純資産(Net Worth / Equity)は、貸借対照表の右下に表示される「自己資本」の部分です。総資産から借入金・買掛金・その他負債をすべて差し引いた残りが純資産であり、会社が実質的に保有している財産を示します。
貸借対照表における位置
▸資産の部(左) = 負債の部(右上) + 純資産の部(右下)
純資産の構成要素
▸資本金:設立時・増資時に払い込まれた資本
▸資本準備金:増資時の払込超過額
▸利益剰余金:過去の利益の蓄積(繰越利益剰余金)
▸その他有価証券評価差額金:保有株式の評価損益
銀行融資における重要性
純資産の部がプラスかどうかは、融資の審査で確かめられる点の一つです。どの程度重く見るかは、金融機関・商品ごとに異なります。
純資産の状態融資の相談での見られ方・備え
プラスで増加傾向返済の余力が増えている材料になる。増えた理由(利益の積み上げなど)を説明できるようにしておく
プラスで横ばい純資産の額とあわせて、利益と返済の見込みが見られる。返済の計画を示せるようにしておく
プラスだが減少傾向減った理由と今後の見通しを聞かれることがある。赤字・配当など減った理由を説明できるようにしておく
ゼロ前後少しの赤字で債務超過になるため、マイナスの扱いに近づく。黒字にする見込みを示せるようにしておく
マイナス(債務超過)審査や契約の更新で厳しく見られる(扱いは金融機関・商品ごとに異なる)。解消の計画を示せるようにしておく
純資産を増やす方法
1.利益の積み上げ:最も正攻法。毎期の当期純利益が繰越利益剰余金に積み上がる
2.増資:株主から新たな資金を調達する。株式発行や経営者・親族からの出資
3.DES(デット・エクイティ・スワップ):借入金を株式に転換して負債を圧縮・純資産を増加させる
自己資本比率との関係
自己資本比率 = 純資産 ÷ 総資産 × 100(%)
純資産の金額だけでなく、総資産に対する比率(自己資本比率)で財務健全性を判断します。求められる水準は金融機関・商品ごとに異なります。基準を公表している例として、東京信用保証協会の当座貸越の保証制度「当貸ホップ」は、直近の決算で自己資本比率15%以上を要件の一つにしています。ただし同じ要件に売上高1億円以上・業歴3年以上・申込金融機関との与信取引1年以上もあり、年商1億円未満の事業者は対象外です。
出典:https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/kaikei/tools/2008/34.html