創業融資と大きく異なる。一般貸付(設備資金、クリーニング業は限度1億2,000万円)・振興事業貸付(組合員向けで運転資金も対象)・生活衛生改善貸付(小規模事業者向け無担保無保証人)を業態と規模で使い分けるのが軸になる。

ポイント

この記事のポイント

一般貸付(生活衛生貸付)クリーニング業の融資限度額

設備資金1億2,000万円(クリーニング取次業へ業態転換した方は4,800万円以内)。運転資金は対象外。返済期間13年以内(うち据置1年以内、7年超は2年以内)

出典: 日本政策金融公庫「一般貸付(生活衛生貸付)」公式(jfc.go.jp/n/finance/search/32_ippankashitsuke_m.html)

生活衛生改善貸付の融資限度額・条件

限度額2,000万円・無担保無保証人。常時使用する従業員5人以下で、生活衛生同業組合等の長の推薦を受けた小規模事業者が対象。設備資金・運転資金とも利用可

出典: 日本政策金融公庫「生活衛生改善貸付」公式(jfc.go.jp/n/finance/search/34_eiseikaizen_m.html)

振興事業貸付の対象者

クリーニング業を含む生活衛生関係営業者で、生活衛生同業組合の組合員かつ振興計画の認定を受けている方が対象。一般貸付と異なり運転資金も融資対象になる

出典: 日本政策金融公庫「一般貸付(生活衛生貸付)」関連ページ・生活衛生融資のご案内(jfc.go.jp/n/finance/search/pdf/seieiyuushi_guide.pdf)

クリーニング店の業態(一般店/取次店)と設備の違い

一般店は洗濯機・乾燥機・プレス機等を自店に備えクリーニング師の配置が必要。取次店は窓口業務のみで作業は提携工場が行い、洗濯作業を行わない取次店はクリーニング師の配置義務がない

出典: J-Net21(中小企業基盤整備機構)「クリーニング取次店」起業支援ガイド(j-net21.smrj.go.jp)

クリーニング業の資金需要:業態によって必要設備と金額帯が変わる

クリーニング業の資金計画は、まず開業する業態を「一般店(自店で洗う)」か「取次店(窓口だけ)」のどちらにするかで大きく変わる。一般店は店舗の給排水・電気・換気を含む内装工事に加え、洗濯機・乾燥機・プレス機(仕上げ機)・シミ抜き設備などの機械投資が必要で、設備資金の比重が高い。ドライクリーニング機を備える場合は溶剤管理の設備も要る。一方、取次店は預かり・引き渡し・保管を行う窓口業務が中心で、クリーニング作業は提携工場が担うため、機械投資は最小限で内装と什器・POS・保管棚が主な投資項目になる。さらに無店舗で集配を行う宅配クリーニングのように、固定店舗を持たず物流と受発注システムに投資する業態も広がっている。どの業態でも、開業初期は売上が安定するまでの人件費・賃料・水道光熱費・溶剤や資材費といった運転資金を別枠で確保しておく必要がある。設備の具体的な金額は導入する機械の種類・台数・中古/新品によって幅が大きいため、見積りを複数社から取って積み上げるのが前提になる。

クリーニング業の業態別 主な投資項目と資金の性格

業態主な投資項目資金の中心
一般店(自店洗い)内装・給排水・洗濯機・乾燥機・プレス機・シミ抜き設備資金が大きい
取次店内装・什器・保管棚・POS(機械投資は最小)内装+運転資金
無店舗取次・宅配集配車両・受発注システム・保管スペース運転資金+物流投資
全業態共通開業後の人件費・賃料・溶剤資材費運転資金(別枠確保)

核になる制度:日本政策金融公庫の生活衛生貸付(3制度の使い分け)

クリーニング業は理容業・美容業・飲食店営業・旅館業などと並ぶ「生活衛生関係営業」の業種にあたり、日本政策金融公庫の「生活衛生貸付」を利用できる。これが一般の創業融資と決定的に違う点だ。生活衛生貸付には複数の制度があり、クリーニング業に関わる主なものは次の3つになる。①一般貸付:生活衛生関係の事業を営む方が広く使える基本の制度で、クリーニング業の設備資金限度は1億2,000万円(クリーニング取次業へ業態転換した方は4,800万円以内)、返済期間は13年以内。ただし対象は設備資金で、運転資金はこの制度では融資されない。②振興事業貸付:生活衛生同業組合の組合員で振興計画の認定を受けている方が対象で、一般貸付と違い運転資金も融資対象になる。組合加入と認定が条件になるぶん、運転資金まで長期・低利でまとめたい場合に有力だ。③生活衛生改善貸付:従業員5人以下の小規模事業者向けで、生活衛生同業組合等の長の推薦を受けると限度額2,000万円・無担保無保証人で設備資金・運転資金が借りられる。担保や保証人を用意しにくい個人開業のクリーニング店に向く。どの制度を使うかは「設備中心か運転資金も要るか」「組合に加入しているか」「規模(従業員数)」で判断し、開業時は公庫の窓口と都道府県の生活衛生営業指導センターに並行して相談するのが効率的だ。

生活衛生貸付の主な3制度(クリーニング業)

制度対象・条件資金使途・特徴
一般貸付生活衛生関係事業を営む方設備資金(限度1.2億円)。運転資金は対象外
振興事業貸付組合員+振興計画の認定設備+運転資金。組合加入が前提
生活衛生改善貸付従業員5人以下+組合等の推薦限度2,000万円・無担保無保証人

生活衛生貸付を補完する:自治体の制度融資と持続化補助金

生活衛生貸付だけで資金計画が完結しないケースも多い。運転資金の比重が高い取次店・宅配業態や、開業直後で公庫の審査枠が限られる場合は、自治体の制度融資と補助金を組み合わせる。①都道府県・市区町村の制度融資:信用保証協会の保証を付け、自治体が利子や保証料の一部を補助する仕組みで、地域の金融機関(信用金庫・地方銀行)経由で申し込む。クリーニング店のような小規模事業者でも使いやすく、公庫と並行して運転資金枠を確保する補完手段になる。②小規模事業者持続化補助金:商工会議所・商工会の支援を受けて経営計画を作り、販路開拓や業務効率化の取り組みに使える補助金で、宅配・集配サービスの立ち上げ、Web受注システムの導入、店舗の改装といったクリーニング店の販路拡大に活用しやすい。補助金は後払い(精算払い)が原則で、いったん自己資金や融資で立て替える前提のため、補助金単独ではなく融資とセットで資金計画を組むのが実務的だ。なお補助金の補助上限・補助率・対象経費・公募回ごとの要件は変わるため、申請前に必ず最新の公募要領を確認すること。生活衛生関係営業者は、生活衛生同業組合や生活衛生営業指導センターが融資・補助金の相談窓口を兼ねている点も活用したい。

FAQ

よくある質問

Qクリーニング店の開業資金はいくら準備すればよいですか?
A

必要額は業態で大きく変わる。洗濯機・乾燥機・プレス機を自店に備える一般店は設備投資が重く、窓口業務だけの取次店は機械投資が最小限で済む。具体的な金額は導入する機械の種類・台数や中古/新品、内装規模で幅が大きいため、設備・内装の見積りを複数社から取って積み上げ、それに開業後数か月分の人件費・賃料・資材費(運転資金)を加えて算定するのが確実だ。

Qクリーニング業はなぜ日本政策金融公庫の生活衛生貸付が使えるのですか?
A

クリーニング業が「生活衛生関係営業」の業種に含まれているためだ。理容業・美容業・飲食店営業・旅館業などと同じ生活衛生関係の事業として、公庫の生活衛生貸付(一般貸付・振興事業貸付・生活衛生改善貸付など)の対象になる。一般の創業融資と並んで、業種固有のこの制度を検討できるのがクリーニング業の資金調達の特徴だ。

Q生活衛生貸付の一般貸付では運転資金も借りられますか?
A

一般貸付(生活衛生貸付)の対象は設備資金で、運転資金はこの制度では融資されない。運転資金も生活衛生貸付でまとめたい場合は、生活衛生同業組合の組合員かつ振興計画の認定を受けて「振興事業貸付」を使う、または従業員5人以下なら「生活衛生改善貸付」(設備・運転とも対象、限度2,000万円・無担保無保証人)を利用する、といった制度の使い分けが必要になる。

Q取次店や宅配クリーニングでも生活衛生貸付は使えますか?
A

使える可能性がある。クリーニング業を営む生活衛生関係営業者が対象で、クリーニング業から取次業へ業態転換した方も一定の要件で一般貸付の対象になる(その場合の限度は4,800万円以内)。ただし業態・営業形態によって適用される制度や限度額・条件が変わるため、具体的な可否と金額は公庫の窓口や都道府県の生活衛生営業指導センターで確認するのが確実だ。

Q担保や保証人を用意できない個人開業でも借りられますか?
A

生活衛生改善貸付なら無担保・無保証人で利用できる。従業員5人以下の小規模事業者で、生活衛生同業組合等の長の推薦を受けることが条件で、限度額は2,000万円。設備資金・運転資金の両方に使える。担保や保証人を準備しにくい個人開業のクリーニング店に向く制度なので、まず生活衛生同業組合や生活衛生営業指導センターに加入・相談の可否を問い合わせるとよい。

Q生活衛生貸付以外にクリーニング店が使える資金調達はありますか?
A

ある。都道府県・市区町村の制度融資(信用保証協会の保証付き、信用金庫や地方銀行経由)で運転資金枠を補完する方法や、小規模事業者持続化補助金で宅配サービス立ち上げ・Web受注導入・店舗改装などの販路開拓費を補助してもらう方法がある。補助金は精算払いで後から入金されるため、融資とセットで立て替え分を確保しておくのが現実的だ。制度・補助金の最新要件は申請前に必ず確認すること。

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