債務償還年数とは、企業が現在の利益水準を維持した場合、有利子負債(借入金・社債など)を全額返済するのに何年かかるかを示す財務指標です。銀行の融資審査で最も重視される指標の一つです。
計算式
債務償還年数(年)= 有利子負債 ÷(経常利益 + 減価償却費)
「経常利益+減価償却費」はキャッシュフローの近似値として使われます。
計算例
▸借入金残高:8,000万円
▸経常利益:600万円
▸減価償却費:200万円
→ 8,000 ÷(600+200)= 10.0年
判断基準
債務償還年数評価
5年以下非常に優良
5〜10年良好(ほとんどの融資で問題なし)
10〜15年要注意(審査で説明が必要)
15年超危険水域(新規融資が困難になる)
計算不能(赤字)審査事実上不可
改善方法
1.経常利益を改善する(売上増・コスト削減)
2.借入残高を返済で減らす
3.役員報酬を適正化して利益を増やす
4.減価償却費が大きい固定資産を整理する
業種別の目安
製造業は設備投資で借入が多いため、15〜20年でも許容される場合があります。一方、サービス業・IT業は有形固定資産が少なく10年以内が標準です。銀行は業種特性を加味した判断をします。
注意点
「今期の数字」だけでなく、過去3〜5年の推移を示すことが重要です。数年前は高かったが改善傾向にある場合は、その経緯を説明できると審査担当者に好印象を与えます。