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法人で1,000万円を借りるには

銀行融資・公庫・保証協会の選び方

執筆: 法人融資ナビ編集部 / 公開: 2026-08-28 / 更新: 2026-09-21

法人が1,000万円を借りるときは、金額だけを伝えても調達先を選べません。設備の支払日、運転資金の不足月、自己資金、既存借入を一つの資金繰り表に置き、日本政策金融公庫、銀行、信用保証協会付き融資へ説明する順番を決めます。1,000万円は制度名ではなく、資金使途と返済原資を分解して初めて相談できる金額です。

要点

この記事で先に確認すること

01
新規開業・スタートアップ支援資金の対象と限度額
新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方が対象。融資限度額は7,200万円
出典: 日本政策金融公庫「新規開業・スタートアップ支援資金」https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/01_sinkikaigyou_m.html
02
新規開業・スタートアップ支援資金の返済期間
設備資金は20年以内、運転資金は10年以内。いずれも据置期間は5年以内
出典: 日本政策金融公庫「新規開業・スタートアップ支援資金」https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/01_sinkikaigyou_m.html
03
新規開業・スタートアップ支援資金の担保・保証人
公式案内は担保・保証人について「お客さまのご希望を伺いながらご相談させていただきます」としている
出典: 日本政策金融公庫「新規開業・スタートアップ支援資金」https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/01_sinkikaigyou_m.html
04
日本政策金融公庫の一般貸付
事業を営むほとんどの業種が対象で、融資限度額は4,800万円(特定設備資金は7,200万円)。設備資金は10年以内(据置2年以内)、運転資金は7年以内(据置1年以内)が原則。特定設備資金は20年以内(据置2年以内)
出典: 日本政策金融公庫「融資制度一覧(国民生活事業)」https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/index_k_02.html
05
信用保証協会付き融資の仕組み
中小企業・小規模事業者、金融機関、信用保証協会の三者で成り立ち、協会の保証が付く融資では所定の信用保証料が必要
出典: 全国信用保証協会連合会「初めての融資と信用保証」https://www.zenshinhoren.or.jp/basic/
06
信用保証協会付き融資の連帯保証人
連帯保証人が必要となる場合があるが、法人代表者以外の連帯保証人は原則必要ない
出典: 全国信用保証協会連合会「初めての融資と信用保証」https://www.zenshinhoren.or.jp/basic/
07
信用保証協会の保証限度額
1企業に対する一般保証の保証限度額は、普通保険の2億円(組合4億円)と無担保保険の8,000万円(組合も同額)を合わせた2億8,000万円(組合4億8,000万円)。これとは別枠で、特例措置等に基づく別枠保証の限度額が設けられている
出典: 全国信用保証協会連合会「ご利用条件」https://www.zenshinhoren.or.jp/guarantee-system/riyojoken/
関連銀行日本政策金融公庫政府系
→

SECTION 01

1,000万円を設備資金と運転資金に分けて必要額を決める

1,000万円を一つの使途として扱わず、機械、車両、内装など支払先と金額が決まる設備資金と、仕入、給与、家賃など月ごとに不足する運転資金に分けます。設備は見積書と支払日、運転資金は月別の入出金予定を添え、どの月にいくら必要かを示してください。

既存借入の返済額も資金繰り表に入れ、借入実行後の残高だけでなく、返済開始後に資金が回るかを確認します。必要額を根拠資料へ分解できれば、1,000万円という希望額を調達先と具体的に相談できます。

1,000万円の相談前に分ける項目

区分主な根拠資料相談時に確認すること
設備資金見積書、発注・支払予定、導入計画設備の必要性、支払時期、導入後の収益・費用への影響
運転資金資金繰り表、売上・仕入・給与等の予定不足月、必要期間、返済開始後の資金残高
既存借入借入一覧、返済予定表追加後の月次返済額と担保・保証の状況

SECTION 02

1,000万円の月々の返済額を試算し、返済原資と自己資金を資金繰り表に置く

相談先を選ぶ前に、1,000万円を返す場合の月々の返済額を試算します。元利均等で返す場合、返済期間と金利によって月々の負担と総支払利息が変わります。下の表は年利を1.5%・2.5%・3.5%と仮定した試算で、実際の金利や返済方式は制度・金融機関・審査によって異なります。

月々の返済額に既存借入の返済額を足し、月次資金繰り表の返済欄へ入れます。自己資金は借入とは別に「調達」欄へ置き、設備の支払いに使った後でも運転に必要な手元資金が残るかを確認します。売上が落ちた月でも返済後の残高がマイナスにならない返済期間を選びます。

返済期間を延ばすほど月々の負担は下がりますが総支払利息は増えるため、設備の使用期間と返済原資が生まれる時期に合わせて期間を決めます。

金利の水準や利息の計算方法は法人融資の金利相場ガイドも参照してください。

1,000万円の月々の返済額の試算(元利均等・据置なし・年利は仮定)

返済期間年利1.5%の場合年利2.5%の場合年利3.5%の場合
5年(60回)月約17.3万円・利息計約39万円月約17.7万円・利息計約65万円月約18.2万円・利息計約92万円
7年(84回)月約12.5万円・利息計約54万円月約13.0万円・利息計約91万円月約13.4万円・利息計約129万円
10年(120回)月約9.0万円・利息計約77万円月約9.4万円・利息計約131万円月約9.9万円・利息計約187万円

SECTION 03

創業期・既存事業で公庫と銀行の相談先を分ける

創業前または事業開始後おおむね7年以内であれば、日本政策金融公庫の新規開業・スタートアップ支援資金が候補になります。同制度は設備資金と運転資金を対象とし、限度額や返済期間は公式案内で確認できます。

既に事業を営み、特定の創業要件に当てはまらない場合でも、公庫の一般貸付は幅広い業種を対象に案内されています。銀行へ相談する場合は、日常の入出金、既存の取引、地域の制度融資の有無を踏まえ、資金使途と希望時期を同じ条件で伝えます。創業か既存事業かだけで決めず、使途と返済期間に合う制度を公庫・銀行の両方で確認することが出発点です。

SECTION 04

信用保証協会付き融資は銀行との二段階を前提に準備する

取引が浅い企業や、銀行から保証を求められる場合には、信用保証協会付き融資を検討します。信用保証協会は金融機関から事業資金を調達する中小企業・小規模事業者を支える公的機関で、保証付き融資では信用保証料が必要です。

保証が付いても、融資の相談窓口、必要資料、最終的な融資条件は金融機関と確認します。所在地や業種、企業規模などで利用条件や地域ごとの制度が異なるため、自治体、最寄りの信用保証協会、相談先金融機関の案内を照合してください。保証付きかプロパーかを先に決めつけず、銀行と保証協会の確認事項を分けて整理することが重要です。

SECTION 05

公庫・保証協会付き・銀行の条件を、期間・据置・担保保証で絞り込む

調達先は、公式案内で確認できる条件と、自社の資金使途・事業年数を突き合わせて絞ります。返済期間と据置期間は制度ごとに上限が違うため、先に試算した月々の返済額と資金繰り表に、下の表の条件を当てはめて、期間内に返せるかを確認します。

担保・保証人は、公庫の新規開業・スタートアップ支援資金では公式案内が「お客さまのご希望を伺いながらご相談させていただきます」としています。信用保証協会付き融資では、1企業に対する一般保証の保証限度額が普通保険2億円と無担保保険8,000万円を合わせた2億8,000万円で(別枠保証の限度額は別に設けられています)、連帯保証人が必要となる場合があるものの、法人代表者以外の連帯保証人は原則必要ありません。

1,000万円は保証限度額に比べて小さい金額です。そのため、限度額そのものより、既存の保証付き融資の残高、代表者の連帯保証の扱い、信用保証料の負担を確認することが実務上の論点になります。既に保証付き融資がある場合は、その残高が今回の保証枠に影響するかも含めて、保証協会または金融機関へ確認してください。

相談先ごとに期間・据置・担保・保証の確認項目が異なるため、確認表を相談先ごとに埋めてから比較します。

1,000万円の相談先ごとに確認する条件(公式案内ベース)

相談先公式案内で確認できる条件1,000万円の相談で最初に確認すること
公庫 新規開業・スタートアップ支援資金限度額7,200万円。設備資金20年以内・運転資金10年以内で、据置は5年以内事業開始後おおむね7年以内か、創業計画で返済原資を示せるか
公庫 一般貸付限度額4,800万円(特定設備資金は7,200万円)。設備資金10年以内・運転資金7年以内、据置は設備2年以内・運転1年以内資金使途が設備か運転か、据置が必要な期間
信用保証協会付き融資(金融機関経由)1企業の一般保証の保証限度額は2億8,000万円(別枠保証は別に設定)。信用保証料が必要。法人代表者以外の連帯保証人は原則不要既存の保証付き融資の残高、保証料の負担、代表者の連帯保証の扱い
銀行のプロパー融資条件は金融機関ごとに異なり、商品案内と担当者への確認が必要既存の取引状況、地域の制度融資の有無、担保・保証の要否

SECTION 06

1,000万円の初回相談で提出する資料と順番をそろえる

初回相談では、決算書や試算表だけでなく、資金使途一覧、見積書、月次資金繰り表、既存借入一覧、返済原資の説明を同じ基準日でそろえます。創業の場合は、売上の根拠、開業までの支出、開業後の入出金を事業計画へ反映します。

相談先へは、必要な日、設備・運転の内訳、自己資金、希望する返済期間を最初に伝え、制度ごとの追加資料と手続き日程を確認します。金利だけで選ばず、保証料、担保・保証人、据置の可否、実行予定日を条件表に並べて比較してください。資料の数字と説明の時点をそろえるほど、調達先ごとの条件を正確に比較できます。

運転資金の不足額の出し方は運転資金融資の申込ガイド、設備の見積書と導入効果の整理は設備資金融資のガイドも参照してください。

SOURCES

この記事で参照した根拠

  1. 01

    新規開業・スタートアップ支援資金の対象と限度額

    出典: 日本政策金融公庫「新規開業・スタートアップ支援資金」https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/01_sinkikaigyou_m.html

  2. 02

    新規開業・スタートアップ支援資金の返済期間

    出典: 日本政策金融公庫「新規開業・スタートアップ支援資金」https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/01_sinkikaigyou_m.html

  3. 03

    新規開業・スタートアップ支援資金の担保・保証人

    出典: 日本政策金融公庫「新規開業・スタートアップ支援資金」https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/01_sinkikaigyou_m.html

  4. 04

    日本政策金融公庫の一般貸付

    出典: 日本政策金融公庫「融資制度一覧(国民生活事業)」https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/index_k_02.html

  5. 05

    信用保証協会付き融資の仕組み

    出典: 全国信用保証協会連合会「初めての融資と信用保証」https://www.zenshinhoren.or.jp/basic/

  6. 06

    信用保証協会付き融資の連帯保証人

    出典: 全国信用保証協会連合会「初めての融資と信用保証」https://www.zenshinhoren.or.jp/basic/

  7. 07

    信用保証協会の保証限度額

    出典: 全国信用保証協会連合会「ご利用条件」https://www.zenshinhoren.or.jp/guarantee-system/riyojoken/

数値・制度は変更される場合があります。確認方法と訂正方針は 運営・編集方針をご覧ください。

FAQ

よくある質問

Q法人が1,000万円を借りるために、最初に決めるべきことは何ですか?▼
A

最初に、設備の購入・工事などの設備資金と、仕入・給与などの運転資金へ分け、支払日と必要額を確認します。そのうえで、借入後から返済開始後までの資金残高を月次資金繰り表で示せるようにします。

Q創業前でも1,000万円の融資を相談できますか?▼
A

新たに事業を始める方は、日本政策金融公庫の新規開業・スタートアップ支援資金を相談できる場合があります。制度の対象、資金使途、限度額、返済期間を公式案内で確認し、創業計画書と支出予定を用意してください。

Q既存事業の運転資金として1,000万円を借りる場合、何を示しますか?▼
A

売掛金の入金日、仕入、給与、家賃、税・社会保険料、既存借入の返済日を月別に並べ、最も資金が不足する時点を示します。売上高の倍率だけで金額を決めず、必要期間と返済原資を説明できるようにします。

Q信用保証協会付き融資なら、銀行の審査は不要ですか?▼
A

不要にはなりません。信用保証協会の保証が付く融資でも、相談先金融機関との手続きと条件確認が必要です。保証料、連帯保証人・担保の扱い、追加資料、実行までの日程を金融機関へ確認してください。

Q日本政策金融公庫と銀行へ同時に相談してもよいですか?▼
A

相談の可否や申込の進め方は案件により異なるため、各窓口に申込状況を正確に伝えて確認してください。資金使途、希望額、必要時期、返済計画を同じ内容で示し、重複調達にならないよう資金計画を管理することが大切です。

Q1,000万円を借りるとき、金利以外に確認すべき費用はありますか?▼
A

信用保証協会付き融資では信用保証料が必要です。加えて、担保設定や契約に伴う費用の有無、据置期間中を含む返済予定、繰上返済の条件などは制度・金融機関ごとに異なるため、条件表と返済予定表で確認してください。

Q1,000万円を借りた場合、月々の返済額はいくらくらいになりますか?▼
A

元利均等で返す場合、年利2.5%と仮定すると、5年で月約17.7万円、7年で月約13.0万円、10年で月約9.4万円の試算になります。年利や返済方式、据置期間の有無で変わるため、実際の条件は各機関の返済予定表で確認し、既存借入の返済額と合算して資金繰り表に入れてください。

Q信用保証協会付き融資では、代表者の連帯保証は必要ですか?▼
A

全国信用保証協会連合会の案内では、保証を利用する際に連帯保証人が必要となる場合があります。ただし、法人代表者以外の連帯保証人は原則必要とされていません。代表者の保証の要否や条件は案件ごとに異なるため、金融機関と保証協会へ確認してください。

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