神奈川県中小企業制度融資は、県・神奈川県信用保証協会・金融機関の三者協調で県内中小企業の資金調達を固定金利で支える公的融資制度。令和8年度は創業支援融資(限度額3,500万円)、生産性向上支援融資(8,000万円別枠)、事業振興融資(2億円)などのメニューが用意され、創業特例では信用保証料がゼロになる。本記事で対象・限度額・利率の要点を整理する。
この記事で先に確認すること
- 創業支援融資の限度額・利率
- 限度額3,500万円/融資利率 年2.2%以内(創業特例は年2.0%以内)。創業特例に該当すると信用保証料がゼロになる
- 出典: 神奈川県信用保証協会「創業支援融資(県制度)」(cgc-kanagawa.or.jp)
- 生産性向上支援融資の限度額・利率
- 限度額8,000万円(別枠)/融資利率 年2.0%以内(省エネ効果が見込まれる案件は年1.8%以内)。信用保証料率0.34%
- 出典: 資金調達ナビ(弥生)掲載 神奈川県「生産性向上支援融資」要綱(shikin.yayoi-kk.co.jp)
- 事業振興融資の限度額
- 限度額2億円/運転資金10年以内・設備資金15年以内。利率・信用保証料は融資期間や案件により異なるため、取扱金融機関・神奈川県信用保証協会で要確認
- 出典: 神奈川県中小企業制度融資「融資メニュー一覧」(pref.kanagawa.jp/docs/m6c/cnt/f5782/)
SECTION 01
神奈川県中小企業制度融資の仕組みと令和8年度のメニュー構成
神奈川県中小企業制度融資は、神奈川県・神奈川県信用保証協会・取扱金融機関の三者が連携して運営する公的融資制度だ。県が信用保証料の一部を補助し、保証協会が信用補完することで、自力では民間融資を受けにくい中小企業も固定金利で資金調達できる。令和8年度(2026年度)の融資メニューは、原油・原材料高騰等対策特別融資、日産自動車関連対策特別融資、モニタリング強化型特別融資、災害対応融資、事業再生サポート融資、生産性向上支援融資、創業支援融資、SDGsパートナー支援融資などで構成される。
日産自動車関連対策特別融資のように県内の産業構造を反映した独自メニューがある点が、神奈川県制度融資の特徴だ。各メニューの限度額・利率は神奈川県公式の「令和8(2026)年度神奈川県中小企業制度融資一覧表」と信用保証料率表で公表されており、年度ごとに改定されるため申込前に最新版の確認が欠かせない。
SECTION 02
創業期に使う:創業支援融資と創業特例の保証料ゼロ
創業を予定する事業者や開業から間もない企業が中心に使うのが創業支援融資だ。対象は「1か月以内に個人事業を開業予定」「2か月以内に法人事業を開業予定」または「開業後5年未満の中小企業者」で、融資限度額は3,500万円、融資利率は年2.2%以内、融資期間は1年超10年以内(据置期間1年以内)となっている。
特に注目したいのが創業特例で、商工会等の創業支援機関による経営指導を受ける(融資実行後おおむね2回以上)か、国が認定した市町村の特定創業支援等事業を利用した場合に適用され、融資利率が年2.0%以内に下がるうえ信用保証料がゼロになる。通常の創業支援融資の信用保証料率0.4%の負担が消えるため、創業期のコスト圧縮効果は小さくない。神奈川県の制度を含む全国共通の考え方や他県との違いは /guide/local-loan-program-guide でも整理している。
創業特例を使うための事前準備
創業特例の信用保証料ゼロを受けるには、申込み前に創業支援機関の経営指導を受け、融資実行後もおおむね2回以上の経営指導を受けることが要件となる。地元の商工会・商工会議所や市町村の特定創業支援等事業(創業セミナー等)を早めに利用し、認定の証明書類を揃えておくと申込がスムーズだ。創業計画書・自己資金確認資料の準備も並行して進めたい。
SECTION 03
成長・設備投資に使う:生産性向上支援融資と事業振興融資
設備投資や事業拡大の局面で軸になるのが生産性向上支援融資と事業振興融資だ。生産性向上支援融資は、経営力向上計画を策定して国の認定を受けた中小企業者、または先端設備等導入計画を策定して市町村の認定を受けた中小企業者が対象で、融資限度額は8,000万円(別枠)、融資利率は年2.0%以内、省エネルギー効果が見込まれる案件は年1.8%以内に優遇される。設備資金は15年以内・運転資金は10年以内と長期で組める。
一方の事業振興融資は限度額2億円と大きく、運転資金10年以内・設備資金15年以内で幅広い資金需要に対応する汎用メニューだ。利率は融資期間によって異なるため、申込先金融機関で最新の適用利率を確認したい。どちらを使うべきかは認定計画の有無と必要額で決まるため、まず取引銀行か保証協会に相談するのが近道だ。
令和8年度の主な制度融資メニュー(公表資料に基づく目安)
| メニュー | 融資限度額 | 融資利率の目安 |
|---|---|---|
| 創業支援融資 | 3,500万円 | 年2.2%以内(創業特例 年2.0%以内) |
| 創業支援融資(創業特例) | 3,500万円 | 年2.0%以内・信用保証料ゼロ |
| 生産性向上支援融資 | 8,000万円(別枠) | 年2.0%以内(省エネ案件 年1.8%以内) |
| 事業振興融資 | 2億円 | 融資期間により変動(金融機関で要確認) |
SECTION 04
申込みの流れと相談先:金融機関と神奈川県信用保証協会
制度融資の申込みは、まず神奈川県の取扱金融機関(県内の地方銀行・信用金庫・信用組合・商工中金など)の窓口に相談することから始まる。取引のある銀行が取扱金融機関であれば、その口座を活用するのが最短だ。次に決算書・事業計画・資金使途を裏付ける書類を揃え、金融機関経由で神奈川県信用保証協会に保証申込を行う。
保証協会の審査と金融機関の融資審査を経て、保証承諾後に融資が実行される。神奈川県内に地盤を持つ地方銀行を取引先に持っておくと、制度融資の相談から実行まで一貫してサポートを受けやすい。
生産性向上支援融資のように国・市町村の計画認定が前提になるメニューは、認定取得に時間がかかるため、設備購入のスケジュールがある場合は早めの相談が必須だ。取扱金融機関が分からない場合や制度全体について相談したい場合は、神奈川県の金融相談窓口(電話045-210-5695、平日9時〜17時受付)にも問い合わせできる。
SOURCES
この記事で参照した根拠
- 01
創業支援融資の限度額・利率
出典: 神奈川県信用保証協会「創業支援融資(県制度)」(cgc-kanagawa.or.jp)
- 02
生産性向上支援融資の限度額・利率
出典: 資金調達ナビ(弥生)掲載 神奈川県「生産性向上支援融資」要綱(shikin.yayoi-kk.co.jp)
- 03
事業振興融資の限度額
出典: 神奈川県中小企業制度融資「融資メニュー一覧」(pref.kanagawa.jp/docs/m6c/cnt/f5782/)
数値・制度は変更される場合があります。確認方法と訂正方針は 運営・編集方針をご覧ください。
FAQ
よくある質問
Q神奈川県の制度融資で創業時に使えるメニューは何ですか?▼
創業支援融資が中心です。1か月以内に個人事業、2か月以内に法人事業を開業予定の方、または開業後5年未満の中小企業者が対象で、融資限度額は3,500万円、融資利率は年2.2%以内です。創業支援機関の経営指導を受けるか市町村の特定創業支援等事業を利用すると、創業特例として利率が年2.0%以内に下がり信用保証料がゼロになります。
Q創業特例で信用保証料がゼロになる条件を教えてください。▼
商工会等の創業支援機関による経営指導を融資実行後おおむね2回以上受けるか、国が認定した市町村の特定創業支援等事業(創業セミナー等)を利用した場合に該当します。条件を満たすと通常0.4%の信用保証料率がゼロになるため、創業期のコスト負担を抑えられます。証明書類の準備が必要なので申込前に各機関へ確認してください。
Q設備投資に向いた神奈川県の制度融資はありますか?▼
生産性向上支援融資が向いています。経営力向上計画または先端設備等導入計画の認定を受けた中小企業者が対象で、融資限度額は8,000万円(別枠)、設備資金は15年以内の長期で組めます。
融資利率は年2.0%以内、省エネルギー効果が見込まれる案件は年1.8%以内に優遇されます。汎用的な事業振興融資(限度額2億円)と必要額に応じて使い分けます。
Q神奈川県の制度融資の金利はどれくらいですか?▼
創業支援融資は年2.2%以内(創業特例は年2.0%以内)、生産性向上支援融資は年2.0%以内(省エネ案件は年1.8%以内)が目安です。固定金利で利用でき、メニューや融資期間によって利率が異なります。利率は令和8年度の公表資料に基づく目安で年度ごとに改定されるため、実際の適用利率は申込先の金融機関で見積もりを取ってください。
Qどこに申し込めばよいですか?相談先は?▼
神奈川県の取扱金融機関(県内の地方銀行・信用金庫・信用組合・商工中金など)の窓口にまず相談します。取引のある銀行が取扱機関であればその口座を活用するのが最短です。
書類を揃えたうえで金融機関経由で神奈川県信用保証協会に保証申込を行い、審査・保証承諾を経て融資が実行されます。創業や計画認定の相談は地元の商工会・商工会議所も活用できます。
Q申込みから融資実行までどのくらいかかりますか?▼
金融機関の融資審査と神奈川県信用保証協会の保証審査を順に通すため、書類の整い具合や混雑状況によって変動します。決算書・事業計画・資金使途の裏付け資料を事前に揃えておくと短縮できます。生産性向上支援融資のように国・市町村の計画認定が前提のメニューは認定取得にも時間がかかるため、設備購入の予定がある場合は早めに相談してください。
関連銀行
記事に関連する銀行
関連記事
次に確認したい記事
横浜で事業資金を借りるには|銀行・公庫・制度融資の選び方
横浜で運転資金・設備資金を借りる中小企業向けに、横浜市の制度融資、神奈川県の制度融資、日本政策金融公庫をどう選び、どの窓口へ相談するかを整理します。申込み前の書類と資金使途の伝え方も解説します。
コインランドリー開業・投資の資金ガイド|設備と使える融資制度
コインランドリー開業に必要な資金(大型洗濯乾燥機・物件・内装・決済システム・運転資金)と、日本政策金融公庫の創業融資・民間銀行・リースの使い分けを整理。無人運営の投資型ビジネスとしての資金設計を解説します。
学習塾・予備校の開業・運営資金ガイド|使える融資制度
学習塾・予備校の物件取得・内装・教材・先行する広告/人件費・月謝サイクルに伴う資金需要を整理。日本政策金融公庫の新規開業・スタートアップ支援資金(限度額7,200万円)や制度融資、FC加盟塾の資金調達を解説する。
据置期間の活用法ガイド|返済を遅らせて資金繰りを安定させる
据置期間(元金返済を猶予し利息のみ払う仕組み)の意味・効果・注意点を整理。創業期や設備投資直後にキャッシュフローが立ち上がるまでの時間を稼ぐ使い方、据置中も利息は発生する点、取りすぎると後半負担が増える点を公式値ベースで解説。