茨城県の制度融資ガイド|パワーアップ融資と申込手順を解説
公開: 2026-06-07
茨城県の制度融資は、県が金融機関に資金を預託し、茨城県信用保証協会の保証を付けて県内中小企業に低利の事業資金を供給する公的融資です。業況が悪化したときの「パワーアップ融資」、小規模企業者向けの「小規模企業支援融資」、創業期の「創業支援融資」など目的別のメニューがあります。本記事では主要メニューの対象・限度額・利率と、金融機関窓口からの申込手順を整理します。
この記事のポイント
パワーアップ融資の対象・限度額・利率
県内で1年以上事業を営み、直近3か月の受注高・売上高が前年同期比5%以上減少した中小企業者などが対象。限度額は設備・運転とも5,000万円。固定金利で年1.9%(3年以内)〜年2.2%(7年超10年以内)。設備10年以内(据置3年)・運転7年以内(据置2年)。保証料は県が1割補助
出典: 茨城県「パワーアップ融資」(pref.ibaraki.jp/shokorodo/sansei/kinyu/shosei/yushi/power_up.html)
小規模企業支援融資の対象・限度額
従業員20人(商業・サービス業は5人)以下の会社・個人が対象。限度額は設備・運転とも2,000万円(既存の保証付融資残高との合計で2,000万円以内)。小口零細企業保証制度の利用が必須。保証料率年0.5〜2.2%(2027年3月31日まで一部を除き0.1%引下げ)
出典: 茨城県「小規模企業支援融資」(pref.ibaraki.jp/shokorodo/sansei/kinyu/shosei/yushi/shokibo.html)
創業支援融資の対象・限度額・利率
創業前(1か月以内に個人開業/2か月以内に会社設立予定)または事業開始・設立から5年以内の方が対象。限度額3,500万円・固定金利で年1.5〜1.8%・設備10年以内(据置2年)/運転7年以内(据置1年)。保証料率は原則年0.9%(経営者保証不要時1.1%)で2027年3月31日まで0.3%引下げ+県が5割補助
出典: 茨城県「創業支援融資」(pref.ibaraki.jp/shokorodo/sansei/kinyu/shosei/yushi/sogyo.html)
イノベーション投資促進融資(令和7年10月新設)
県内で同一事業を1年以上営む中小企業者が省力化・生産性向上等の設備資金に利用。設備資金限度額1億円・固定金利で年1.7〜2.2%・融資期間15年以内(据置3年以内)。保証料率年0.45〜1.9%で、令和8年4月1日から県の保証料補助を2割から5割に引上げ
出典: 茨城県「イノベーション投資促進融資」(pref.ibaraki.jp/shokorodo/sansei/kinyu/shosei/yushi/innovation.html)
制度の運営構造と申込の流れ
茨城県が指定金融機関に資金を預託し、取扱金融機関が融資を実行、茨城県信用保証協会が保証を付ける三者連携。信用保証料率は企業の経営状況に応じて原則9区分。申込は取扱金融機関・商工会議所等の窓口が起点で、金融機関経由で保証協会に保証申込→審査通過後に融資実行
出典: 茨城県「中小企業向け融資制度のご案内」(pref.ibaraki.jp/shokorodo/sansei/kinyu/shosei/yushi/yushitop.html)
茨城県中小企業向け融資制度の仕組みとメニュー構成
茨城県の制度融資は、県が指定金融機関に貸付原資を預託し、取扱金融機関が県の定める条件で融資を実行し、茨城県信用保証協会が信用保証を付ける三者連携で運営される公的融資制度です。県の預託と保証協会の信用補完により、自力では民間融資を受けにくい中小企業も比較的低利で資金調達できます。茨城県の「中小企業向け融資制度のご案内」には、経営の安定・合理化に使う経営合理化融資、省力化・生産性向上向けのイノベーション投資促進融資、創業向けの創業支援融資、女性・若者・障害者の創業を後押しする女性・若者・障害者創業支援融資、事業転換向けの新分野進出等支援融資、業況回復を支えるパワーアップ融資、事業承継支援融資、再生支援融資、返済負担を軽くする借換融資、小規模企業者向けの小規模企業支援融資、短期運転資金融資など多数のメニューが収録されています。資金繰り・創業・設備・成長・再生といった局面ごとにメニューが分かれているため、自社の資金需要がどこにあるかを見極めてから相談するのが基本です。各メニューの限度額・利率は要綱で定められ年度ごとに見直されるため、申込前に県公式または取扱金融機関・茨城県信用保証協会で最新値を確認してください。
業況が悪化したときの「パワーアップ融資」と売上5%減少要件
受注減や売上減少で業況が悪化したときに使うのが「パワーアップ融資」です。茨城県の案内によると、申込時点で県内に事業所を有し1年以上事業を営む中小企業者のうち、直近3か月の受注高または売上高が前年同期に比べて5%以上減少している者などが対象になります。このほか、売上減少かつ前期決算で損失を計上した者、粗利益が5%以上減少した者、市町村長のセーフティネット保証認定を受けた者、倒産事業者に対し一定額以上の売掛債権を有する者なども要件区分として用意されており、自社がどの区分に該当するかを先に確認しておくことが重要です。融資限度額は設備資金・運転資金それぞれ5,000万円(併用も合計5,000万円)、融資期間は設備10年以内・運転7年以内、据置は設備3年以内・運転2年以内です。融資利率は固定で、3年以内が年1.9%、3年超5年以内が年2.0%、5年超7年以内が年2.1%、7年超10年以内が年2.2%と期間別に設定されています。資金使途は業況の回復を図るために必要となる資金に限られ、信用保証料は県が1割を補助します。茨城県固有の「売上等5%以上減少」という業況要件を満たす事業者の資金繰りを支える、回復局面向けのメニューです。
茨城県パワーアップ融資の主な条件(茨城県の案内に基づく)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 県内で1年以上事業を営み、直近3か月の受注高・売上高が前年同期比5%以上減少した中小企業者など |
| 融資限度額 | 設備5,000万円/運転5,000万円(併用も合計5,000万円) |
| 融資利率(固定・期間別) | 年1.9%(3年以内)〜年2.2%(7年超10年以内) |
| 融資期間・据置 | 設備10年以内(据置3年以内)/運転7年以内(据置2年以内) |
小規模企業・創業期に使うメニュー:小規模企業支援融資と創業支援融資
小規模な事業者が使う基本メニューが「小規模企業支援融資」です。対象は常時使用する従業員が20人(商業またはサービス業は5人)以下の会社・個人で、融資限度額は設備資金・運転資金それぞれ2,000万円(既存の保証付融資残高との合計で2,000万円の範囲内)です。利用にあたっては小口零細企業保証制度の利用が必須で、融資利率・融資期間は各制度融資の規定を準用します。信用保証料率は年0.5%〜2.2%の範囲で、令和9年(2027年)3月31日までは一部を除き表示の保証料率から0.1%が引き下げられます。一方、創業期の資金には「創業支援融資」が用意されています。1か月以内に個人事業を開始予定・2か月以内に会社を設立予定の創業前の方や、事業開始(設立)から5年以内の方が対象で、融資限度額は3,500万円、融資利率は固定で年1.5%〜1.8%、融資期間は設備10年以内・運転7年以内(据置は設備2年以内・運転1年以内)です。信用保証料率は原則年0.9%(経営者保証を不要とする場合は1.1%)で、令和9年3月31日までは保証料率から0.3%が引き下げられ、引き下げ後の保証料の5割(上限0.3%)を県が補助します。創業なら創業支援融資、小規模な日常資金なら小規模企業支援融資と、規模とフェーズで使い分けるのが基本設計です。
省力化・生産性向上の設備投資に使う「イノベーション投資促進融資」
令和7年10月1日に従来の設備投資支援融資を見直して新設されたのが「イノベーション投資促進融資」です。県内に事業所を有し同一事業を1年以上営む中小企業者が、経営の安定・合理化や省力化・生産性向上等のために工場・店舗等に要する設備資金を借りる際に使えます。融資限度額は設備資金1億円、融資利率は固定で年1.7%〜2.2%、融資期間は15年以内(据置3年以内)と長期で組めます。信用保証料率は年0.45%〜1.9%で、令和8年4月1日からは積極的な設備投資を後押しするため県による保証料補助が従来の2割から5割に引き上げられました。省力化投資や生産性向上の設備更新を検討する事業者に向いたメニューです。
信用保証と申込の流れ:金融機関窓口から茨城県信用保証協会へ
茨城県の制度融資は茨城県信用保証協会の保証付きが基本で、信用保証料率は企業の経営状況に応じて原則9区分の料率が定められています。メニューによっては県が保証料の一部を補助する仕組みがあり、イノベーション投資分・新分野進出等支援分・パワーアップ分・借換分などが補助対象に挙げられています。申込みの流れは、まず取扱金融機関(県内の地方銀行・信用金庫・信用組合・商工中金など)の窓口や地区の商工会議所・商工会に「茨城県の制度融資を使いたい」と相談するところから始まります。次に決算書・試算表・資金繰り表・事業計画書・納税証明書などの必要書類を揃え、金融機関を通じて茨城県信用保証協会に保証を申し込み、保証協会の保証審査と金融機関の融資審査を通過すると融資が実行されます。茨城県に地盤を持つ<a href="/bank/joyo-bank">常陽銀行</a>のような地域金融機関は制度融資の取扱実績が豊富で、地元産業の事情に通じた担当が相談に応じます。取引のあるメインバンクが取扱金融機関であれば、その口座を活かして申し込めるため、まずは取引銀行の融資担当に相談するのが最短ルートです。制度融資の基本構造や他地域との比較は<a href="/guide/local-loan-program-guide">自治体制度融資の完全ガイド</a>を参照してください。
申込前に揃えておきたい書類と確認事項
申込時は直近の決算書(税務申告書一式)、試算表、資金使途を裏付ける書類(設備資金なら見積書、運転資金なら資金繰り表)、事業計画書、納税証明書、許認可が必要な事業は許認可証の写しが中心になります。パワーアップ融資は売上高・受注高の5%以上減少などの業況要件を決算書や試算表で示す必要があり、セーフティネット保証認定が前提となる区分では市町村長の認定書も必要です。認定や数値要件の確認、保証協会の審査には日数を要するため、設備購入など期限のある資金需要は早めに取扱金融機関へ相談してスケジュールを組むことが重要です。利率・限度額・保証料補助の条件は年度ごとに見直されるため、申込時点の最新値を県公式または茨城県信用保証協会で必ず確認してください。
よくある質問
Q茨城県の制度融資にはどんな資金メニューがありますか?▼
茨城県の「中小企業向け融資制度のご案内」には、経営合理化融資・イノベーション投資促進融資・創業支援融資・女性若者障害者創業支援融資・新分野進出等支援融資・パワーアップ融資・事業承継支援融資・再生支援融資・借換融資・小規模企業支援融資・短期運転資金融資など多数のメニューがあります。資金繰り・創業・設備・成長・再生といった目的別に分かれているため、自社の資金需要に合わせて選びます。
Q売上が減ったときに使える茨城県の制度融資はありますか?▼
「パワーアップ融資」が向いています。県内で1年以上事業を営み、直近3か月の受注高または売上高が前年同期比で5%以上減少した中小企業者などが対象です。限度額は設備・運転とも5,000万円、固定金利は年1.9〜2.2%(期間別)で、設備10年以内・運転7年以内で組めます。資金使途は業況の回復に必要な資金に限られ、信用保証料は県が1割補助します。
Q小規模な事業者が使える融資メニューは何ですか?▼
「小規模企業支援融資」があります。従業員20人(商業・サービス業は5人)以下の会社・個人が対象で、限度額は設備・運転とも2,000万円(既存の保証付融資残高と合計で2,000万円以内)です。小口零細企業保証制度の利用が必須で、保証料率は年0.5〜2.2%、2027年3月31日までは一部を除き表示の保証料率から0.1%引き下げられます。
Q創業時に使える茨城県の制度融資はありますか?▼
「創業支援融資」があります。1か月以内に個人事業を開始予定・2か月以内に会社設立予定の方や、事業開始・設立から5年以内の方が対象で、限度額は3,500万円、固定金利は年1.5〜1.8%です。融資期間は設備10年以内・運転7年以内で、保証料率は原則年0.9%(経営者保証を不要とする場合は1.1%)。2027年3月31日までは保証料率から0.3%が引き下げられ、引き下げ後の保証料の5割を県が補助します。
Q省力化や設備投資に使えるメニューはありますか?▼
令和7年10月に新設された「イノベーション投資促進融資」が使えます。県内で同一事業を1年以上営む中小企業者が、省力化・生産性向上等のための設備資金に利用でき、設備資金の限度額は1億円、固定金利は年1.7〜2.2%、融資期間は15年以内(据置3年以内)と長期で組めます。令和8年4月1日からは県の保証料補助が2割から5割に引き上げられました。
Q茨城県の制度融資はどこに申し込めばよいですか?▼
まず取扱金融機関(県内の地方銀行・信用金庫・信用組合・商工中金など)の窓口や地区の商工会議所・商工会に相談し、決算書などの書類を揃えて金融機関経由で茨城県信用保証協会に保証を申し込みます。保証協会の保証審査と金融機関の融資審査を通過すると融資が実行されます。常陽銀行など取引のある金融機関の融資担当に相談するのが最短ルートです。
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