当座貸越(とうざかしこし)とは、銀行との間であらかじめ一定の融資枠(極度額)を設定しておき、必要な時に枠内で自由に借り入れ・返済ができる融資形態です。似た仕組みに、銀行が一定期間の融資枠を確約するコミットメントラインがあります。
仕組み
たとえば3,000万円の当座貸越枠を設定すると、必要な時に任意の金額(1,000万円など)を引き出せます。引き出した分だけ利息が発生し、返済すれば再び同じ枠が使えます。
▸引き出し中 → 借入残高に対して利息が発生
▸未使用枠 → 利息は発生しない。ただしコミットメントライン契約では、金利とは別にコミットメントフィー等の手数料がかかる(三井住友銀行の案内。料率は記載がなく、取引店への問い合わせとされている)
▸金利の水準 → 日本銀行の貸出約定平均金利(2026年7月分。業態全体の平均で、中小企業向けに限らない)では、7月末に残高のある当座貸越の約定金利の平均は信用金庫 年2.745%、地方銀行 年1.959%。個々の金利は審査で決まる
通常の証書貸付との違い
比較項目証書貸付当座貸越
借入方法申込のたびに審査枠内でいつでも引き出し可
返済方法分割返済(固定)自由なタイミングで返済可
利息残高全体に利息発生引き出した分のみ利息
更新期限が来たら再申込契約期間ごとに更新(期間・審査の有無は商品で異なる)
活用場面
▸売掛金の入金待ち期間の一時的な資金不足
▸季節変動の大きい業種の需要期前の仕入資金
▸緊急時の即応性を確保するための予備融資枠
▸給与支払い・税金納付の一時的なつなぎ
審査・設定の条件
当座貸越の設定には審査が必要で、対象となる企業の条件・契約期間・更新の扱いは商品ごとに決まっています。たとえば多摩信用金庫の当座貸越「ジャストライン」(2024年12月16日現在の商品概要)は、利用期間1年で、同金庫の審査により更新できます。契約後に経常損益が2期連続で損失または債務超過になった場合は、次回の更新ができないとしています。求められた決算書・試算表を出さなかった場合も同じです。東濃信用金庫の「とうしんビジネスローントライ」(令和5年9月1日現在の商品概要)の当座貸越は、法人は3年ごとの更新で、3年に1回の更新審査が必要です。契約前に、商品概要説明書で契約期間と更新の条件を確かめてください。
出典:https://www.shinkin.co.jp/tamashin/guide/gaiyo/financing/justline