東京都の「プロパー融資促進型」は、2026年度に創設された中小企業制度融資のメニューです。保証付き融資だけを申し込む制度ではなく、同じ申込金融機関から新規のプロパー融資も原則同時に受けることが条件になります。利用可否を判断するために、対象要件・資金の組み方・保証料補助を確認します。
この記事で先に確認すること
- 制度の位置付け
- 東京都が令和8年度に創設した「プロパー融資促進型」。民間金融機関による積極的な支援を通じ、中小企業の成長を促進する目的で案内されている
- 出典: 東京都「令和8年度 中小企業制度融資が始まります!」https://www.metro.tokyo.lg.jp/information/press/2026/03/2026032715
- プロパー融資の同時実行条件
- 申込金融機関にプロパー融資残高がなく、制度による保証付き融資の実行と原則同時に、保証付き融資額の1割以上・融資期間12か月以上の新規プロパー融資を受けること
- 出典: 東京都「令和8年度東京都中小企業制度融資要項」https://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/sangyo-rodo/2026-03-27-105619-150
- 融資限度額・資金使途・期間
- 資金使途は運転資金・設備資金。融資限度額は2億8,000万円(組合4億8,000万円)、融資期間は運転・設備とも10年以内で、据置期間は運転1年以内・設備3年以内
- 出典: 東京都「令和8年度東京都中小企業制度融資要項」https://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/sangyo-rodo/2026-03-27-105619-150
- 信用保証料の補助
- 国の補助3分の1に加え、東京都が3分の1相当を補助し、全事業者で信用保証料の3分の2補助と案内されている
- 出典: 東京都「令和8年度 中小企業制度融資が始まります!」https://www.metro.tokyo.lg.jp/information/press/2026/03/2026032715
SECTION 01
まず確認する:プロパー融資促進型は何を同時に組む制度か
東京都は令和8年度(2026年度)の中小企業制度融資で、民間金融機関の積極的な支援を通じた中小企業の成長促進を目的に「プロパー融資促進型」を創設しました。ここでいうプロパー融資は、信用保証協会または保証会社による保証を付さない融資です。都の要項上、女性・若者・シニア創業サポート2.0や東京都動産・債権担保融資(ABL)制度は、このメニューのプロパー融資には含まれません。
制度の中心は、都制度による保証付き融資と、新規プロパー融資を同じ申込金融機関から原則同時に受ける組み方です。保証付き融資だけで完結する制度ではないため、通常の東京都制度融資と同じ感覚で申込みの可否を判断しないことが重要です。
保証付き融資を土台にしながら、金融機関が保証に頼らない新規融資も行うことが、この制度の利用条件です。東京都の制度融資全体の対象・仕組みは東京都中小企業制度融資2026年度版で確認したうえで、このメニュー固有の条件を金融機関へ相談します。
SECTION 02
対象になるかを判定する:4つの条件を申込前に照合する
対象者は、まず中小企業者または組合であり、東京都中小企業制度融資の基本要件を満たす必要があります。そのうえで、申込金融機関にプロパー融資残高がないことが求められます。既に同じ金融機関から保証なしの事業性融資を受けている場合は、この条件を満たしません。
さらに、申込金融機関から本制度による保証付き融資の実行と原則同時に、保証付き融資額の1割以上、かつ融資期間12か月以上の新規プロパー融資を受けることが必要です。例えば、保証付き融資の希望額だけを伝えるのではなく、同時に組むプロパー融資の金額と期間も含めて相談しなければ、制度の判定に進めません。
申込先にプロパー融資残高がない企業が、保証付き融資額の1割以上の新規プロパー融資を同時に受けることが、個別要件の要点です。プロパー融資と保証付き融資の違いそのものはプロパー融資と信用保証付き融資の違いで整理しています。
SECTION 03
資金計画を組む:限度額・返済期間・保証料補助を分けて見る
本メニューの資金使途は運転資金と設備資金で、融資限度額は中小企業者で2億8,000万円、組合で4億8,000万円です。融資期間は運転資金・設備資金とも10年以内で、据置期間は運転資金が1年以内、設備資金が3年以内と定められています。実際に認められる金額や返済条件は、限度額の範囲内でも金融機関・保証協会の審査で決まります。
融資利率は金融機関所定利率です。したがって、固定金利の上限が公表される別メニューと混同せず、保証付き部分とプロパー部分の金利、期間、返済額を同じ資金繰り表で比較する必要があります。プロパー部分の条件は金融機関が個別に示すため、記事上で一律の金利を想定することはできません。
信用保証料は保証付き融資に関する費用であり、国3分の1と東京都3分の1の補助により、全事業者で3分の2補助と案内されています。保証料の対象額や最終負担額は申込内容で変わるため、金融機関へ見積りを求め、利息・保証料・返済開始時期をまとめて確認してください。
SECTION 04
金融機関への相談で確認する:使える企業と使いにくい企業の分かれ目
この制度は、同じ金融機関から保証付き融資とプロパー融資を新たに組む設計です。そのため、既存の取引状況を確認せずに「保証料が補助される制度融資」とだけ相談しても、必要な判断材料がそろいません。まず申込予定の金融機関に、現在のプロパー融資残高の有無と、同時実行できるプロパー融資の条件を確認します。
次に、運転資金と設備資金の内訳、必要時期、月次の返済原資を整理します。保証付き部分とプロパー部分を合計した返済額が、資金繰りに無理なく収まることを説明できるようにするためです。金融機関が制度利用を提案できるか、またプロパー部分をどの条件で判断するかは、個別の審査によります。
この制度は「保証付きなら借りやすい」という判断だけでは足りず、同時に受けるプロパー融資の審査にも対応できる資金計画が必要です。対象・受付方法・必要書類は変更され得るため、申込み前に東京都の最新要項と申込金融機関の案内を確認してください。
SOURCES
この記事で参照した根拠
- 01
制度の位置付け
出典: 東京都「令和8年度 中小企業制度融資が始まります!」https://www.metro.tokyo.lg.jp/information/press/2026/03/2026032715
- 02
プロパー融資の同時実行条件
出典: 東京都「令和8年度東京都中小企業制度融資要項」https://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/sangyo-rodo/2026-03-27-105619-150
- 03
融資限度額・資金使途・期間
出典: 東京都「令和8年度東京都中小企業制度融資要項」https://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/sangyo-rodo/2026-03-27-105619-150
- 04
信用保証料の補助
出典: 東京都「令和8年度 中小企業制度融資が始まります!」https://www.metro.tokyo.lg.jp/information/press/2026/03/2026032715
数値・制度は変更される場合があります。確認方法と訂正方針は 運営・編集方針をご覧ください。
FAQ
よくある質問
Qプロパー融資促進型は2026年度から始まった制度ですか?▼
はい。東京都は2026年3月27日に、令和8年度の中小企業制度融資で「プロパー融資促進型」を創設すると公表しました。利用時点の対象期間・受付状況は、東京都の最新要項と申込金融機関の案内で必ず確認してください。
Q保証付き融資だけを申し込んでも利用できますか?▼
利用できません。本制度では、都制度による保証付き融資の実行と原則同時に、同じ申込金融機関から新規プロパー融資を受けることが条件です。保証付き融資だけで完結する通常の制度融資とは条件が異なります。
Qプロパー融資はいくら必要ですか?▼
要項では、保証付き融資額の1割以上で、融資期間12か月以上の新規プロパー融資を受けることが条件です。例えば保証付き融資の金額を基準に、同時に組むプロパー融資がこの割合・期間を満たすかを申込金融機関へ確認します。
Qすでに取引銀行からプロパー融資を受けている場合は使えますか?▼
申込金融機関にプロパー融資残高がないことが対象条件です。同じ金融機関に既存の保証なし融資残高がある場合は、プロパー融資促進型の個別要件を満たしません。別の金融機関での取扱いは、その金融機関と要項に照らして確認が必要です。
Q信用保証料は全額免除されますか?▼
全額免除ではありません。東京都の公表では、国の補助3分の1に加え東京都が3分の1相当を補助し、全事業者で信用保証料の3分の2補助です。対象となる保証付き融資の内容と最終負担額は、申込時に金融機関へ確認してください。
Q金利は東京都が一律に決めていますか?▼
本メニューの融資利率は金融機関所定利率です。保証付き部分と新規プロパー部分の金利が一律とは限らないため、申込前に金利、返済期間、保証料を含めた返済予定を金融機関から示してもらい、資金繰り表で確認します。
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